本文
いつ発生するかわからない地震。
南海トラフを領域として今後マグニチュード8~9規模の地震が30年以内に発生する確率は、70%程度と想定されています。
地震の被害を軽減するためにも、住宅の耐震化は大切です。
今回の特集では、あなたの命を守る住宅の耐震化についてご紹介します。
耐震化とは、強い地震でも建物が倒壊しないように建物を補強することです。
昭和56年6月の建築基準法の改正により耐震基準が強化され、木造住宅は、おおむね震度6強の地震でも倒壊しない構造となっています。しかし、それ以前に建てられた木造住宅については、耐震性が低い可能性が大きいのです。阪神・淡路大震災では、瞬時に住宅が倒壊し、その下敷きにより亡くなった方が死者数全体の約9割を占めています。
皆さんや家族の生命、財産を守るためにも、住宅の耐震改修は重要です。
(1) 耐震相談
◇県または市町村窓口にご相談ください
耐震診断・耐震改修にむけたアドバイス
(2) 耐震診断
◇専門家がお伺いして診断します(おおむね2週間で終了)
耐震診断は信頼できる専門家に依頼するか、「耐震リフォームアドバイザー」や「おおいた住まい守り隊」にご相談ください。
「耐震リフォームアドバイザー」
一般社団法人大分県建築士事務所協会
(☎097-537-7600)
「おおいた住まい守り隊」
市町村担当窓口または県建築住宅課
(☎097-506-4679)
(3) 耐震補強設計
◇診断結果を基に補強設計を行います
設計者の方と十分に打ち合わせをしましょう。
(4) 耐震改修工事
◇補強、改築などの工事を実施
一般的な耐震補強工事では壁を強くするような工事をします。壁を強くするには壁の中にすじかいを入れたり、柱と梁(はり)に構造用合板を釘で打ちつけたりします。
大分市にお住まいの吉田重俊さんは、平成24年に自宅の耐震改修を行いました。以前から耐震化に関心を持ちつつも踏み切れずにいましたが、東日本大震災がきっかけとなり耐震改修を決心したそうです。
「愛着ある我が家を大事にしたい、長く住み続けたいという思いから、できる範囲で何か対策をしようと考えました。きめ細やかな耐震診断の結果、どの部分にどの程度の補強が必要かを工務店と何度も打ち合わせをして、納得のいく方法で改修をすることができました」と吉田さん。耐震改修補助制度を活用し、改修経費を大幅に軽減することができました。
「補助制度を利用しても自己負担が伴いますが、それは“安心料”ですよ」と吉田さんは笑顔で話してくれました。
吉田 重俊さん
大分県では市町村と共に、耐震診断、耐震改修への補助を実施しています。
◇耐震診断
補助金額:診断費用の2/3(上限3万円)
(例)診断費用4万5千円の場合、自己負担額1万5千円
◇耐震改修(耐震補強設計、工事監理を含む)
補助金額:改修費用の2/3(上限80万円)[平成26・27年度限り]
(例)改修工事費用120万円の場合、自己負担額40万円
◇補助対象
昭和56年5月31日以前に着工された木造の一戸建て住宅で受講登録者(※)が実施する診断、改修工事
(※)受講登録者:知事が登録した建築士事務所に所属する建築士で、知事が指定する耐震診断講習を受講し、大分県建築物総合防災推進協議会に登録した者
耐震改修工事は単独で実施するほか、リフォームの際に併せて実施するケースもあります。
県では高齢者や子育て世帯の行うリフォームも支援しています(所得などの要件あり)ので、リフォームをする場合は、併せて耐震改修を考えてみませんか。
お問い合わせ:建築住宅課 ☎097-506-4679