epi.55 働く女性応援企業　GOEN株式会社を取材しました！

子育て世代の住宅や教育の悩み事をサポートするGOEN株式会社。「おうちの買い方相談室」では、住宅購入に対して住宅購入診断士や住宅ファイナンシャルプランナーなどの住まいのプロが、中立の立場でアドバイス。大分から全国へフランチャイズ展開し、現在加盟店は68店舗まで拡大しています。全国760人の認定講師と、お金の大切さを楽しく学ぶ勉強会「キッズマネースクール」を開設。また企業主導型保育園「ごえん保育園」を開園し、従業員を支援するとともに地域の子育て世代への貢献を行っています。

「男性に引けを取らず、社会で活躍できる場を探していた」と語る額賀由有梨さんは、「おうちの買い方相談室」大分本店の室長をされています。6年前までは県外で住宅不動産の仕事に携わってきましたが、出産育児のため大分に戻ってきました。育児との両立が難しく、数年間はパートタイムで働いていましたが、育児もひと段落したところで正社員勤務を希望。今までの経験を活かせる職場であるGOEN株式会社に入社しました。現在は住宅の購入を考えているお客さまを住宅購入診断士としてサポートし、安心して住宅購入できる手伝いをしています。また、8人の部下を抱える室長として、指導や育成に取り組む毎日です。「マイホームを持つ幸せを共有したいという思いがベースになっています。お客さまからいただく『ありがとう』の言葉が働きがいにつながっています」と、仕事の充実感を教えてくれました。

２児の母でもある額賀さんは、学童保育の終了時間に合わせた時短勤務をしています。GOEN株式会社では、それぞれの家庭状況に応じて労働時間を柔軟に決めることができるそうです。「どんなに制度が整っていても、周囲の理解がなかったら今のように安心して働けなかったと思います」と言うように、助け合いの精神が息づいた社風も、仕事と子育ての両立を支えてくれています。また企業主導型保育園「ごえん保育園」では、優先的に社員の子どもを預かってもらえるため、より女性が安心して働ける職場になっています。

昨年、経営陣を除く全社員の投票によって決められるMVPに輝いた額賀さん。個人としての結果や、チームとしての結果を残したことはもちろん、働きやすい環境づくりや雰囲気づくりへの貢献が高く評価されたようです。部下だけでなく他部署の社員にまで慕われているのは、本人の資質に加え、子育ての経験を上手く仕事に生かしているからだと思われます。人生は一度きりなので、社会で活躍するだけでなく、子どもの成長をそばで見守るという選択肢もあると思います。以前は若いうちに復職しなければ、仕事で活躍することは難しいと考えていましたが、今振り返ると気にすることはなかったと思っています。女性が社会復帰をするための制度や支援は、しっかり用意されています。だから、『いつしなければならない』ではなく『今、何をしたいか』を大切にして欲しいと思います。

「日本ではまだ、女性の方が家事や育児の負担が大きく、社会で能力を発揮できていない人が多いと考えています。それは我々、企業サイドからすると大きなチャンスで、中小の企業でも優秀な女性を採用できるということです。求めているのは成果で、働く時間は関係ありません。限られた時間の中で、求められた役割をこなしてもらえれば問題ありません」。女性の雇用状況をこう分析しているのが、GOEN株式会社の代表取締役社長、三浦康司さんです。まだ会社が小規模だった頃から、女性を積極的に採用。人員的に苦しい中でも、産休育休をはじめとする働く女性の支援制度を充実させてきたことが、助け合いの精神として会社に定着している要因だと考えています。男性社員にも「子どもの運動会やお遊戯会の日に仕事をしたらクビ」と冗談まじりに伝えているように、すべての社員のワークライフバランスの充実には心を砕かれているようです。

社員からは「社長は研修好き」と言われているそうで、毎月のように内部研修はもちろん、外部講師を招いての研修を実施しています。三浦社長が先頭に立って研修に参加することで社員の研修参加を促し、知識を得ることの大切さを、身をもって実感できるように仕向けています。スキルアップすることで生産性の向上につながり、お互いが助け合えるようになることだけでなく、会社全体で共通言語や共通の考え方を持つことを重視。「みんなで学ぶ」ことを大切にしているそうです。

「共通意識で言えば、2026年には『家族が誇れる会社になる』があります。それぞれの家庭で、『給料』『会社の知名度』『自由な時間』など誇れるものは違うと思いますが、それを一つひとつクリアしていくという目標を共有しています」と教えてくれました。「働きやすさ」のための働き方改革だけでなく、社員の「働きがい」を大切にした取り組みがすでに進んでいます。