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特集1 安心な暮らしを守る強靭な県土づくり
【PDF版】新時代おおいたNo.132 [PDFファイル/9.31MB]
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近年、気候変動に伴い災害が激甚化、頻発化しています。
平成24年の九州北部豪雨、平成29年の九州北部豪雨や台風18号、そして令和2年7月豪雨。ここ8年の間に観測記録を更新する豪雨が続いており、これまで私たちが経験したことのない降雨や洪水が発生しています。
県では、過去の経験から想定される洪水に対応する治水対策のみならず、今後起こることが想定される豪雨などにも対応できるよう、抜本的な治水対策に取り組んでいます。
令和2年7月豪雨 玖珠川
◉県内に大きな被害をもたらした「令和2年7月豪雨」では、48時間雨量が、県内にある19雨量局のうち9局で観測史上最大を更新しました。
◉国内の1時間降水量50mm以上の年間発生回数は30年前と比べて1.4倍に増加しています。
Q 1時間降水量50mm以上の雨ってどのくらい?
A 天気予報などでは「非常に激しい雨」と表現されます。1時間に50mm以上の雨が降ると、屋外では水しぶきの影響で視界が悪くなり、避難する際にも、十分な注意が必要になります。
災害はいつ、どこで起きるか分かりません。日頃から、一人ひとりが「自分の身は自分で守る」意識をもつことが重要です。 また、従来の備えに加えて、避難における新型コロナウイルス感染症への対策も必要です。
新型コロナウイルス感染症がまん延する中でも、大雨などの際、危険な場所にいる人は、必ず避難してください。
◉ご自宅が安全な場所かどうかハザードマップで確認しておきましょう
◉避難先を検討しておきましょう
避難先は、小中学校・公民館などの避難所だけではありません。安全な場所にある親族・知人宅に避難することも検討し、日頃から話し合いをしておきましょう。
◉非常持出品にマスクなどを追加しましょう
避難所では、不特定多数の方と同じ空間で過ごすことになります。感染防止のため、非常持出品にマスクや消毒液などを追加して、いざというときに備えましょう。
(感染症防止グッズの例)
マ…マスク
タ…体温計
タ…タオル
シ…消毒液
テ…手袋
「また足して(マタタシテ)」で覚えてください雨水を早くかつ安全に流すため、河川の拡幅や堤防、護岸の整備を行っています。
◉咳エチケットを心がけましょう
災害時には様々な情報が出回りますが、噂話や不確かな情報に惑わされず、正しい情報を入手することが大切です。万が一に備えて、情報収集先は複数持っていると安心です。
データ放送で河川の水位や雨量などの情報を見ることができます。
(1)NHK大分放送にチャンネルを合わせる。
(2)リモコンの「d(データ放送)」ボタンを押す(機種により表示が異なります)。
(3)メニューから「防災・生活情報」を選ぶ。
県内の災害情報や避難情報をメールでお知らせします。
避難情報や気象情報などのプッシュ通知に加え、避難所検索機能等を備えています。
県ホームページから閲覧可能です。気象や地震、土砂災害など様々な災害・防災関連情報を見ることができます。
また、気象庁や市町村の防災情報へのリンクもまとめています。
問:防災対策企画課 097-506-3155
令和2年7月豪雨の際、日田市立津江小・中学校体育館で避難所運営を担当
今回の避難所運営では、新型コロナウイルス感染症拡大防止への対策が必要でした。具体的には、3密(密閉・密集・密接)回避のためのスペース確保、換気、避難者の方への検温、トイレやドアの消毒などを行いました。
今回は避難所の開設が約1ヶ月と長期におよんだこともあり、津江小・中学校体育館で初めて使用した「紙管間仕切り」(※)が好評でした。
紙管間仕切りは、紙管を組み立てて1区画2メートル四方のスペースを作り、布を掛けたものです。2メートルの高さがあり、個人や家族ごとに空間ができ、新型コロナウイルス感染症の飛沫感染によるリスクも抑えられます。
避難者の方は、就寝時は布を下ろして家族の空間を作り、昼間は布を上げて周囲の方と団らんするなど用途に応じて使い分けていました。白い布なので優しい雰囲気の避難所になりましたし、風通しも良かったです。
今後は紙管間仕切りの備蓄拠点が近くにでき、必要になった際にはすぐに使えるような仕組みになると良いと思います。そして、紙管間仕切りの組み立ても含めた訓練をしていきたいです。
紙管間仕切りを使った避難所の様子
※紙管間仕切り・・・建築家の坂茂氏が開発した「紙管」と「布」を使った間仕切り