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県内の製造業に占める食品産業の割合は、事業所数、従業者数共に第1位。伝統的な醸造業(酒、味噌、醤油など)をはじめ、農水産加工業など食品産業の活躍は、地場企業・産業分野の牽引役として、また地域経済の支えとして期待されています。
しかし、その一方では課題もあるため、「おおいた食品産業企業会」を設立するなどして、食品産業全体の発展に取り組んでいきます。
≪課題≫
●設備の更新と高度化による生産効率向上
●流通大手などの取引基準を満たす品質・衛生管理
●パッキングの改善などの商品開発
●工場長クラスの確保など人材の育成
≪方向性≫
●加工ニーズに十分応える生産体制、商品開発でビジネスチャンスを創出
●食品産業全体を振興する必要性
≪課題解決へ向けて≫
●「おおいた食品産業企業会」を設立
●「食品オープンラボ」の設置
【会員・協力会員】
食品加工企業など79社 (平成26年12月現在)
≪目標≫
●食品原材料供給地域から、九州の加工拠点への転換
●地域資源を活用した高付加 価値商品の販路開拓
●県の成長産業に発展し、地域経済や雇用に大きく貢献
≪取り組み内容≫
●安定生産のためのIT技術の活用や、食物残さの減量に向けた加工機器高度化の検討など
●展示会に出展し販路開拓、
Bto B(※)の促進
●「食品オープンラボ」を拠点 に商品開発などの食品加工リーダー研修会を実施
※B to B 【Business to Business 】
企業が企業向けに行う事業。企業間の物品の売買やサービスの提供など。
県内には、国内有数の製麺メーカーの「かやく」などを製造販売したり、大手食品メーカーへ地元産の「バジル」を加工出荷するなど、独自の技術力を活かして業務用食材を販売する企業もあります。
バジル加工工場の様子
問 事務局:県工業振興課内
☎097—506—3267
利用無料・手続き簡単!
おおいた食品産業企業会では、新製品の開発・試作や、技術人材の育成を図る目的で、「食品オープンラボ」を設置しました。各種加工食品の製造、殺菌、充填から試作品の簡易検査・分析まで一連の製品開発プロセスを行うことができます。
講習会の様子
セールスポイントは、小回りがきくことと、利用が無料ということです。小ロットな試作を様々なパターンで、何度も繰り返し行うことができるので新商品の開発に有利です。設置機器の中には「真空濃縮釜」といった他にはあまりない機器や、マイナス30℃まで冷やせる「急速冷凍装置」なども揃えています。企業、団体などの試作、評価の場としてご利用いただく他、新しいメニューの検討など個人でのご利用も可能です。フルに活用していただき、県内食品産業全体のレベルアップにつなげていきたいと思います。
おおいた食品産業企業会 コーディネーター 西川学さん
☆株式会社 山忠(佐伯市)
オープンラボで実際に機器を使用し、試作や検査を体験することで機器の操作方法を体で覚えることができます。自社にはない新たな機器の性能、活用法を知ることで、商品開発などアイデアの幅が広がります。また、産業科学技術センターの担当者も近くにいますので、困った時に相談できる環境があるのでよいと思います。
生産管理部次長 戸高義敦さん
☆フジヨシ醤油株式会社(別府市)
小規模の試作、試験が出来る環境ができたので助かっています。これまでは、自社の製造ラインを1本止めて行っていたため、生産への影響が生じていましたが、今後はここで試作を重ね、道筋を決めてから本格的な製造へ移ることができます。既にオープンラボの機器を使って新商品の試作に取り組み始めたところで、今後も積極的に活用していきたいです。
取締役工場長 山下 平八郎さん
◆場所:産業科学技術センター 化学食品棟E106
(大分市高江西1丁目4361- 10)
◆利用時間:平日8時30分~17時15分
◆利用料金:無料
(要予約・申し込みは下記まで)
◆その他:原則、食品産業担当の立ち会いのもと機器を利用します。使用する原材料、消耗品などは利用者が持ち込みます。企業会会員でなくても利用可能です。詳しくは、お問い合わせください。
問 県産業科学技術センター食品産業担当
☎097—596—7101