本文
犬は人類最も古い友人であると言われています。
最近では、番犬、愛玩犬という飼われ方から、コンパニオン・アニマル、すなわち、人生の伴侶として、ますます大切な存在となってきています。
しかし、反面、住宅密集地や集合住宅などで、動物飼育に対する風当たりが強くなってきているのも事実です。これは、一部の飼い主のマナーに欠けた行為が原因となっていると思われます。
保健所等には、犬の放し飼い、鳴き声、汚物、悪臭などに関する苦情が、年間6,000件も寄せられています。みんなに愛される犬を育て、人と動物が共生できる社会へ向けて、飼い主の方には次のことについて、より一層の努力をお願いします。
犬を室内で飼う時に受動喫煙や化学物質の害に気をつけましょう
犬を室内で飼うことは、犬の安全の確保や近隣への鳴き声・ふん尿の影響を最小限にするなどのメリットがありますが、人の生活と犬の距離が近づきすぎることの弊害が生じる可能性もあります。
特に健康面では以下のことに注意しましょう。
タバコの副流煙は人だけでなく一緒に暮らす犬の健康面にも悪影響を与える可能性があります。また、消臭剤・殺虫剤などの化学薬品などを犬の近くで使用すると、嗅覚の鋭い犬には想像以上のストレスとなる可能性があります。近くでの使用を控えたり、換気を良くするようにしましょう。
人の口を犬の口に付けるなど過度のスキンシップをすることにより、動物の持つ病原微生物が抵抗力の落ちている人に感染するなどの、動物由来感染症の発生する可能性が高まります。
犬の登録は生涯1回です。生後91日以上の犬を飼い始める方は、飼い始めてから30日以内に登録を申請して下さい。
狂犬病予防注射は、毎年1回、4月1日から6月30日の間に受けて下さい。
登録を受けた犬が死亡してしまった時や、犬の所在地・所有者の住所などの変更、所有者を変更した場合の届出が法によって義務付けられています。
犬の登録は生涯1回ですので、犬が飼われている状況を的確につかむため、飼い主の方は、これらの届出を必ず行わなければなりません。
登録、死亡届、変更届、注射済票の交付などの手続きの窓口は、市町村役場になります。詳しくは、お住まいの市町村へお問い合わせ下さい。
迷子の犬は毎日移動して、日を追うごとに飼い主から遠く離れて行ってしまいます。
捜すエリアもどんどん拡大し難しくなる上、交通事故など危険に遭う確率も高くなっていきます。
いなくなったら、すぐに捜し始めることが重要です。
いなくなった場所だけでなく、近隣の保健所等にも連絡しましょう。
犬の特徴についてできるだけ詳しく説明し、確認を行って下さい。
鑑札(登録番号)や首輪に書かれた飼い主の情報などはとても重要です。
動物愛護センター、保健所 | 電話番号 | |
---|---|---|
おおいた動物愛護センター | 東部保健所 | 097-588-1122 音声案内で1を選択 |
東部保健所 国東保健部 | ||
中部保健所 | ||
中部保健所 由布保健部 | ||
南部保健所 | ||
豊肥保健所 | ||
西部保健所 | 0973-23-3133 | |
北部保健所 | 0979-22-2210 | |
北部保健所 豊後高田保健部 | 0978-22-3165 | |
大分市保健所 | 097-588-2200 |
落とし物(拾得物)として、警察に届けられているかもしれません。
最寄りの警察署に確認してみましょう。
大分県警遺失物検索サイトで検索できます。
けがをして、動物病院で治療を受けているかもしれません。周辺の動物病院に確認してみましょう。
人の集まる場所に、許可を受けて写真入りのポスターを掲示したり、チラシを配ったりして、多くの人から情報を集めましょう。
また、新聞の広告コーナーなども利用すると、より多くの情報が寄せられるでしょう。
毎年、全国で10万頭以上の犬が路上を徘徊していたり、迷い込んできたりして保護(抑留)されています。
また、自治体にはその何倍もの迷子になった犬を捜す飼い主からの問い合わせがきています。
犬が迷子になる原因のほとんどは、上記のような不注意やアクシデントです。
自分の愛犬が迷子になる危険とは、常に隣り合わせと考えた方が良いでしょう。
また、去勢していないオス犬は、数キロ先の発情した臭いに惹かれて、家を抜け出していくこともあります。
犬はリード(引き綱)をつけましょう。散歩中や外出先では、どんなアクシデントにあうか分かりません。
ノーリードの結果、迷子にさせるのは、飼い主の過失です。
万が一の場合に備えて、呼び戻しができるようにしつけをしておくことも重要です。
なお、「大分県動物の愛護及び管理に関する条例」で犬の放し飼いを禁止されています。
迷子になっても、動物は、住所も電話番号も言えません。
飼い主の所在を明らかにするためにも、脱落しにくく耐久性の高い物を選択しましょう。
また、大地震などの災害発生時に、飼い主とはぐれた時のことも想定し、マイクロチップの装着も検討しましょう。
ほとんどの動物は大きな音が苦手です。雷や花火などでパニックになって外に飛び出さないように、対策をとりましょう。
屋内や庭で飼っている動物がドアや門の隙間などから脱走しないように、戸締まりにも注意しましょう。
また、首輪がゆるんですっぽり抜けてしまったり、鎖やリードが古びて切れてしまった例もあります。首輪などは定期的に点検しましょう。
ケージ内で飼う動物は、ケージの開閉時に飛び出したり、ケージの不具合箇所から脱走しないように、取扱いや保守点検に注意しましょう。
繁殖にかかわる事例は、犬や猫が迷子になる大きな原因です。
発情したメス犬の臭いは、オス犬を強い衝動に駆り立てます。オス犬は鎖を引きちぎったり、塀を乗り越えて家を抜け出し、メスの臭いをたどって放浪します。メスを求めて放浪するオス犬は、交通事故などに遭う可能性も高くなります。メス犬も、発情期は落ち着きをなくします。
繁殖にかかわる衝動は、動物の本能に根ざすものなので、抑制は難しく、ストレスとなることもあります。
不妊去勢措置をとることで、性衝動やストレス、繁殖にかかわる迷子の危険から解放することができます。
環境省パンフレット(リンク):迷子にしないで、捨てないで