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知事からのメッセージ 風紋 社会人となるみなさんへ

印刷ページの表示 ページ番号:0003318223 更新日:2021年5月24日更新

社会人となる皆さんへ

大分県知事 広瀬勝貞

  今年も大分県庁は、胸を張って、目を輝かせた多くの新人を迎えることができました。大分県内でも、同じように多くの若者が新社会人として翔び立って行きました。私は毎年、県庁に迎える新人に社会人として求められることや公務員に期待されることをお話しして、できるだけ円滑に元気に新しい生活を始めてもらえるようにしています。

 いつもその第一に言うのは「今日から皆さんは何を目標に、誰のために仕事をするのか」よく考えてほしいということです。

 県庁の場合は公務員ですから、県勢の発展と県民の幸せを実現することを目標にして、県民のために仕事をすることです。企業の場合は、社会経済の進歩や豊かな生活の実現を目標として、広い意味で人々のために仕事をすることだと思います。

 新人は、上司や先輩からいろいろ指示や注意を受けることがあると思います。新人ですから、素直に聞いてしっかり対応する必要がありますが、もっと大事なことは、それが会社の目標や人々の満足度からみて意味があるかどうか見極め、意味があることならば、よく考え理解し自分のものにしていくことです。逆にそうでなければあまり気にしないでよいと思います。

 第二は、ベストを尽くすということです。

 例えば仕事の目標は「県勢の発展、県民の幸せ」、あるいは「社会経済の進歩と豊かな生活」です。ところがその社会経済や人々の幸福感、満足感自体が変化します。そこを見極め対応するためには、情報に敏感に、人の話を聞き、書を読み、勉強する必要があります。要は、生涯学習です。大変ですが、給料を頂いた上で学習ができるというのも悪くないものです。

 日進月歩の技術の世界で仕事をする方も同じです。

 そして第三、私は自分の経験から特にお薦めしたいのは、人に優しく、親切にすること、そしてこれは職業人としての人生を豊かにするということです。

 我々は社会人として第一歩から様々な人々に支えられ扶けられています。先輩は通常、決して見返りを求めるわけでもなく、しかも骨身を惜しまず教えてくれます。今があるのはそのおかげと思うこともあります。同様の思いで後進の応援をして、そしてそこから得るものも沢山あったと思います。

 そういえばギリシャ名言集にこんなのがあったと思います。「何が難しいか」と問われて「自己を知ること」、「何がやさしいか」、答えて「他人に忠告すること」。良き同僚や上司を得て、話を聞かせてもらうことも大事です。

 第四はワークライフバランスです。

 いつも充実した良い仕事ができるというためには仕事と生活のバランスがとれていることが大事です。

 いつも遅くまで仕事をし、よく週末も出勤して仕事をする人がいます。もちろん与えられた任務上どうしてもそうせざるを得ない場合もあるかもしれませんが、通常はグループで適切に仕事をシェアして、効率よくやって時間どおり退庁して、あとは自分の学習に使ったり、趣味で息抜きしたり、家族との生活をエンジョイしたり、と豊かな人生のために使うべきです。そうすれば自分自身さらに充実した生活を送ることができるし、大切な家族も幸せです。それに今は多様性の時代、多様で懐深い発想をもって仕事を展開することが求められています。仕事一本槍からワークライフバランス、彩りある生活をしながら豊かな発想を持って仕事を進めてください。

 いろいろ申し上げましたが、自由に自分を伸ばす学生時代から何かと束縛の多い社会人へと環境が激変します。新人と呼ばれる1年間は、ご自分のペースで結構ですから、県庁や企業の文化や仕事に慣れる努力をしてください。「お先真っ暗、どうしていいか分からない」と思うこともあると思いますが、そんな時こそ身近な先輩や同僚に相談してください。話すだけで気持ちが楽になり、解決の糸口が見えてくるものです。

 

~県政だより新時代おおいたvol.136 2021年5月発行~