epi.47 働く女性応援企業　株式会社さかえ写真スタジオを取材しました！

創業62周年を迎えた老舗写真館の株式会社さかえ写真スタジオは｢しあわせをつくるヒトになる！｣をモットーに、本社を置くブライダルハウス『グレーススクエアガーデン』のほか、こども写真館のスタジオ『ステップ』８店舗を、大分・宮崎・福岡県内で展開しています。撮影はブライダル、成人式・卒業式、お宮参り、七五三、家族写真、マタニティー、その他各種証明写真などさまざまで、お子さまからシニアのお客さままで幅広い世代のニーズにお応えしています。

約80名のスタッフは女性8割・男性2割と、女性が主役の会社です。それだけに女性にとって働きやすい職場づくりを常に心がけ、風通しの良い社風を築いてきました。

常務取締役として管理部門を担当し、全体の運営に心を配っているのが、小石ゆき代さんです。創業者の小石栄氏の後を31歳で引き継いだ夫である小石淳一社長を支え、社内の環境整備に取り組んできました。

「62年の歴史のうち半分を義父が、あとの半分を夫が担い、皆さんに支えられて今日の私たちがあります」と、ゆき代さん。 かつては男性カメラマンばかりの小さな写真館だったそうですが、淳一社長がこども写真館を始めたのを機に、女性中心の会社へと成長拡大しました。スタッフ約80名は社員とパートが半数ずつ。「フルタイムでしっかり働きたい」、「子育てしながら短時間働きたい」、「家族を介護しながら頑張りたい」など、個々の事情に合わせて働き方が自由に選べます。産休・育休も本人の希望に合わせて、3カ月から1年と人それぞれ。保育園が見つかるまで、育休を延長したケースもありました。また、子育てや介護には発熱やケガなど想定外のことが起きます。そんな時も、仲間同士でフォローし合う風土が根づいているので安心です。

「私も経験したので、子育ての苦労はよくわかります。だからこそ、女性が安心して長く働き続けられる職場にしたかった。おかげさまで定着率はとても良いです」 スタッフの多くが未経験からのスタートで、現場で仕事を覚えながら着実にステップアップできる環境が整っています。

「子どもが好きで人が好き。写真や衣装やメイクに興味がある。そんな新しい仲間に出会いたいですね」と、ゆき代さんは笑顔で語ってくれました。

関東地方の特別支援学校で教師をしていた小野恵理さんは、結婚を機に退職。出産後、夫の転職・転勤をきっかけに、学生時代を過ごした大分へ移住しました。息子が七五三の時、さかえ写真スタジオで写真を撮ってもらったんです。皆さんとても親切で、生き生きと仕事をされていて、もともと子どもが大好きな私は｢楽しそうな職場だなぁ｣と惹きつけられました。

子育てをしながら化粧品検定資格を取得したり、カメラを習ったりと、好奇心旺盛な小野さん。たまたま目にした求人広告でステップが姉妹店だと知り、2021年10月から自転車で通える自宅近くのフレスポ店で働き始めました。仕事は、撮影アシスタントや衣装のコーディネートなどスタジオ業務全般。スタッフ8名の一人として、水曜から土曜の週4日、平日は10時～16時、土曜は10時～18時で働いています。

「覚えることばかりですが、皆さん親切に教えてくださるし、とにかく楽しくて仕方ありません」と、小野さん。温かな人間関係がすっかり気に入り、休みの日は「あぁ、今日はスタジオに行かない日か……」と残念なのだそうです。今後は、忙しい先輩方を少しでも支えられる存在になりたいと頑張っています。

専門学校を卒業後、県外で衣装コーディネーターとして働いていた佐野萌南さん。念願の仕事でしたが職場の人間関係にひどく悩まされ、心身ともに消耗して故郷へUターンしました。いったんは、まったく違う仕事をしようと思っていた佐野さんに、専門学校の恩師が紹介してくれたのが今の仕事でした。迷った末に、もう一度、挑戦してみようと決心し、再び衣装コーディネーターとして歩むことにしました。

「温かい人間関係の中で支えられ、以前とはまったく違う手ごたえを感じています」と、佐野さんは明るい笑顔を見せます。手がける衣装は、ウエディングドレスやカラードレスが9割、あとの1割は成人式の振袖や結婚式に参列される方の留めそでなどいろいろです。最近はコロナ禍などさまざまな事情からフォトウエディングが増えており、入社してまだ9カ月とは言え、即戦力の佐野さんが活躍するシーンが続いています。

「任される仕事も増え、期待に応えたいという思いが強くなりました。一つひとつの仕事を通じて、信頼され、お客さまに指名されるようになりたい。子どもが大好きなので、毎日楽しく仕事ができます。この会社に出会えて、本当に良かったです」。

フォトグラファーの大野佳織さんは、入社14年目。ブライダル、成人式、七五三などの撮影全般と、衣装コーディネートを含めた業務全般に精通し、自然で高度な接客スキルでお客さまはもちろん、仲間からも厚い信頼を寄せられています。独学で撮影技術を身に付け、以前は他の写真館で働いていましたが、ウエディングに携わりたいという思いを叶えるため、さかえ写真スタジオへ転職しました。

14歳の女の子と6歳の男の子のママでもある大野さんは、1年間の育休を2回取得しました。今は時間の自由が利くパートとして、9時～17時で働いています。休みは火曜の定休日プラス週1-2日のシフト制。自分のペースで、仕事でも家庭でも充実した時間を持てる今の暮らしが、とても気に入っているそうです。

「人柄の良い人ばかりなので、安心してのびのび働けます。時間の融通も聞いてもらえるし、子育てや介護といった事情に引け目を感じることが一切ないのは、本当にありがたい。しっかり仕事をしたい人にピッタリの会社です」と、職場の魅力を語ります。今後は「もっとうまくなりたい、仕事がしたい、役に立ちたい」という思いを、一つひとつ現実化していきたいそうです。