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知事からのメッセージ 風紋 いよいよです! ラグビーワールドカップ

印刷ページの表示 ページ番号:0002072932 更新日:2019年9月13日更新

いよいよです! ラグビーワールドカップ

大分県知事 広瀬勝貞

 ラグビーワールドカップ2019、泣いても笑っても今月20日には開幕です。大分県では10月2日のニュージーランド対カナダ戦から始まります。
 世界のラグビーファンが固唾を呑んで見守る中、レベルの高い激しい試合が行われます。大分県民にとっては、これを間近で体感できる、まさに「一生に一度」のチャンスです。選手がボールを抱いて走り抜ける爽快感、体ごとぶつかり、しがみつき、地面に突進する緊張感、見ている方も本当に疲れます。
 ラグビー憲章に謳う品位、結束、尊重などを目の当たりにするのも興味深いです。品位-どこかのテストマッチで一方の選手が興奮して他方を小突いて、その相手が小突き返して、これは乱闘かと期待(?)したのですが、レフリーが小突き返した方に走り寄って厳しく注意して、ことが収まりました。先に小突いた方ではなく、仕返した方に注意とは驚きましたが、仕返しは品位に欠けるということですかね。結束-あの広いフィールドを15人で攻め、守るわけですから結束がなかったら試合になりません。実際に戦う15人がキャプテンを中心に方針を決めて動く、自律、責任そして結束、頼もしい限りです。
  ラグビーワールドカップでやって来るチームは、強豪だけどそのお国柄については、あまり知らないことが多く、そこをちょっと調べてみるのも面白いと思います。
 ウェールズ、私たちから見るとイギリスの一地域ですよね。そう言うと、「いや、うちには政府も議会もある」と反論してきます。そのウェールズですが、皆さん、地質時代の年代区分で、「カンブリア紀」というのを習った記憶があると思います。三葉虫などの無脊椎動物が出てきた時代ですが、その岩石が最初に出土されたのがウェールズで、ウェールズの古称をとってカンブリア紀という名称がつけられたのだそうです。もう一つ、日本では海苔は江戸時代から作られていますが、生態はよくわからなくて、自然まかせ、生産も不安定だったそうです。ところがイギリス(どこかは知りませんが)のメアリー・ドゥルーという海藻学者が日本の海苔に似たウェールズの海藻の生態を調べて、それを日本の学者に教えてくれました。20世紀の半ばです。以来、日本の海苔養殖の収穫量が増え、しかも安定的に行われるようになったのだそうです。その功績を讃えて、熊本県宇土市で、今でも毎年ドゥルー祭が行われているそうです。
 フィジー、変幻自在のランニングとパスワークはフィジアンマジックと呼ばれて、ファンも多いのですが、この国は、かつてはビンチョウマグロがよく獲れて、日本が随分輸入していたようです。
 さて、堅い話で恐縮ですが、皆さんに交通関係のお願いです。
 大会期間中は、日本に不慣れな外国人が多数来県しますので、自動車を運転する際は、早めの方向指示器の点灯や渡ろうとする歩行者がいる横断歩道の一旦停止など、交通マナーの徹底をお願いします。
 また、試合当日は交通総量の抑制が最も大事です。シャトルバスのルートや試合会場周辺をはじめ、大分市内中心部へのマイカー等の乗り入れを可能な限り控えていただくなど混雑緩和へのご協力をよろしくお願いします。
 いよいよ開催ともなれば、せっかくやってくるお客さんに、大分県はよかったと思っていただけるよう、存分におもてなしをしたいですね。といっても余り難しく考える必要はないと思います。先ずは何か声をかけてあげてください。
 最近、大手旅行誌「じゃらん」の宿泊旅行調査で、何と大分県が満足度日本一になりました。それも調査開始以来連続トップの沖縄県を抜いてです。旅行先でのホスピタリティが良かったというのも評価に繋がったようです。そう言えば、先日、ウェールズの選手が別府市立石垣小学校にラグビークリニックに来てくれた際、児童たちがウェールズ国歌を斉唱し、大喝采を受けました。その様子が英国のBBCスポーツ・ウェールズのフェイスブックで流され、既に33万回も再生される人気になっています。大分県民のおもてなしは大したものです。この調子でいきましょう。

~県政だより新時代おおいたvol.126 2019年9月発行~