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大分県では、大分県版第4次産業革命「OITA 4・0」への挑戦として、IoTやAI(人工知能)等の新技術を活用した地域課題解決型プロジェクトやドローン産業の創出に取り組んでいます。なかでもドローンは、空撮をはじめ、土木建築・農業・災害対応など、様々な分野での導入が急速に進んでおり、本県産業の新たな成長分野として、ドローン産業の集積と発展に向け、取組を進めています。
県では、今年4月に「先端技術イノベーション拠点(Ds-labo)」を産業科学技術センター(大分市高江)内に開設。西日本随一のドローン開発拠点を目指し、ドローン飛行試験を行うテストフィールドや世界最高水準の磁気測定ができる磁気シールドルーム等、高度な研究開発に必要な環境を提供しています。また、昨年6月にはドローン産業の集積と発展を目指す推進母体「大分県ドローン協議会」を設立。産学官が連携してドローン産業におけるビジネスチャンスや事業モデルの研究、コーディネート、機体・用途・サービスの開発、各種の人材育成に取り組んでいます。県内企業を中心に自治体や教育機関、県外企業を含め現在220社が参加しています。今年3月には全国初のドローン宅配実証実験を佐伯市宇目で実施したほか、9月にはOITAドローンフェスタ2018を開催する等、県内での取組が広がっています。
ドローンは、遠隔操作や自動制御によって飛行できる無人航空機で、カメラ等を搭載しており、画像データの収集をはじめ、様々な機器を取り付けることで、多種多様なデータ収集・分析をすることもできます。大分県でも平成28年に導入し、土木建築や農林水産、防災の分野で活用しています。特に災害時、人が立ち入れない場所でも容易に撮影することができ、人命救助や復旧・復興の面でも役立っています。
ciRobotics(株) 代表取締役社長 小野俊二さんにドローン開発の現状やビジョンについてお話を伺いました。「安心・安全なドローンを大分から世界へ!」同社では産業用無人機の研究や、航空撮影業務のための本格的な撮影機材の開発・販売に取り組んでおり、ドローン宅配の実用化に向けた実証実験にも参画しています。
ciRobotics(株)
代表取締役社長 小野俊二さん
ciRobotics株式会社
モバイルクリエイト(株)と(株)石井工作研究所を中核会社とする株式会社FIGのグループ会社。ドローンの開発・販売や、操作人材の育成、販売後のメンテナンスを行っている。
「ドローンは、比較的簡単に空撮ができる機械として知られていますが、機体の大きさや形状、搭載する機材を変えることで用途は広がります。土木工事の測量や病害虫の駆除等、短時間で人の手も少なく行うことができます。危険箇所での作業もドローンを通して現場の状況を把握することで事前の安全対策が可能です。また、遭難者等の捜索も赤外線カメラを搭載したドローンを活用することで夜間捜索が可能になります。作業時間の短縮や人手不足の解消等、様々なニーズが考えられます。」
「今年3月に佐伯市宇目で、10kgの日用品を山越えで2カ所に配送する全長1.6kmの実証実験を行いました。今年度は、目視外飛行と携帯電話回線通信網の利用をテーマとして実証を行う予定です。ドローンを使った荷物配送が実用化すれば、活用分野も広がりますし、山間部や過疎地域等の課題解決にも繋がります。取組を重ね、実用化に向けた動きを加速できるといいですね。」
ドローン(配送)
「ドローンには自律飛行や障害物を回避する等、確立されている機能も多くあります。しかしながら、国内では飛行空域や飛行方法など様々な法規制が適用され、能力を最大限引き出して飛行することが難しい状況です。国や自治体の支援は不可欠ですが、技術の進化や環境整備を進めることで、近い将来、我々の生活に多数のドローンが活躍する時代が来ると思います。」
ドローン(水上)
今年9月23日(日)、24日(祝)大分銀行ドームで開催。国内外からドローンの最新技術が集結する「ドローン見本市」に加え、ドローンによる障害物レース「NINJA DRONE忍」やドローン操縦体験・プログラミング体験教室などが行われ、延べ5,600人の来場者で賑わいました。
問 新産業振興室 097-506-3272