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断熱性能や設備機器の一次エネルギー消費量などを評価する指標として、それぞれの建物用途、地域区分に応じた省エネルギー基準を定めたものです。
2025年にはこれまで適合努力義務あった300平方メートル以下の小規模建築物、住宅を含む全ての建築物が適合義務の対象となります。
BEIとは、エネルギー消費性能計算プログラムに基づく、基準建築物と比較した時の設計建築物の一次エネルギー消費量の比率のことです。空調、換気、照明、給湯、昇降機(非住宅)、エネルギー利用効率化設備により算定されます。
住宅、非住宅建物により算定方法が違っています。
標準入力法からモデル建物法まで様々な計算方法があります。
BELSはBuilding-Housing Energy-efficiency Labeling Systemの略語で、建築物の省エネルギー性能を表示する第三者認証制度のことです。
省エネ計画書の一次エネルギー消費量の基準BEI(Building Energy Index)の指標を用い、用途により定められたBEI値の水準により星の数が決められます。(★~★★★★★まで)本制度は、新築・既存の別を問わず、全ての建築物を対象とした省エネルギー性能等に関する評価・表示を行う制度です。
また、BELSの評価はフロア全体または部分(テナント、室など)単位での評価を実施することが可能になっています。
ZEHとはゼロエネルギーハウスを略したもので、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した住宅」のことです。
(国土交通省資料より)
ZEBとは、「先進的な建築設計によるエネルギー負荷の抑制やパッシブ技術の採用による自然エネルギーの積極的な活用、高効率な設備システムの導入等により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー自立度を極力高め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物」をいいます。
(H27.12 経済産業省「ZEBロードマップ検討委員会とりまとめ」より)
CASBEE(キャスビー)は、建築物の環境性能で評価し格付けする手法である。省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するシステムである。
評価項目はBEEの分子側Q(建築物の環境品質・性能)と分母側L(建築物の外部環境負荷)に分類されました。そして、QはQ1:室内環境、Q2:サービス性能、Q3:室外環境(敷地内)、Lは、L1:エネルギー、L2:資源・マテリアル、L3:敷地外環境で評価します。
建築物の環境効率(BEE)=Q(建築物の環境品質)/L(建築物の環境負荷)
BEE値の値によりSランク(大変優れている)、A、B⁺、B⁻、Cランク(劣っている)にランキングされます。
LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅とは、住宅の長い寿命の中で、建設時、運用時、廃棄時において、出来るだけ省CO2に取組み、さらに太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により、住宅建設時のCO2排出量も含めライフサイクルを通じてのCO2の収支をマイナスにする住宅です。
低炭素建築物とは二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物で、所管行政庁(都道府県、市又は区)が認定を行うものです。
認定の基準は下記になります。
(1)省エネ法の省エネ基準に比べ、一次エネルギー消費量が△20%以上となること。
(2)再生可能エネルギー利用設備が設けられていること。
(3)省エネ効果による削減量と再生可能エネルギー利用設備で得られるエネルギー量の合計値が基準一次エネルギー消費量の50%以上であること(一戸建ての住宅の場合のみ)。
(4)その他の低炭素化に資する措置が講じられていること。
長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するために、大きく分けて以下のような措置が講じられている住宅を指します。
認定の基準は下記になります。
(1)長期に使用するための構造及び設備を有していること
(2)居住環境等への配慮を行っていること
(3)一定面積以上の住戸面積を有していること
(4)維持保全の期間、方法を定めていること
(5)自然災害への配慮を行っていること
(出典:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会)
自立循環型住宅とは、気候や敷地特性などの住宅の立地条件および住まい方に応じて極力自然エネルギーを活用した上で、建物と設備機器の設計や選択に注意を払うことによって、居住性や利便性の水準を向上させつつも、居住時のエネルギー消費量(二酸化炭素排出量)を2010 年頃の標準的な住宅と比較して、太陽光発電を含めずに50%にまで削減可能な、太陽光発電を含めるとゼロエネルギー化が可能な現時点において十分実用化できる住宅をいいます。
戸建住宅の適切な高断熱化の推進・普及のため、「HEAT20 G1~G3 水準」の住宅シナリオに適合する住宅システムの認証を行います。 HEAT20の「住宅シナリオ」とは、住宅において「環境の質を表す室温(ノンエナジーベネフィット:NEB)」と「省エネルギー(エナジーベネフィット:EB)」を両立させて実現することです。
気候風土適応住宅とは地域の気候及び風土に応じた特徴を多面的に備えている住宅の基準を満たすことにより、外皮基準に適合させることが困難である住宅の改正後の建築物エネルギー消費性能等を定める省令の「外皮基準の適用除外」を受けることが出来ます。
気候風土適応住宅は国が定める基準、国が定める要件に所管行政庁が必要な要件を付加した基準、所管行政庁が定める基準からなります。
(出典:一般社団法人 日本サスティナブル建築協会)