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カメラやレンズの総合技術発信拠点
Canon(キヤノン)のカメラやレンズの総合技術発信拠点として、1982年に大分県にて誕生しました。現在では、一眼レフカメラや光学レンズをはじめとする製品の生産に加え、開発支援や修理サービス、生産自動機の開発・設計・製造など事業を拡大し、総合技術発信拠点としての役割を担っています。九州内のグループ会社とも連携を取り、世界一のモノづくりを目指しています。
Canonといえば、カメラ、ビデオといった映像機器や、プリンタ、複合機といった事務機器、半導体やディスプレイ製造装置などの分野で国内のみならず、世界中でも高い知名度を誇っている精密機器メーカーです。そして、その九州の生産拠点として国東市、大分市、日田市に拠点を構えているのが、今回取材させていただいた大分キヤノン。大分県内で女性が活躍している企業を探していたところ、「女性が活躍できる職場ではなく、年齢・性別に関係なくすべての社員が 活躍できる職場づくりを行っている会社がある」というお話を耳にしたため、同社で働く3名の女性にお話をうかがってみました。
「入社前から男性の多い職場なんだろうな、とは想像していました。」まず口火を切っていただいたのは、2017年に入社した橋本さん。入社以来、彼女の所属は施設部施設環境課。廃棄物の管理や削減活動、地域の小学生にリサイクルの大切さを教える環境出前授業などを行っています。大学時代には比較的男性が多い理系の学部を専攻していたこともあり、特に男性が多い職場に抵抗感もなく入社を決めたといいます。
「実際に私の部署は18名中女性が3名。そこは予想通りでしたが、嬉しい誤算は男性優位の職場ではなかったということです。」橋本さんによると、大分キヤノンでは、“真の実力主義”を目指しており、性別・年齢問わず自己成長を促し、正当に評価する制度が確立されているそうです。研修も充実しており、選抜研修、専門研修、階層別研修、プロフェッショナル育成プログラムといった、人材育成のための制度が整っています。もちろん、任せる仕事も適性によって判断し、性差による業務の差は発生しません。「とはいえ、力仕事が必要なときは男性社員が進んで担当をしてくれたりしていますが、それは得意な人に任せるべきだと割り切ってお願いしています。」と、にっこり白い歯をのぞかせました。
次にお話をうかがったのは、1998年に入社をした磯崎さん。彼女は昨年情報インフラ推進課に異動するまで、入社以来情報システム推進課にてシステム開発・運用を行っていたベテランエンジニアです。「私も18年前に取得しましたが、産休・育休を取得することに対して、嫌な顔をされたことは一切ないですね。復職後は元の業務に戻れたのでブランクも感じませんでした」と当時を振り返り、こう続けてくれました。「そうそう、私が復職した頃に短時間勤務も導入されました。私は活用しませんでしたが、今は多くの女性が復職後に時短勤務や時差出勤制度を利用して子育てと仕事を両立していますよ。」と。
加えて大分キヤノンでは、精神的な負担なくメンバーが休業に入れるようにと手厚いサポートを行っています。たとえば、スムーズに引き継ぎが行えるように、引き継ぎ期間は余裕を持って2,3ヶ月を設定。状況によっては、複数拠点を展開する強みを活かして、他の拠点で業務を引き継ぎます。さらには関連会社の長崎キヤノン、宮崎キヤノンと組織まで跨ぎ、同じ業務を担当するメンバーへ業務を引き継ぐなど、前任者も後任者も戸惑いがないようにしているのだとか。しかも全員が同じ業務を同じレベルで行えるような仕組みづくりが行われているので、長期休業に関わらず、子どもの発熱など突発的なお休みが生じたときも、フォローしあえるのです。男女問わず休日も申請しやすい環境が整い、会社としては次のステップへ。男性の育休も推進しているのだそうです。
さて前述のように男女平等を目指している大分キヤノンですが、令和2年度の「おおいた女性活躍推進事業者表彰」を受賞しています。今後の活動活性化のポイントは、女性リーダーの育成や女性のキャリア志向への意識改革です。そこで「女性活躍推進プロジェクト」を立ち上げ、選抜メンバーに対しプログラムを組み積極的なリーダー登用を促す動きを開始したといいます。
この点について、最後に人事部の小川さんが補足してくれました。「実際に女性管理職の中には、子育てをしながら業務に従事している方もいます。どうやって両立をしているのかなど、社内報の『きら★きら』という特集ページに経験談を定期的に掲載し、制度を含め周知を図っているところです。また育休や産休期間中も、昇進試験を受けられるようにするなど人事制度面でもフォロー体制を強化しています。なにしろ当社はダイバーシティトップメッセージを発行し、ホームページに掲載する会社ですからね」とのこと。
「女性が活躍できる職場ではなく、年齢・性別に関係なくすべての社員が活躍できる職場づくりを行っている会社」。多様性を重視する会社とはこういうことなのか、と感じさせられた取材となりました。
企業名 | 大分キヤノン株式会社 |
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事業内容 | 製造業 |
設立 | 1982年2月1日 |
所在地 | 〒873-0292 国東市安岐町下原710 |
TEL | 0978-67-2111 |
URL | https://www.oita-canon.co.jp/index.html |
※ 2021年3月末現在