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水田畑地化とは水田に水稲以上の収益が得られる園芸品目等の作付を行うことです。
大分県は耕地面積に対する水稲の作付面積割合が41.2%と九州で一番水稲に偏った農業構造になっています。しかし、近年の米消費減少や米価低迷などの情勢を踏まえると、農家所得を向上させ次世代へスムーズにバトンタッチできる対策が必要と考えられます。
そこで県では令和10年度に県内2,000haの水田を畑地化することを目標に掲げ、収益性の高い園芸品目の作付けを推進しています。
水田畑地化による園芸品目の作付にあたっては、農地の確保から条件整備、栽培技術の習得や機械施設の整備が必要となります。大分県では、これらの取組に対しての各種支援が用意されていますので、以下に一例を紹介します。
事業によって市町が策定する園芸団地づくり計画※に位置づけられる必要がある等、対象となる要件が異なります。また、令和3年度には募集を終了したものもあるため、活用を検討される場合、まずは本ページ最下段の問い合わせ先までお問い合わせください。
※園芸団地づくり計画:本県農業を魅力のある儲かる産業として成長させるため、園芸振興と水田農業の構造改革の気運を高め、その実現を図ることを目的とし、関係機関の合意のもと市町村が主体となって策定する計画
水田畑地化の担い手に対する農地の集積・集約を目的として、農地の出し手や地域に対して支援します。
○農地の出し手への協力金
大規模園芸産地形成促進事業のうち「園芸団地づくり推進交付金」
○担い手に農地を集積・集約化した地域への支援
農地利用最適化促進事業のうち「大分県農地集積・集約化促進交付金」
水田畑地化を目的とした排水性向上のための暗渠や明渠の施工等の簡易な排水対策から、水田を高収益作物へ全面転換するための大規模な基盤整備まで多岐にわたり支援します。
○簡易な整備等を実施する
大規模園芸産地形成促進事業のうち
「土層改良推進対策(弾丸暗渠や明渠等の営農排水等が対象)」
○基盤整備を実施する
水田畑地化推進基盤整備事業
国営、県営による基盤整備事業に採択された地区が対象
基盤整備事業計画区域内の水田面積に占める畑地化率により補助率を嵩上げし、地元負担を軽減
園芸品目の作付に伴う機械や施設の導入やリースにかかる経費を助成します。
○実需者と連携した産地形成や県が推進する戦略品目等の振興にかかる機械導入等を支援
食品企業連携産地拡大推進事業
次代へ繋ぐ園芸産地整備事業
○集落営農組織が経営多角化を目指し、園芸品目等を導入する際の機械整備を支援(R3年度で事業終了)
集落営農構造改革対策事業のうち「経営多角化機械施設整備支援」
園芸品目の栽培技術の研修制度や次期作への不安を解消します。
○園芸品目の導入のための先進地調査や導入栽培実証経費を支援
大規模園芸産地形成促進事業のうち「「園芸団地づくり計画」推進対策」
○技術習得のための研修にかかる講師料や資材費等を支援
大規模園芸産地形成促進事業のうち「もうかる露地野菜実践研修支援対策」
○販売額が再生産費用を下回った際の次作費用を支援
大規模園芸産地形成促進事業のうち「次期作付費用補償対策」
○集落営農組織が園芸品目を試験導入する際や技術定着するための経費を支援
集落営農構造改革対策事業のうち
・新規園芸品目栽培実証(園芸品目の試験導入を支援)
・技術早期定着支援(ベテラン農家からの技術指導)
水田での園芸品目の作付にあたっては国の交付金制度である経営所得安定対策を活用できます。
○水田での園芸品目の作付に対する支援
水田活用の直接支払交付金のうち「産地交付金(県域・地域)」
○市町村が策定する「水田農業高収益化推進計画」に位置づけられた担い手への支援
水田活用の直接支払交付金のうち「水田農業高収益化推進助成」
・高収益作物定着促進支援
・高収益作物畑地化支援