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epi.72 働く女性応援企業 株式会社三洋産業を取材しました!

印刷ページの表示 ページ番号:0002055462 更新日:2024年9月17日更新

世界との窓口として活躍

 

株式会社三洋産業

1973年、株式会社サンヨーコーヒーからコーヒー器具の製造部門を分離独立する形で設立された「株式会社三洋産業」。創業以来「自宅で美味しいコーヒーを家族や大切な仲間と楽しんでもらいたい」というテーマのもと研究開発を重ね、世界初の円錐型ペーパーフィルターを開発するなど、コーヒー抽出器具製造のパイオニアとして広く知られています。2016年に立ち上げたオリジナルブランド「CAFEC」の製品は、機能性とその高い品質が高く評価され、現在では世界80カ国以上に販路を広げています。さらに2002年からは自家焙煎コーヒー専門店「YOUMECA」や、レストラン「滋味創菜百膳の夢」を展開するなど、カフェ・レストラン事業にも進出。コーヒー関連商品の総合メーカーとして世界に向けてコーヒー文化の提案を行っています。

別府に魅せられて

ティファー二さん画像 ティハーニ ウィクラマトゥンガさんは、国際部に所属。海外の販売代理店からの受注や、製造部門との調整、出荷までを担当しています。スリランカ出身で、立命館アジア太平洋大学の大学院を修了後、2020年11月に入社しました。学生生活を過ごす中で別府のことが大好きになり、大分に留まりたいという思いを強めたティハーニさんは、母国の共通語である英語を活かせる職場を大分県内で探し、世界80カ国以上と取引のある同社に巡り合いました。

コーヒーの専門用語など覚えることが多く、忙しい日々ですが、「海外向けのコーヒーセミナーの同時通訳や、公式YouTubeの制作を任せられるなど、スキルアップにつながる仕事も多い」と充実感を滲ませます。

ティハーニさんは、スリランカ親日協会に所属し、地域活動への参加を通じて、日本とスリランカの関係を深める活動にも精力的に取り組んでいます。将来の夢は国連やJICA(国際協力機構)、JETRO(日本貿易振興機構)などで働くことです。大学で培った観光学の知識と、三洋産業で世界の国々とやり取りをした経験を活かし、地域活性化に貢献していきたいと考えています。「別府にも、コーヒーを通じて地域活性化に成功している企業があることを世界中に伝えたい」とティハーニさん。紅茶で有名なスリランカから来日し、コーヒーを通じて世界に羽ばたくことを目指しています。

チームリーダーの自覚

山下さん画像

山下祐佳さんは、国際部とマーケティングチーム(CAFEC担当)のリーダーを兼務しています。国際部ではティハーニさんたちのチームリーダーとして、商品の船積み手配や出荷日などのスケジュール調整を担当。またコーヒー器具ブランド「CAFEC」のマーケティングチームの一員として、商品企画にも携わっています。2019年5月に入社してからからは、公式インスタグラムの運営も担当。ブランドイメージに沿ったスタイリッシュで洗練された投稿を心掛け、コーポレートメッセージである「その先にあるコーヒースマイルを!」を体現した、初心者にもわかりやすい内容を発信しています。その結果、引き継いだ当初は400人だったフォロワーが2万人以上に増加し、ブランドの認知度向上に大きく貢献しました。

2024年2月に開催された、三洋産業が主催するハンドドリップの抽出技術を競う競技会「CAFECジャパンブリュワーズカップ」プロジェクトでは、主催者側の中心メンバーとしても活動。インターネットでの参加募集は開始からわずか1分で定員が埋まるほどの大成功を収め、現在は4年後に世界大会を開催することを目指して準備を進めています。

山下さんの実家は英会話教室を経営。幼少期から慣れ親しんだ英語を活かした仕事を探していたところ、三洋産業に巡り合いました。会社には穏やかな社員が多く、お互いを尊重し合い、ストレスのない環境で働けているそうです。

2024年4月にはリーダーに昇進。部署は女性4名、男性1名と女性が多く、うち海外出身者が2名と多様な人材が働く国際部のリーダーとして、「自分の軸をしっかりと持ち、周囲を支えられるような人間を目指したい」と今後の抱負を教えてくれました。

経験を次代に伝える

酒井さん画像 酒井ひかりさんは、2018年に三洋産業に入社し、同社初の女性取締役として海外事業展開、ブランディングやマーケティングを担当。オリジナルブランド「CAFEC」を世界に通用するブランドへと成長させるため尽力してきました。三洋産業は長年にわたりOEMメーカーとして成長してきましたが、独自ブランドの立ち上げには経験が乏しく、国際ブランディングに精通した酒井さんを迎え入れることで、「CAFEC」は世界80カ国以上で取り扱われるまで飛躍しました。また、ティハーニさんや山下さんの上司にあたる国際部部長を務め、後進の育成にも力を注いでいます。

女性職員

酒井さんは日頃から部下に対して、「焦らず、長期的な視野でキャリアを積み上げなさい」とアドバイスしています。特に女性は結婚や出産などライフイベントがキャリアアップに影響を与えることが多く、若いうちにキャリアアップを諦めてしまいがちです。しかし、「ライフイベントに集中しながらも目の前の仕事や課題に全力で取り組むことが、人生の選択を迫られた時に最良の選択ができる力を身に着けることになる」と、自身の経験から語ります。

酒井さんは長野県出身で、東京外国語大学への進学のために上京。中国語を専攻し、日中友好の懸け橋になる事を志していましたが、最初の就職先にて「語学は手段、その語学を使って何を伝えていくのか?」を突き付けられ、自分の甘さを痛感。その後結婚・出産を機に退職。子育て中に始めたフリーランスの翻訳業では、仕事の依頼が思ったほど来ないという挫折を経験しました。それでも腐らずに仕事に向き合い、与えられた仕事に喜びを感じ取り組んだことが、後のキャリアへの貴重な経験になったと言います。子育てにも全力で取り組み、「幼稚園の役員なども率先して引き受けたことは、人を導く立場となった今、役に立っています」と振り返ります。

子育てが落ち着いた後、酒井さんは会社組織に復帰し、貿易関係の仕事や、ブランディング・マーケティングの仕事を経て、三洋産業に入社。現在は月の1/3を東京支社で、1/3を別府本社で、残りの1/3を海外で過ごすという多忙な日々を送っています。

三洋産業は、「女性活躍応援県おおいた認証企業」の認証を受け、女性でも働きやすい職場ですが、酒井さんは「会社にできることには限界がある。他力本願ではなく、自ら行動を起こし仕事を作り出し結果を出していくことが重要」と指摘します。そのため部下の指導方針として「考えさせること」を大切にしており、考える力を育みながら、個性を最大限に活かせる環境づくりを心掛けているそうです。

会社概要

企業名株式会社三洋産業
事業内容コーヒー関連器具製造販売・コーヒー関連充填製造・外食事業
設 立1973年
所在地 〒874-0921
別府市富士見町7番2号
TEL0977-25-3464
URLhttps://sanyo-sangyo.co.jp/

※ 2024年9月現在