お薦め図書コーナー　心ひらいて　とよの国の食彩

クルタ　―夢大陸の子犬

畑　正憲　　文

小学館　１９９５年　９５１円（税別）

　ある日、ふとしたことからオーストラリアの大自然の中に放り出されてしまったゴールデン・レトリバーの子犬「クルタ」。温もりが恋しいお母さんを求めて、ひとり冒険の旅に出発します。旅の途中、クルタは森や川、砂漠、海などで、ふしぎな動物たちと出会います。そんなクルタを待ち受けていたさまざまな事件とは？

 オーストラリアの大自然を舞台に、繰りひろげられる「クルタ」の愛と冒険を描いたお話です。

※畑　正憲（愛称：ムツゴロウさん）と大分県とのゆかり

エッセイストとして世間に知られるようになり、ナチュラリストとしての活動で世間的な知名度を高めた。その他特殊なジャンルでのタレントとしても活躍している。動物との共棲を目指して北海道に移住、後にこれが「ムツゴロウの動物王国」へと発展。中学、高校時代を父親の郷里である大分県日田市で過ごす。大分県立日田高等学校卒業。

  昨年の暮れ、大分市内の歩道を歩いていた知人が、あるお店の看板に額をぶつけて切り、病院で治療を受けました。その看板は、顔の高さで歩道上に突き出ていたのです。また、点字ブロックの近くぎりぎりまで置かれた大きな看板を見たことがありますが、視覚障がいのある方がぶつかりはしないかと心配になります。道路上に許可なく物を置くことはできませんし、広告物設置についてのルールは遵守しなければなりません。

  ただ、企業の広告一つとっても、法令順守は当然のことながら、それ以上に、障がい者、高齢者、子ども、外国人など様々な方々にとって、危険でないか、不快に感じないかなどにも心を配って掲示することが、社会への貢献につながるという視点を持つことが大切なのではないでしょうか。

  企業は、商品やサービスなどを提供し、社会に不可欠な存在ですが、ともすれば利益の追求だけに目が向けられがちです。しかし、社会の一員として果たすべき責任も問われています。その責任とは、産地偽装やリコール隠しを行わないといった法令順守はもちろんのこと、それ以上に広い意味で社会に利益を還元することであり、自然環境を守り持続可能な社会を目指すこと、必要な情報を開示すること、消費者や従業員の人権を守ることなどです。社会的責任を果たすことは、企業への信頼を高め、競争力を向上させるとも言われます。

  企業で働くみなさん、社会的責任を果たすことは、企業自身にも、社会全体にもプラスになることです。もう一度、見つめ直してみてはいかがでしょう。

　別府市の特産品の１つである乾しいたけや緑黄色野菜をたっぷり入れたクッキーのレシピを、別府市食生活改善推進協議会会長の高橋マチ子さんに教えていただきました。
　「子どもたちのむし歯を減らしたい、県産の乾しいたけをもっと食べてもらいたいという思いで開発しました」というこのクッキーは、摂りすぎがちな砂糖や塩を使わずに焼き上げるのがこだわりです。
　素朴な味わいの中にもしっかりと野菜の甘みが感じられ、安心できるおやつです。