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わが家の防災 ~津波対策(津波からの避難)~
避難するときには、次のことに注意してください。
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大きな揺れを感じたり、津波警報・注意報が発令されたらすぐ避難!
◎津波から身を守るためには、1分でも早く、1mでも高い場所に避難することが大切です。津波の速度はとても速いので、数分の差で命をなくすケースもあります。地震による強い揺れや長時間ゆっくりした揺れを感じたり、津波警報などの情報を得たときは、ただちに海岸や河川から遠く離れ、高い場所に避難しましょう。
◎津波の高さが50cm程度でも、成人男性が立っていられないほどの力があります。1983年(昭和58年)の日本海中部地震では青森県十三湖河口から逃げる9人が70cmの津波に追いつかれ3人が帰らぬ人となりました。 ※津波のメカニズム、津波の高さごとの被害の詳細はこちら(気象庁HP)
◎市町村の防災行政無線、携帯電話(県民安全・安心メールや市町村の防災メール、緊急速報メール、ワンセグ、ツイッターなどのツールを含む)や携帯ラジオで津波警報等を確認しましょう。
◎揺れを感じなくても、津波が襲ってくる場合があります。また、津波は引き波からはじまるとは限りません。防災行政無線やテレビ、ラジオなどで津波注意報や津波警報を聞いたら、ただちに避難しましょう。
◎避難する場合は自分の身を守ることを最優先に、貴重品を取りに戻ったり、海の様子を見に行ったりせず、迅速な避難を徹底しましょう。
◎市町村から避難勧告や避難指示が発令されたら、それに従いましょう。
◎地震発生から津波が到達するまでの時間は、震源の位置や地域によって様々ですが、数分で到達する場合もあります。
※地震の揺れにより、避難勧告・指示を伝達するために必要な情報伝達機器が壊れるおそれや、道路の損壊・渋滞などにより広報車が活動できない場合、また、1993 年の北海道南西沖地震のように津波警報が出される前に、津波が到達した事例もあります。
そのため、津波警報などや避難勧告・指示等が出されない場合でも、大きな地震の揺れを感じたときは、避難行動をとる心構えが重要です。
海岸・川の近くで地震にあったときの対応
海岸にいたときの対応
避難の指示や勧告を待つことなく、安全な高台や避難地を目指しましょう 。
◎川でも津波は繰り返し襲って来て、第一波の後にさらに高い波が来ることもあります。いったん波が引いても、津波警報や避難勧告・指示が解除されるまで絶対に戻ってはいけません。
◎海水浴中の場合は、監視員やライフセーバーがいる海水浴場では指示に従って避難しましょう。また、事前に避難できる高台等を確認しておくことも大切です。
川のそばにいたときの対応
津波は、川を遡り、海岸から離れた河川の流域でも津波の警戒が必要です。津波が河川を遡上し、橋を破壊した事例もあります。
◎流れに沿って上流側へ避難しても津波は追いかけてきます。流れに対して直角方向に素早く避難しょう。
避難および避難場所について
◎原則として、徒歩や自転車などにより避難します。また、人間の心の働きとして、非常事態が起こってもそれを「自分は大丈夫」や「被災しない」ととらえ、避難を躊躇する場合があります(正常性バイアス※下記参照)。そうした場合でも、「津波だ、逃げろ」と大声を出しながら、率先して避難しましょう。
◎避難する場所は海岸・河川から離れた高い場所や建物(鉄筋コンクリート造り若しくは鉄骨鉄筋コンクリート造りの建物の3階以上が目安)を選びましょう。やむを得ず海岸・河川に近い建物に避難する場合は、海岸・河川に面する前面のビルより、2列目、3列目の建物に避難し、津波による漂流物や津波のエネルギーから少しでも逃がれるようにしましょう。
◎津波到達までの時間が短いと予想される場合や、到達までの時間が不明な場合は、「遠いところ」ではなく、「高いところ」へ避難することを心がけましょう。
(例)連続した地形や4階、5階と、上層階へ避難できる建物
実際に、東日本大震災においても、「まさか、津波は来ない(大丈夫)だろう。」と思い、避難を躊躇したという方もいた、と言われています。
誰しも持っている、この心の働きを、日頃から認識し、津波警報などが出た場合は、迷わず直ちに避難行動を開始するという心構えを持っておきましょう。
津波の伝わる速さ
水深が浅いところで遅くなるといっても、オリンピックの短距離走選手なみの速さで陸上に押し寄せるので、津波から命を守るためには、津波が海岸にやってくるのを見てから避難を始めたのでは間に合わないのです。海岸付近で地震の揺れを感じたら、または、津波警報が発表されたら、実際に津波が見えなくても、速やかに避難しましょう。
津波への備え
平時から、津波に対して万全の対応できるように以下の備えをしておきましょう。
普段自分がいる場所の高さの確認
津波から避難するためには、普段自分が住んでいる場所や、働いている場所がどのくらいの高さであるかを知っておくことが重要です。そのため、沿岸地域を中心に設置している「海抜標示板」などにより、自らの生活圏や普段よく訪れる場所などの高さを確認しておいてください。
避難場所・経路の確認
◎常日頃から、いま、地震が発生したらどこに避難すべきか、またどう行動すべきか、意識しておくことで、スムーズな避難が可能になります。とっさの場合に慌てないよう、自宅や職場など、自分の生活圏にある避難に適した高台や頑丈な建物などの避難場所、避難経路を確認しておきましょう。また、地震による建物の倒壊や地すべりなどによる通行不能の場合も考慮し、できるだけ複数確認しておけばより安心です。
◎避難経路の道幅、地震により道路がふさがれる危険性、迂回路はあるか、夜間で街灯が消灯し、暗闇となっていても避難できるかなどを確認しておきます。また、大きな河川を渡る橋、土砂崩れの危険がある道路などをできるだけ避ける必要もあります。
◆避難場所、津波浸水区域は、こちらのページ(避難所、防災マップ)からご確認ください。
避難に必要な時間
避難場所を確認後、移動には実際にどのくらいの時間がかかるのか、あらかじめ調べておくことで、突然の地震発生でも、避難場所までの時間が分かり、冷静な判断が可能になります。また、不測の事態が発生することを考慮し、少し余裕を持った時間を考えておくことも必要です。
避難訓練
実際に津波が発生した場合に、安全に避難するためには、知識だけでなく、実践的な訓練も重要です。津波からの避難の課題は何なのかを知るため、また、いつ津波が発生しても、すばやく安全に避難できるよう、地域などで自主防災組織の実施する津波避難訓練に参加しましょう。
家具などの転倒防止や危険な箇所の確認
出入口などの近くに大きな家具がある場合、家具が転倒し逃げられなくなることがあります。また、家具の転倒により自分がけがをしては、避難もままなりません。そのため、家具の配置の見直しや転倒防止器具の設置なども行っておきましょう。
家族の連絡方法の確認
◎津波が発生したとき、どこに避難し、どう連絡を取り合うか、家族で事前に話し合っておきましょう。
県民安全・安心メール
県では、地震・津波情報や気象情報などの災害情報を携帯電話へメールでお届けしています。
津波警報などの災害情報をどこでもいち早く入手し、避難することができます。
◆詳しくは、こちらのページ(県民安全・安心メール)をご確認ください。
緊急速報メール
NTT ドコモやKDDI(au)、Softbankの携帯電話では、緊急地震速報や大津波警報が発表された場合、瞬時にメールを送信するサービスを行っています。(緊急速報メールに対応機能がある携帯電話に限る。)
事前のメールアドレスの登録などの手続は不要ですが、受信設定が必要な対応機種もありますので、受信できるよう設定しておきましょう。
※緊急速報メールの対応機種、受信設定の詳細はこちら
津波からの避難について、東日本大震災で被災された方からのご意見
県では、東日本大震災の被災地から本県に避難された方々に、発災時の情報や避難時の状況等について、郵送アンケート(避難世帯166世帯に発送、返信42通)を行いました。以下のとおり、津波からの避難についてのご意見を掲載しますので、避難する際の参考にしてください。
◎近所の人達の声かけが大切だと思います。
◎高齢の方は避難しないと強く心に決めておられる方も多かったようでした。普段から何かあれば避難しましょうというふうに近所の方との話し合いができていればスムーズなのかな?と思います。
◎各人について、避難のためのシミュレーションを行い、確実に避難できる方法を検討しておく必要があると思います。
◎声かけ、定期的な避難訓練(大規模な災害想定で実施する)が大切だと思います。実際に私の母は目の前が海の所に住んでいました。この避難訓練の通りに高台に避難し助かりました。(5分遅かったら助かりませんでした)
◎(子どもが保育園児のため)あらかじめ保育園等で安全な高台の避難場所を確保し、へたにお迎えに行って渋滞に巻き込まれ、被害に遭うことのないよう、事前に保護者と保育園側でどうするか擦り合わせておくことが大切だと思います。幼稚園バスで保護者に送り届けようとして被害に遭ったケースもありますよね。「津波てんでんこ※」で各自避難できる体制を整えておくことが大事と思います。
※津波てんでんこ
「津波てんでんこ」とは、東北地方の言葉で、「てんでばらばらに家族のことさえ気にせず一人で逃げる」という意味ですが、実際には家族や仲間のことが気になり、なかなか「てんでばらばら」には逃げられないことも考えられます。
「いざという時は、それぞれで絶対に逃げる」と、お互いに信頼し、避難に専念するためにも、普段から家族や職場内で避難場所や経路などを、しっかりと確認しておくことは大変重要です。
※挿入画像は気象庁HP、消防庁HPから引用