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大分の地域医療を担う
2006年の医療法改正により、それまで主に公的医療機関のみが担ってきた公益性の高い医療を行う、地域医療提供体制を支える社会医療法人としての認定を受けた敬和会。大分岡病院は敬和会の運営する7施設の中で、高度急性期救急医療の役割を担い、二次救急指定病院として24時間365日救急対応しています。
また地域医療の確保・サポートを担う中核病院として、県からの地域医療支援病院の承認のもと、地域の医療機関との密接な連携で地域包括的な医療介護提供体制の構築に取り組んでいます。さらに、厚生労働大臣より基幹型医師臨床研修病院の指定も受け、医師や看護師の育成にも力を入れています。
看護部の佐藤佑佳さんは透析室の主任として勤務する傍ら、敬和会アカデミーの推進担当補佐として新人研修の企画・運営から、エキスパートになるための資格取得や、キャリアアップのサポートを行っています。「長く教育の分野に携わっているので、スタッフの成長がやりがいです。アカデミーでは、広い視点で物事を考える必要があり、良い経験を積ませてもらっています。透析室勤務は3年目とまだまだ勉強中の身、スタッフと一緒に知識を広げて、対応力を高めていけるよう取り組み中です」。
当時、病棟の雰囲気や、病床の整理整頓が行き届いている所に魅かれ入職を決意したそうですが、3人の子育てを経験する中で、敬和会の制度や施設、風土に助けられたと言います。「3人目の時には幼児教育・保育の無償化が始まり、入園希望者が増加した時期でした。育休が終わるけれど認可保育園には受からないという周囲の状況の中で、ふたば保育園 という事業所内保育施設があったことは心強かったです」。病院内に病児保育センターもあり、いざという時には駆け付けられるという環境も、安心して働ける要因となったそうです。
「制度が整えられていても、職場環境が悪いと利用しにくい。相互扶助の風土が根づいているので働きやすい」と佐藤さん。コロナ禍での厳しい労働状況でも協力しながら乗り越えられたのには、医療人としてのプライドはもちろん、良好な職場環境も貢献していたようです。
看護部長として、大分岡病院の看護部に所属する300名弱のマネジメント管理を行う吉住房美さん。看護部長へのキャリアアップには大きな不安が伴ったそうです「以前は、患者さんが退院していくときに達成感や喜びを感じていました。看護部全体のマネジメントをすることになり感じたのは、ためらいより不安でした」と、当時の気持ちを教えてくれました。現在は、敬和会オリジナルのクリニカルラダーを作成し、新人看護師の継続研修を行うことや看護師の特定行為研修などを通じて、高度な看護技術や高い専門性で資格取得を後押しするなど、人材育成にもやりがいを持って取り組んでいます。入院患者のアンケートなどから看護師の頑張りを実感できた時に、達成感や喜びを感じるそうです。
患者さんから選ばれる病院、看護師が働きやすい環境を作ることが役割だと考える吉住さん。看護業務における無駄を徹底的に省き、看護師が最大のパフォーマンスを発揮し、患者さんがより価値のあるケアを受けることができる新しい看護方式が導入されたので、その習熟度を上げることを今後の課題に掲げています。またAIなど先端技術を、業務の効率化や患者さんの安全確保のために活用していきたいと語ります。
「大分岡病院は、看護師のキャリアアップのための充実した研修サポート体制を用意しています。急性期病院ですから、病院内で学べることもたくさんあります。勉強をしたい、資格習得をしたいという方には最適な環境だと思います。また、ダイバーシティの理念を取り入れ、労働環境の整備にも力を入れているので、長く安心して働きたいという女性にもおすすめです」。
「我々は SDGs への取り組みの中で、女性はもちろん男性も高齢者も障害者も、あらゆる人が平等に機会を与えられる社会を目指しています」と語るのは、理事長の岡敬二さん。全職員が「ウェルビーイング」の状態を維持しながら業務に取り組めるように、試行錯誤する毎日です。
事業所内保育所や病児保育施設の設立、学童保育の受け入れ、男性育休の取得推進、マタハラ・パタハラなどハラスメント行為の防止など、子育て支援にも力を入れており、育休取得後の復職率は100%になります。また休職中、業務内容の変化に取り残されないよう、広報誌を送付するなど復職のためのフォローにも余念がありません。「医療は労働の密度が高く、深夜勤務があるなど特殊性の高い仕事です。患者さんのためにも、長く勤めていただきたい。そのために労働環境を整えることには、運営面でのメリットも大きいと考えています」。
現在、職員に占める女性の割合は約80%、管理職以上は約50%。これほど女性が活躍している背景には、働き方改革とともに、研修制度をはじめとした充実のキャリアサポートがあるようです。全職員に対し、専門性を高めて資格取得を目指すコースと、マネジメントの役割を担うコースの2つの教育システムを用意。昨年4月からはジョブ型の新人事制度を導入しており、職員のキャリアアップへのモチベーションが上がることが期待されています。「働き方改革や人材育成、AIやデジタル技術の導入による生産性の向上が求められています。職員の働きやすさや働きがいを大切に健康経営の推進に取り組み、地域社会に貢献したいと考えています」。
企業名 | 社会医療法人敬和会 大分岡病院 |
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事業内容 | 第二次救急指定病院、地域医療支援病院、基幹型医師臨床研修病院 |
設 立 | 1954年 |
所在地 | 〒870-0192 大分県大分市西鶴崎3-7-11 |
TEL | 097-522-3131 |
URL | https://keiwakai.oita.jp/ |
※ 2023年3月末現在