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がんばれ新大学生
大分県には4年制大学が5つ、短大が5つ、それに専門学校が2つ、合計12の大学があります。この4月にはこれらの大学であわせて4,568人の新入生を迎えました。いくつかの入学式には私も行ってみましたが、もはや一人前の青年として、大学という最高の学府で学ぶ誇りと覚悟をひしひしと感じました。「ひとみをあげ、希望は高く、思いは熱く」大学生活を送ってもらいたいと思います。
「この世に大学ほど美しいものはない」と言った人がいますが、それは無知を嫌い、真理を求める大学人の姿を言っているのでしょう。とらわれのない柔軟な頭で、常識の向こうにある真実に迫ったり、光に隠された影や将来にある落とし穴を見つけたりということは、大学でなければなかなかできないことかもしれません。この困難な世の中では大学のそんな力に大いに期待したいですね。
大学のもう一つの使命は教育です。医師や実践的技術者などの即戦力に限らず、広範な知識、識見を備えた人を数多く育ててほしいものです。
論語に「学べば即ち固ならず」という一節があります。学問するといろんな考え方がわかって頑固でなくなると言うことだと思います。変転きわまりない時代には、まさにこういう人に次代を継いでリードしてもらいたいと思います。
さらに、大学にとって大事なことは学外との交流だと思います。大学に蓄えられた知的集積や大学に集う青年の元気は学外の者にとっては、大変に貴重なもので、これをいろいろ活用させてもらえれば、地域にとってこんなにうれしいことはありません。
その一つに産学連携というのがあります。大分県に立地している半導体産業や自動車産業は裾野の広い産業で、地元の中小企業にとってもビジネスチャンスです。それを実現するためには技術や経営の力をつけていく必要がありますが、そのために大学の力を借りているのです。
大学と地域の連携もそうです。地域の課題を解決するのに大学の力を借りる、大学にとっても絶好のフィールドワークの機会を得るという関係で協力が行われています。
新大学生の皆さんが、こうしたことに思いをはせながら存分に大学生活を送り、いろんな自己実現に向けて花開いていくことを期待しています。
県政だより新時代おおいたvol.70 2010年5月発行