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企業と社員の「相乗効果」
引越しや転勤、進学など生活拠点が変わる季節になると、メディアCMや紙面で賃貸情報を目にする機会が多くなってきます。
優しく丁寧な接客が印象的な不動産会社、株式会社別大興産で働く女性は皆、キラキラと輝くような笑顔と明るい雰囲気をにじませています。
女性が多く働く職場だからこその取り組み、そして社員の皆さんに共通する「より良く」の気持ちを伺いました。話のいたるところに温かさや思いやりがあふれています!
社員の構成は実に半数が女性です。一度退職した社員から「子育てが終わったタイミングにもう一度働きたい」と声がかかることも多いという同社。“働きやすい企業だ”と感じる魅力があるからこそ、カムバックを望む女性が多いのでしょう。
社員の境遇は一人ひとり違いますし、勤続が長くなればライフステージの変化も訪れます。そこで、年に2回、上司が全員の部下と面談を行っているのだそうです。
「オフィシャルな所では言いづらいところも含めて、面談の中で生の声が聞ければいいな。」と総務部部長右田淳子さんは話します。「女性社員やパート社員で成り立っている会社なので、いかに活躍していただくか、その人その人が働きやすいようにすることが重要だと思っています。」と話す姿に、包み込むような優しさを感じました。
同社は、他の企業と共に女性の働き方について考える「ワーキングウーマンミーティング」に参加しています。テーマに沿った自社の取り組みなどを各社が報告しあうことで、同社にない制度や情報をミーティングで得ているそうです。
また社内では、正社員からだけではなく、パート社員からもアンケートやヒアリングで“声”を集めているとのこと。
社員や他の企業から、「働く」というキーワードを元にいろんな情報を得て、今以上に良くしていこうという想いが伝わります。
社員からヒアリングをした内容やニーズ、情報はすべて上層部と必ず共有しているという同社。男性社員と女性社員、職域や仕事の内容によって視点やニーズは様々です。産休・育休を取得する予定の女性が担当する仕事をどう補っていくか、など具体的な事柄も詰めていく必要も出てきます。
「ある程度は業務量が増えるかもしれないけど回していこう、という雰囲気のなかで、皆が上手くやっているんです。」と、総務部次長古荘瑞基さんは落ち着いた様子で話します。共に働く人同士が、お互いに支えあおう!としている関係の良さを垣間見た気がしました。
産休・育休を取得して現在復職している営業本部副主任加納苑子さんは、過去に、営業に配属されて産休取得後に復帰した先輩がいなかったことに不安があったそうです。しかし復職後は、「あらゆるフォローをしていただいて、子どものことを優先で考えて良いよと頻繁に言っていただけます」と、仕事と家庭を両立していることに喜びを感じています。
上司と話をしながら、育休中は復職後のキャリアプランやビジョンを考えていたそうです。通勤時間や就業時間など細かい部分の意思も事前に共有できていたことにより無理なく働けていると、今の生活、働き方に満足している様子が伝わってきました。
「ここは女性が活躍できる職場です。性別に関係なく、仕事でキチンと評価されることが、14年間ここで私が働いている理由です。」と営業本部係長首藤開希さんは力強く話します。
しっかりと仕事ができるための環境を整えてマンパワーを引き上げ、その仕事を正当に評価するという仕組みが出来ているからこそ、社員のみなさんがのびのびと働き、大切にされている実感も高まっているのでしょう。
ただ、「今が最高ではないと思うんです。」と首藤さんは話を続けます。そして、目標を到達したらもっと上を目指し、また目標に達する。その繰り返しに終わりはない。」と、同社社長がかつて社員に向けて話したという言葉を付け加えました。社長の高みを目指す想いは、広く社員に染み渡っているように感じます。
社員が子育てをしながら安心して働ける環境を整備することを目的とし、企業が保育所を設立運営する際に助成を受けられる制度、企業主導型保育事業を2018年9月から活用して、同社は社内保育所『B-Kids』を設置しました。
「子どもが熱をだしたからお休みします、と会社に言うママが一番つらいはず。妊娠したから退職します、と言われる度に至らなさを感じていたんです。」と、当時を思い出した首藤さんは、寂しそうな顔で語りました。
「(保育所は)活躍できるはずなのに働けない人たちを、どうやったら働ける環境にできるかと考えたときの一つの手段。子どもを預けられる環境があって、初めて一生懸命仕事ができる場になるはずなんです」と、社内保育所の必要性を強く感じていたこれまでを、振り返るように語ってくれました。
「経験さえ積めばそれは武器になると思います。出産で辞めるのはもったいない。」と加納さんは話します。育児休暇中にスキルアップを考えた加納さんは、不動産業界で重要な国家資格「宅地建物取引士」に一発合格しました。周囲は、年に一度しかない難関試験をまさか一回目で合格するとは…と驚いたようです。育児休暇を自分にとってステップアップするための時間だと捉えられたのは、復職して仕事を続けたいという強い気持ちの表れでしょう。
「気兼ねなく休める環境であれば、子どものことで休んでも謝らなくていい。ありがとうで良いんです。悪いことではないから。」と話す首藤さんは、これまでに子どもの体調不良で休むお母さんのつらそうな様子を、何度も見てきたそうです。「悪くないのにすいませんって言わなきゃいけない。その環境が私は好きではないし、理解する人が増えれば働きやすい環境も出来てくるはずです。」と加えて話してくれました。
女性の働きやすさとは、人それぞれが今求めている働き方だけでなく、常に変わっていくものです。社員一人ひとりの幸せを考え、お互いに支えあい、全体の環境を良くしていきながら、将来的なニーズをヒアリングの“声”から備えていく同社の前向きな姿勢。こんな会社の取り組みを近くで感じているからこそ、社員は「更に良い仕事で応えよう」とやる気をアップさせるのでしょう。
企業と社員の『相乗効果』をリアルに感じられるインタビューでした!
企業名 | 株式会社別大興産 |
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事業内容 | 不動産売買の仲介、不動産の販売、不動産賃貸の管理、不動産賃貸の仲介 |
創業 | 1980年2月 |
所在地 | 〒874-0924 別府市餅ヶ浜町10番8号 |
Tel | 0977-25-3622 |
従業員数 | 180名 |
URL | https://www.betsudaikohsan.co.jp/ |
※ 2018年10月現在