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建設産業においては、下請企業を中心に、雇用、医療、年金保険について、法定福利費を適正に負担しない企業(社会保険未加入企業)が存在することから、技能労働者の公的保証が確約されず、若年入職者減少の一因となっているほか、関係法令を遵守して適正に法定福利費を負担する企業ほど競争上不利になるという状況が生じています。
このため、国をあげて様々な未加入対策を実施しているところであり、加入を促進することにより、技能労働者の雇用環境の改善や不良不適格業者の排除に取り組み、建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保と事業者間における公平で健全な競争環境の構築を図ることを目的としています。
国土交通省では建設業の社会保険未加入対策については、制度概要の紹介や加入範囲の明確化、元請下請間の役割分担にかかるガイドラインの作成、関係団体による推進のための会議などがあります。詳細については、「国土交通省の建設業の社会保険未加入対策について」のページにまとめて掲載されていますので、加入対象の確認や元下間での取組などの参考にされてください。
以下の資料は、「国土交通省の建設業の社会保険未加入対策について」のページに掲載しているものの抜粋です。通知等の資料記載内容に関する確認等は国土交通省(九州地方整備局)へお問い合わせください。
ガイドライン補足(下請指導ガイドラインにおける保険加入、現場入場の取扱い等(国土交通省HP掲載資料))
「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」では、「平成29年度以降については、元請企業に対し、社会保険に未加入である建設企業を下請企業として選定しないよう要請するとともに、適切な社会保険に加入していることを確認できない作業員について、特段の理由がない限り現場入場を認めない取扱い」とされています。
また、令和6年4月1日以降、建設業において労働基準法の時間外労働の上限に関する規制が適用されることからも、請負人として扱うべき者であるかについてより適切な判断が必要となっていることから、ガイドラインが改訂されました。
大分県においても、国の建設業における社会保険未加入対策とあわせて建設業における社会保険の未加入対策を行っています。内容としては主に、 1.建設業許可時の加入確認等、2.経営事項審査時における加入確認等、3.入札参加資格(建設工事)の申請要件 の3つなります。
1.建設業許可時の加入確認等
新規許可、更新、許可換え新規、般・特新規、業種追加申請を行う県知事許可の全ての建設業者が対象です。国土交通省の指導により、許可申請の際に加入義務があるのに未加入であることが確認された場合には、保険担当機関(健康保険、厚生年金保険は年金事務所、雇用保険は労働局)に未加入の情報を提供することになっています。様式第二十号の三「健康保険等の加入状況」において、「2」未加入を記載して申請される方は予めご了承ください。社会保険等の適用除外の場合は情報提供の対象とはなりませんが、適用除外の理由を確認することがあります。
2.経営事項審査時における加入確認等
経営事項審査を受審する県知事許可の全ての申請者が対象となります。加入義務があるのに未加入であることが確認された場合には、保険担当機関(健康保険、厚生年金保険は年金事務所、雇用保険は労働局)に未加入の情報を提供することになっています。未加入を記載して申請される方は予めご了承ください。
3.入札参加資格(建設工事)の申請要件
大分県の建設工事に係る入札参加資格については「社会保険に加入していること」が申請要件となっています。社会保険の加入義務があるにも関わらず未加入である場合は、入札参加資格の申請をすることができません。社会保険の適用除外の場合は入札参加資格申請を行うことができます。
※ 建設業許可申請の際に「2」未加入を記載して申請され、許可を受けた後に保険に加入した場合は、管轄の土木事務所に報告書を提出して頂く必要があります。報告書様式 [Wordファイル/28KB]を作成のうえ、管轄の土木事務所に加入確認資料(保険料の納入に係る「領収書又は納入証明書」の写し等)を添えて提出をしてください。
その他、健康保険、厚生年金保険、雇用保険の制度等について不明な点があれば、健康保険・厚生年金保険については、管轄の年金事務所へ、雇用保険については、管轄の労働局へお問い合わせください。また、国が行う建設業における社会保険の未加入対策(特に社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン等)についての問い合わせは国土交通省(九州地方整備局)にお問い合わせください。