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稲葉ダム

印刷ページの表示 ページ番号:0002034892 更新日:2020年3月6日更新

稲葉ダム

ダムの見学などのご依頼は当事務所(0974-63-2104)までご連絡ください。
竹田土木事務所ではダムカードの配布を行っています。配布はダムへの来訪者のみとしていますので、希望される方は稲葉ダム管理書へお越しください。
稲葉ダム正面写真

稲葉ダム及び管理所の位置

稲葉ダムの諸元

【ダム本堤正面図】

稲葉ダム本堤正面図

【ダム本堤縦断図】

稲葉ダム本堤縦断図

【貯水池容量配分図】

貯水池容量配分図

(型式) 重力式コンクリートダム (集水面積) 53.8km2 (設計洪水位) 標高460.9m
(調節方式) 自然調節 (湛水面積) 0.48km2 (サーチャージ水位) 標高455.3m
(堤高) 56.0m (総貯水容量) 7,270,000m3 (常時満水位) 標高437.8m
(堤頂長) 233.5m (有効貯水容量) 6,190,000m3 (最低水位) 標高434.0m
(堤体積) 223,000m3 (洪水調節容量) 5,640,000m3    
(ダム天端標高) 標高462.0m (不特定容量)   550,000m3    
    (堆砂容量) 1,080,000m3    

稲葉ダム建設の技術

稲葉ダム周辺の地質は、阿蘇、久住の火山を起源とする火砕流地帯の複雑な地質であることから、ダム建設時において、ダムの基礎部、貯水池周辺部に全国的にも珍しい特殊な技術が用いられています。

ダム整備イメージ

造成アバットメント工法

 ダム堤体の左右岸の位置は、堅岩部の間に弱層部となるD級岩盤(ダムを支えるには弱い岩盤)を挟んだ状態となっています。(下写真)
 このような弱い岩盤層への対策として本ダムでは”軟質層の上下に堅岩層が存在する”という特徴を活かし、『傾斜型造成アバットメント(人工岩盤)』を採用致しました。

地質写真

ダム堤体イメージ

Csg工法

 稲葉ダムでは、強度や透水性の異なる堆積物が複雑に分布しているため、通常の止水工法(カーテングラウチング)は困難であると判断し、貯水池表面遮水工(Csg工法)を採用しました。
 Csg工法を採用することで、資源を有効利用した構造物を築造するとともに、従来のコンクリート工法にくらべて建設費用の削減、工期の短縮、環境への負荷の軽減が図られています。
 ※「Csg工法(Cemented Sand and Gravel)」・・・現地で発生した砂、礫に少量のセメントと水を加えて練り混ぜた材料

<貯水池対策工におけるCsg>
Csg施工箇所

遮水壁

 稲葉ダムでは、強度や透水性の異なる堆積物が複雑に分布しているため、通常の止水工法(カーテングラウチング)は困難であると判断し、上記のCsg工法を含め、貯水池表面遮水工を採用しました。
 各施工部における採用工法は以下のとおりです。


(1)斜面部 ・・・ 「コンクリートフェーシング工」

 鉛直方向の浸透破壊に対する対策が必要なため、安全性・施工性・工期短縮および工事中の出水に対する被害が小さい構造である「コンクリートフェーシング工」を採用しました。


(2)河床水平部 ・・・「土質ブランケット(Csg)」

 浸透水に対する対策が必要なため、対策工法としては土質ブランケットを基本としています。しかし、稲葉ダムは高透水性の基礎を有し、コア材の吸い出しが懸念されたため、Csgを併用した工法を採用しています。
 ※上記“Csg工法”の(2)河床部Csgに相当します。


(3)中段水平部 ・・・ 「アスファルトフェーシング工」

 中段水平部では、軟質層が分布しているため、変形性の問題があることから、Csgの採用にはクラックの発生が懸念されました。また、土質ブランケットとした場合には、浸透破壊を防止するためには相当な厚みが必要となりました。
 そこで、浸透破壊に対し十分な安全性を有し、かつ変形に対する追随性を有する「アスファルトフェーシング工」を採用しました。