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建設産業は、社会インフラの整備や災害からの復旧・復興を支える重要な産業ですが、新規入職者の減少、就業者の高齢化などにより、担い手の確保や育成が課題となっています。
県では、将来の担い手を確保し、持続可能な建設産業を構築するため、若者や女性が働きやすい職場環境づくりへの支援や建設産業の魅力発信、建設現場でのICT(情報通信技術)の活用などに取り組んでいます。
県内の建設産業の就労者は20年間で約4割減少しており、就労者の約4割が55歳以上と高齢化も進んでいます。また、29歳以下の若年層や女性の就業割合が低く、担い手の確保が喫緊の課題です。建設産業は、インフラ整備の担い手であると同時に、災害時には現場の最前線で活躍するなど地域の守り手としての役割を担っており、人手不足が課題です。
※平成12年から令和2年の国勢調査結果を基に作成
県では「建設産業に女性のチカラを!」をキーワードに、令和2年度から建設産業における女性活躍の推進に取り組んでいます。建設産業の新たな未来を「積み上げる」というイメージから、一連の活動を「BLOCKS(ブロックス)」と呼んでいます。
BLOCKSでは測量や情報発信などの知識や技術を習得するためのスキルアップセミナーや経営者向けのトップセミナーを開催しています。また、会社の垣根を越えて女性同士が悩みを共有できるよう、交流会も実施しています。
一年間の取組を発表する成果発表会には、建設産業の関係者だけでなく、学生にも参加してもらい、建設産業で働く女性の魅力発信にも力を入れています。
●交流会の様子
先人から受け継いだ豊かな県土のさらなる発展には、これまで培った技術・技能を次世代に引き継いでいく必要があります。
そのため、県内の高校や大学、建設関係団体、自治体などが中心となって「BUILD OITA(おおいた建設人材共育ネットワーク)」を平成28年に立ち上げました。
小学生から大学生までの若い年代に向けて建設産業の意義や魅力を伝えるおしごと教室や建設現場を巡るバスツアーを開催しています。
●親子で体験!土木・地区お仕事教室
●BUILD OITA バスツアー
持続可能な建設産業の構築には、建設現場での生産性の向上が必要です。少ない人員でもこれまでと同じ作業が行える、生産性の高い建設現場を実現するため、ドローンによる調査・測量やICT建機を活用した工事が行われています。県ではICT活用工事に関する体験会や研修を通じて、現場での普及・拡大を進めています。
●ドローンによる施設の調査
●新和リファイン株式会社(日田市)
安心院 愛実さん(あじむ まなみさん)
資格:2級建築士 業務内容:設計、現場監督など