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知事からのメッセージ 風紋 新年おめでとうございます

印刷ページの表示 ページ番号:0003118222 更新日:2021年1月15日更新

新年おめでとうございます

大分県知事 広瀬勝貞

 

  年は明けましたが、コロナは、まだ油断できません。粘り強く感染拡大防止に努力しましょう。昨年の豪雨災害もようやく復興のプロセスに入りましたが、自然災害は年々激甚化しています。国の国土強靱化計画も活用して、災害に強い県土づくりに力を入れます。

 未曽有の経験をすると生活や仕事に関する考え方も変化します。なかなか会えなくなって、かえって家族のことが心配になり、愛しくなるものです。地域の方がこんなに親切で温かい人だったのかと改めて感動することも度々です。また、生活の利便や仕事の効率から都会集中型を志向してきた多くの人々に集中リスクを考えて都会離れの流れが起っています。

 今年はこんな価値観の変化も踏まえながらポストコロナの新しい生活様式、働き方を確立し、社会経済を再活性化しなければなりません。

 まずは地方創生。大分県をもっと元気に暮らしやすくすることです。人を大事にし、魅力的な仕事を創っていきます。コロナのお陰で(?)、大分県に移り住みたいという人の流れが最高潮です。女性の活躍も応援し、多様な人々が活躍できる大分県を創ります。

 そしてデジタル社会の形成です。情報通信技術を使って仕事を省力化、効率化して、便利で安全な社会を創ります。例えばリモートワークは今や当たり前、さらにワーケーション、仕事はリモートでこなし現実世界でバケーションを楽しむ、といった複合的な生活が一般的になるかもしれません。

 「デジタル社会?付いて行けるかな」と不安に思っている方も多いと思います。突然ですが、実は昨年天皇皇后両陛下に、敬老の日にちなんで豊後大野市の高齢者通いの場「はつらつ清川」へオンライン行幸啓賜りました。両陛下がネット越しにご覧いただく前で歌ったり、筋トレしたり最後はお声がけにお答え申し上げるというので、私も成り行きを心配したのですが、日頃やっていることを自然に出していただいて素晴らしいお迎えができたと思います。デジタル社会は、機械操作さえサポートがあればあとは心配ないと思いました。

 それから先端技術の活用です。ドローンやアバターにもどんどん活躍してもらい、これを地域課題の解決や、新しい産業の立ち上げに使っていきます。

 大分空港を水平型人工衛星打上げシステムのためのアジア初の発進基地、宇宙港として利用することになりましたが、これを宇宙への挑戦の足がかりとしたいですね。

 近年は国内外で通常考えられないことが次々起こり、いつ何が起きてもおかしくない「不確実性の時代」といわれています。日頃からそれなりの覚悟をもって、何が起きても何とか対応する能力、体力をつけて、そして一つひとつ事に当たっていくことが求められます。

 佐伯市うめキャンプ村の指定管理者に地元出身の戸髙雅史さんという世界的な登山家がいます。戸髙さんは世界第2の高峰K2の無酸素登頂にも成功した方ですが、その人類未踏の山を行く時の話を聞きました。

 空と雪と氷の世界を山頂目指して一歩ずつ歩を進める。ふと振り返るとさっき通った所が雪崩で無くなっている。さらに一歩進もうとするとはっと深いクレバスに気付く、状況は刻々変わる、人はその刻一刻のつながりの中で生きている、生かされているという実感がする。そして厳しい状況で、頂上を極めた時、自分がここにあるのは、家族や友人の愛情や支えによる、そんな人とつながって生きているという本当に温かい気持を感じる、ということでした。

 今年は毎日を大事に緊張感をもって、しかし決して孤立することなくいろんな人としっかり連携しながら、一歩一歩前に進んで行こうと思います。

 

~県政だより新時代おおいたvol.134 2021年1月発行~