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誰もが安心して暮らせる社会を目指し
福祉の拠点として歩み続ける

社会福祉法人 大分県社会福祉事業団は、昭和42年に法人設立以来、宇佐市、日出町、由布市、佐伯市、日田市など、県内12ヶ所で障がい者支援施設、障がい児入所施設、高齢者施設などを運営し、地域に密着した福祉事業を展開しています。
障がいのある方や子ども、高齢者などさまざまな方が安心して暮らせるよう、日常生活支援や就労支援、相談支援など、多様な福祉サービスを提供することで、ご利用者一人ひとりの生活を支えるとともに、地域公益活動にも取り組み、誰もが安心して暮らせる地域社会の実現に努めています。また、職員が安心して働き続けられる職場環境作りに力を入れています。
「社会福祉法人 大分県社会福祉事業団」は、長きにわたり障がいを持つ方への暮らしを支えてきました。「利用される方々の意思を尊重し、一人ひとりの望む暮らしができ、活き活きと充実した生活が送れるよう、支援を続けてきました」と銅城理事長。利用される方々が安心して施設で暮らせるよう、時代の変化に適切に対応したサービスの提供を心がけています。
また、ご利用者の要望に沿ったサービスが提供できるよう、職員の資質の向上に務めるとともに、「誰もが安心して長く働き続けられる職場」を目指しています。
大分県社会福祉事業団では、現在721名の職員が在籍しており、そのうち59.8%が女性、そして女性管理職は20名の54.1%です。結婚・出産・育児・介護など、職員のライフイベントに応じたサポートも手厚く、職員が働きやすい職場作りにも積極的に取り組んでいます。休暇等に関しては、「子の看護休暇等」は一人目から年度10日間取得可能とし、加えて法人独自の取り組みとして各所属に2名ずつの育児休業加配職員を配置することで業務負担の軽減とチーム体制の安定化を図り、休暇や休業を取りやすい環境を整えています。また、柔軟に勤務調整できる取り組みを行うなど、家庭と仕事の両立支援に加え、キャリア形成の支援も重要視しています。
「女性職員が管理職やリーダーとして活躍する姿は、若い世代にとって大きな励みや目標になっていると感じています。女性が活躍できる職場環境がある一方で、性別に関係なく誰もがキャリアアップできる公正な環境を整えています。また、今年度開始した『組織の活性化プロジェクト』では、リーダーシップの向上を図ることを目的に『次世代リーダーシップ研修』といった取り組みは、組織の成長と人材の育成に期待しています」と、銅城理事長。また、一度退職した職員が再び現場で活躍できる「再雇用(カムバック)制度」も新しく導入しました。
理事長として、職員一人ひとりの経験と想いは大切な財産。その力が組織力となり支援力の向上や職員のやりがい、モチベーション向上につながると考えています。また、多様性と平等において、すべての職員がその能力を発揮できる職場環境を提供することを法人の責任と考えており、性別、年齢、文化、障がいの有無、その他の特性に関わらず、すべての職員の特性を尊重し一人ひとりが自分らしく働ける職場環境づくりの取り組みを推進しています。
「ご利用者やそのご家族、職員がともに、笑顔で安心に過ごせる場所であり続けたい。そして地域の中の社会資源である施設として、地域の方々と顔の見える関係の下、愛される存在であり続けたい」と揺るぎない理念を礎に、誰もが尊重される施設づくりへの使命を感じました。
この施設の所属長の今仁さんは、所長になって3年目。短大を卒業後「社会福祉法人 大分県社会福祉事業団」に就職し、今年で34年になります。県内各地の障害者施設で働き、様々な経験を積んでスキルアップしてきました。「子育てをしながらの転勤はやはりリスクがありますよね。実際に転勤で仕事を辞める女性も見てきました。それではいけないと、地域で安定した働き方が可能な一般職と、幅広い業務と将来の昇進を目指す総合職の選択肢があることで、女性たちが様々な働き方を選べる環境になりました。結婚や妊娠中、出産、介護など様々なライフイベントで利用できる休暇制度も整っています」。カムバック制度も今年から導入し、働く人たちの背景や事情に目を向けた柔軟な対応がありがたいと話してくれました。
現場で大切にしているのは「利用者主体」の姿勢。サービスの枠に収まらず、本当に必要な支援に目を向けることが大切だと今仁さん。一方で、福祉の現場では、地域の理解と協力が必須だと話します。「防災の観点で考えると、災害時の避難などどうしても地域の方々の協力や理解が必要となってきます。障がい者や高齢者の方々が共生することで、そのご家族に少しずつ浸透し、理解の輪が広がると考えています」。 そのために不可欠となるのが、原動力となる職員。そしてそれを育むためのコミュニケーションがとても大事だと今仁さん。「上に立つ職員には、一人ひとりの顔をしっかり見て、その人にあった声かけをするようにと常に伝えています。挨拶はもちろん、その日の表情に気づきひとこと声をかけ、日頃の感謝や、上司とはいえ素直に謝罪の気持ちを伝えること。その積み重ねが風通しの良い職場を構築すると思っています」。利用者の人々が安心して過ごせる地域社会を目指して「コミュニケーション」と「利用者主体の支援」を何よりも大切にする今仁さん。その想いが、職場にも地域にも着実に根付き、これからも多様な人たちが交わる温かな福祉の拠点であり続けることでしょう。
柔らかい雰囲気が印象的な池永さんは、デイサービスセンターの運営管理や、支援計画の立案、スタッフのサポートなどを担う地域課長として活躍しています。「利用者さんが笑顔で過ごせるよう環境を整えることや、スタッフが安心して働けるよう日々心がけています」と池永さん。多様なニーズに応えながら、チーム全体の連携を図るリーダーシップが求められる仕事です。
入社から27年、3人のお子さんを育てながらここまで歩んできました。「子どもが小さい頃は、育児休暇を1年間いただきました。保育園が決まらなかった時は1年2ヶ月に延長してもらったこともあります。子どもの急な発熱や体調不良の時に利用できた看護休暇もとても助かりました」。そうした制度を積極的に利用することで、自分だけでなく周りの同僚や後輩たちにも「安心して制度を利用できる空気」を広げてきました。またご主人も同じ法人で働いていることから「お互いに休暇を調整して協力し合いながら、3人の子育てを乗り越えてきました」と、夫婦で支え合うスタイルが自然に築かれていったそうです。
仕事のやりがいを伺うと「利用者さんが楽しみに来てくれ、笑顔が見えると、仕事をしていてよかったと感じます」と笑顔で話してくれました。さらに部下の成長を見守ることも大きなやりがいだと話します。「新しい知識を得ようと努力する姿や、自分の力で仕事を進めようとする姿を見ると私も頑張ろうと思います。職員の良いところに気づいたらすぐに言葉で伝え、感謝を伝えることを大切にしています」と、コミュニケーションを大切にする職場の空気が、施設全体に活気を与えていることが伝わります。
現在は「次世代リーダーシップ研修」に参加しており、組織全体の見直しや、管理職としての新しい学びを深めています。 「課長になって2年目。チームをまとめる難しさを感じることもありますが、研修で学んだことを現場で活かせるように取り組んでいきたい」と語る姿からは、チームとともに成長し続けようとする気持ちと、未来を見据えた希望が込められていました。
| 企業名 | 社会福祉法人 大分県社会福祉事業団 |
|---|---|
| 事業内容 | 社会福祉事業 |
| 設 立 | 1967年9月 |
| 所在地 | 〒870-0907 大分市大津町2丁目1番41号 大分県総合社会福祉会館3階 |
| TEL | 097-552-1316 |
| URL | https://oitaswo.jp/ |
※ 2025年11月現在