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県教育委員会は、令和6年3月に「大分県立高等学校未来創生ビジョン」を策定し、県内のどの地域に住む高校生にも、多様で質の高い高校教育を受けられる環境の整備を目指しています。
今回は、ICTを活用した次世代型教育の拠点、「遠隔教育配信センター」について紹介します。
遠隔教育とは、パソコンやタブレット、ビデオ会議システムといったICT機器を使用し、生徒と教師が違う場所にいても、通常の授業と同様にオンライン上で授業を行うことができる教育の形態です。
県では、令和3年度から文部科学省の指定を受け、遠隔教育の研究を進めてきました。商業(プログラミング)や福祉などといった専門教科を開設する高校から、他の高校へ向けて多様な科目の遠隔授業(学校間連携方式)を実施しています。
そして今年4月からは、大分市内に新設した「遠隔教育配信センター」から県内各地の県立高校へ授業を配信する「配信センター方式」による遠隔教育もスタートしました。
県では、「遠隔授業」と「遠隔による学習支援(SOP:生徒進学支援オプション)」の二本柱を「大分モデル」として取り組んでいます。
■実施方法 遠隔教育配信センターから2校合同で配信(1校あたり10名程度)
■令和7年度対象校 臼杵高校+宇佐高校、佐伯鶴城高校+日田高校
■令和8年度対象校 高田高校、国東高校、杵築高校、別府鶴見丘高校、竹田高校、
玖珠美山高校、中津南高校、 安心院高校(以降も段階的に導入予定)
■対象学年 難関大学等を目指す理系の2・3年生
※各校において導入初年度は2年生のみ実施、導入2年目以降は
2年生および3年生で実施
※理科は導入2年目以降に3年生対象で実施
■対象教科 数学・英語・理科(物理・化学)
※数学・英語は一部の科目を実施
◇同時双方向型授業により他校の生徒と合同で授業をします。
遠隔授業に加えて生徒にきめ細やかな学習支援を実施することで、
生徒の学習効果や学習意欲を高めることを目的として行われるものです。
SOP1 長期休業中の特別授業
【実施時期】夏季 8月(全5日間)
冬季 12月~1月(全2~3日間)
春季 3月~4月(全2~3日間)
【実施科目】夏季 英語(80分)、数学(80分)※冬季、春季は未定
【授業内容】難関大学または国公立大学のいずれかのコースを選択
【受講場所】各学校の遠隔教育の受信教室または自宅など
SOP2 オンデマンドによる動画教材配信(大学入試問題等解説動画)
【実施時期】7月から順次公開
【配信科目】英語、数学、物理、化学 ※1本あたり15~20分程度
【教材内容】九州大学入試問題過去問の解説(ポイント・学習法等)
【受講場所】自宅など
SOP3 1対1生徒個別指導
生徒一人ひとりの志望や定着度に応じた個別添削指導
SOP4 オンライン課題配信
授業内容の定着を図る補充問題や発展的な問題の演習
SOP5 動機付け・意識改革(進路講演会など)
大学教授や同じ環境から進路目標を達成した先輩による講話、ワークショップの開催
SOP6 オンライン面談
センター専任教員との個別面談(授業中の疑問点の個別相談など)
遠隔教育の実施風景
■遠隔教育一体型機器で、生徒は同じ教室内に先生がいるような感覚で、授業を受けることができます。
■授業を行う教員の前にモニターが設置され、生徒の表情や反応を見ながらコミュニケーションを取ることができます。
実際に遠隔教育の授業を受けた生徒の声
少人数だからこそ、学びが深まる
・相手の意見を聞くことで、自分の 考えをより深めることができた。少人数で質問しやすいので、学力向上につなげたい。
・遠隔だけど実際に先生がいて、授業をしているような感じがして楽しかった。
・ふだんの授業と違って違和感はあるが、やりづらくはない。質の高い価値のある授業にしていきたい。
他校の生徒との交流で視野が広がる
・授業で色々な人と関わりが 持てると感じた。自分の意見を発信しつつ、他の人の考えを吸収したい。
・ペア校の生徒に地元のおすすめの場所を英語で聞いたりして、コミュニケーションが取れて楽しかった。
・他校の人たちと一緒に授業することなんてなかったので、新鮮だなと思った。レベルの高い授業を受けられるのは、自分にとって得られるものが大きくていいなと思った。
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(問い合わせ)遠隔教育配信センター oitatec@oen.ed.jp