epi.53 働く女性応援企業　株式会社豊後企画集団を取材しました！

不動産の売買仲介や賃貸仲介、賃貸管理などを中核事業に、1978年に設立。それ以来、賃貸に特化した自社ブランド「お部屋ラボ」を立ち上げるなど、大分の不動産業界を牽引し続けています。現在は「(株)豊後建築工房」「(株)豊後ドリームラボ」など、グループ企業を抱える「豊後企画ホールディングス」へと成長。リフォームやメンテナンス、新築工事から教育や旅行まで、住生活のあらゆることを提案、解決できる企業へと進化し続けています。　

「101％の力で頑張る。上を目指す気持ちを持つ」と、仕事への取り組み方を教えてくれた穴見優実さん。豊後企画集団の賃貸事業部「お部屋ラボ」のルームアドバイザーサポートとして、契約書の作成や電話応対、事務作業など営業職のサポートをメインに活躍しています。もともとは子ども服の販売員として働いていましたが、よりお客さまと関わる仕事に就きたいという思いが芽生え、転職を決意。同社へ営業職として派遣されました。不動産業界の経験はなかったものの、前職の経験を上手に活かした賃貸営業の成績は抜群で、上司から社員登用の打診を受け、晴れて入社。社員となった年には、会社から「新人賞」を授与されるなど実績を残しました。。

現在、穴見さんは2歳の子どもを持つ1児の母。出産の際には産休を2カ月、育休を1年取得しました。現在は保育園の送り迎えのために通常より2時間少ない時短勤務をしています。出産前は仕事と育児を両立できるか不安だったそうですが、全社員の52％が女性という環境と、女性の産休育休取得率が100％と、育児との両立を受け入れる土壌が会社にあり、急な休みや早退にも快く対応してくれるため、安心して働けているそうです。復職後には、通常火・水曜休みの「お部屋ラボ」事業部の中でも、土・日曜が定休日となる法人・社宅チームへ異動。さらに、お客さまの都合に左右されることの多い営業職から、営業サポート職であるルームアドバイザーサポートに配置転換されたことで、時間の融通も利きやすくなりました。「仕事と育児を両立させることで、相乗効果が生まれています。気持ちの切り替えができるので、仕事のストレスを育児で、育児のストレスを仕事で解消しています」と、今では復職したことが正解だったと実感しているようです。

育児に余裕が生まれてきたら、フルタイムの仕事へ戻る希望を持っている穴見さん。再び「お部屋ラボ」事業部で、お客さまと向き合う仕事への復帰を考えています。また豊後企画集団には住生活に関わるあらゆる仕事があるので、別の部署や異なる仕事にも挑戦してみたいと、将来の目標も語ってくれました。

「当社では男性社員が育休を取得できることを通知し、取得を促していますが、今のところ取得実績がありません。そのことを鑑みても、育児に関しては女性に負荷がかかっているのが現状で、改善すべき社会問題として捉えています」と語るのは、「お部屋ラボ」金池店法人社宅チームの店長である一水雄太さんです。クライアント企業の転勤社員向けの社宅の手配や、テナントの仲介をメインに行う店舗で店長を務める傍ら、大分市中部のエリアマネージャーとして活躍。穴見さんの直属の上司でもあります。

「今年は『誰かがいるからできるのではなく、誰かがいなくてもできる会社』になるよう働き方改革を推し進めていて、個々のスキルアップや仕事の効率化を図ることで、生産性の向上を目指しています。このことが男女を問わず、気兼ねなく休暇が取得でき、安心して復職できる職場になるためにも不可欠だ」と教えてくれました。現在、一水さんが参加する社員研修では、部署や業務の垣根を越えて「より良い会社にするため」の意見交流をしながら、社員と会社のレベルアップを図っています。元々、会社主催で宅地建物取引士など業務に役に立つ資格のセミナーや、役職別の各種研修が用意されていますが、「社員自らが『働きやすい会社』を企画するプロジェクト」も必要だと考え、社員主体の研修を開催しました。

また社員のモチベーションが上がり、パフォーマンスアップへつながるよう、労働環境を整える取り組みも始まりました。社内にカウンセリング担当を配置し、上司や同僚にはできない仕事での不安や悩み、ストレスの相談窓口を準備するなど、社員の心のケアにも積極的に向き合っています。さらには在宅ワークやリモートワークを導入することで、育児だけでなく結婚後、家族の転勤に伴い県外に転出せざるを得なくなった社員が、積み上げてきたキャリアを手放すことなく働き続けることができるようになりました。まだ、いろいろな試みを始めたばかりです。社員たちが歯車の一部ではなく、それぞれが主役として会社を変えていってくれたらと期待しています。