ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 新時代おおいたのページ > 知事からのメッセージ 風紋 これからは社会経済の活性化

本文

知事からのメッセージ 風紋 これからは社会経済の活性化

印刷ページの表示 ページ番号:0002106893 更新日:2020年7月27日更新

これからは社会経済の活性化

大分県知事 広瀬勝貞

 新型コロナウイルス感染症の大流行が、ようやく一段落しました。 県民の皆さんには、状況に応じて、手洗いや咳エチケットの徹底から、3つの密を避けること、さらに不要不急の外出自粛まで、徹底してご協力いただきました。

 そして医師、看護師はじめ医療スタッフの皆さん、ご自身やご家族の感染リスクのプレッシャーの下で、医療活動に当たっていただきました。本当に頭が下がります。

 それにしても、新型コロナウイルスは、その名のとおり未知のウイルスだけに、毎日薄氷を踏む思いでした。状況は落ち着いてきましたが、これからも油断せず感染予防をしっかり広報して対応をお願いするとともに、万一の場合に感染を封じ込めるために必要なPcr検査等の体制を充実し、そして感染者を受け入れる病床を確保しておきます。それに医療スタッフの皆さんが使うマスク、手袋、防護服等、これは実は感染がピークに達した頃逼迫して肝を冷やしたのですが、二度とそんなことにならないよう備蓄しておきます。

 長期にわたり外出の自粛をお願いしましたが、皆さん気晴らしに苦労されたのではないでしょうか。私はアップルパイを焼いてみました。例のパートナーに手助けしてもらいましたが、結構上手に出来ました。「これはもうプロの味に肉薄しているに違いない」と、後日有名菓子店のものと食べ比べてみて驚きました。やはりあちらは味も、香りも、口あたりも別格でした。

   やってみて初めて気付くプロの腕  お粗末!

 それにしても感染症対策は「人と人との接触を8割方減らして」ということですからビジネスにとっては「一時ストップ」と言われたのと同じです。特に第一線でお客さんと接しながらビジネスをすることの多い地方経済は、広範かつ深いダメージを受けました。

 まずは生活を立て直し、事業を何とか継続して雇用を維持できるようにしなければなりません。生活福祉資金で当座の困窮を凌いでいただいたり、持続化給付金で事業継続を頑張っていただき、雇用調整助成金で雇用を維持していただきます。

 そして、ポストコロナに向けて新たに体制を整えていかなければなりません。そのポストコロナの世の中は以前と違って大きく変化してきたところもありますから、そこをしっかり捉まえて取りかかる必要があります。

 第一は家族の絆、地域の助け合いの気持ちが一層強まったような気がします。わが家でも普段何も言ってこない不肖の子どもの提案で全体Web飲み会をやって空元気を出したものですが、いろいろコロナに対する不安や恐怖を共に凌いできたという思いが、かえって家族への愛情や地域の人々への思いやりを強くしたと思います。これから共生が一層大事になってくる感じです。

 第二は集中から分散への意識の変化です。これまでは仕事も住まいもコミュニティも効率性、利便性を考えると集中が良いと思われてきました。コロナで3密の回避が言われ、現にリモートオフィス等をやってみると、「分散も悪くない、必要だ」という考えが広がってきたのではないでしょうか。高速大容量の情報通信網があり、陸・海・空の多重な高速ネットワークが整備されれば、効率や利便を損なわずに分散が可能になります。分散とその基盤整備もキーワードになると思います。

 ポストコロナの社会経済活性化は容易なことではありません。農林水産業のスマート化、ものづくりの省力化、新技術・新産業の創出、商業サービス業でもお客さんを安心して迎えるための店構えの整備等が必要になってきます。県でも国の力も借りながら、補助金、無利子融資、それに誘客のためのクーポン等いろいろメニューを用意して力いっぱい応援していきます。

 ~県政だより新時代おおいたvol.131 2020年7月発行~