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観光施設等における観光旅行者の安全確保に関する指針
1 犯罪の防止に配慮した施設の構造及び設備等に関する基準
(1) 宿泊施設
ア 客室内に貴重品を収納する固定式の金庫が設置されていること。
イ 必要に応じ客室出入口扉には自動施錠機能付き錠が設置されていること。
(2) 入浴施設
ア ホール等に施錠設備のあるロッカーが設置されていること。
イ 脱衣室に施錠設備のあるロッカーが設置されていること。
ウ 必要に応じ脱衣場入口に管理人を配置するなど必要な措置が講じられている こと。
(3) 駐車場
ア 駐車場の外周がさく等により周囲と区分されたものであること。
イ 管理者等が常駐し、若しくは巡回し、管理者がモニターする防犯カメラその他の防犯設備が設置され、又は外周からの見通しが確保されていること。
ウ 見通しが悪く、かつ、死角が多い箇所にミラー等が設置されていること。
エ 必要に応じ駐車場の出入口には、自動ゲート管理システム等を設置し、又は管理人を配置し、車両の出入りが管理されていること。
オ 地下又は屋内の駐車場については駐車の用に供する部分の床面において2ルクス以上、車路の路面において10ルクス以上、屋外の駐車場については夜間において人の行動を視認できる程度以上の照度(注1)が確保されていること。
(4) 道路
ア 可能な限り、歩道さく等により歩道と車道とが分離されたものであること。
イ 見通しを確保するための措置がとられていること。
ウ 街路灯等により、夜間において人の行動を視認できる程度以上の照度が確保されていること。
(5) 公園
ア 植栽については、園路に死角をつくらないよう配置し、下枝のせん定等の見通しを確保するための措置が講じられていること。
イ 遊具については、周辺から見通すことができる配置になっていること。
ウ 必要に応じ公園内に緊急通報装置等(注2)が設置されていること。
エ 園路における公園灯等により、夜間において人の行動を視認できる程度以上の照度が確保されていること。
オ 公園内に便所を設置する場合は、次に定める項目に配慮すること。
(ア) 園路及び道路から近い場所等、周囲からの見通しが確保された場所に設置されていること。
(イ) 建物の入口付近及び内部においては、人の顔及び行動を明確に識別できる程度以上の照度(注3)が確保されていること。
(注1) 「人の行動を視認できる程度以上の照度」とは、4メートル先の人の挙動、姿勢等が識別できる程度以上の照度(平均水平面照度(床面又は地面における平均照度をいう。以下同じ。)がおおむね3ルクス以上)をいう。
(注2) 「緊急通報装置」とは、緊急通報付防犯灯システム(スーパー防犯灯)、子ども緊急通報装置等、緊急時において通報者が通報ボタンを押すことにより赤色灯、非常ベル及び通報者撮影カメラが作動し、警察官と音声による通話ができる装置をいう。
(注3) 「人の顔及び行動を明確に識別できる程度以上の照度」とは、10メートル先の人の顔、行動が明確に識別でき、誰であるか明確に分かる程度以上の照度(平均水平面照度がおおむね50ルクス以上)をいう。
2 事業者等の管理対策等
事業者等は、観光旅行者の安全を確保するため、次のことに配慮すること。
(1)従業員に対する安全教育
観光旅行者の安全確保を徹底するため、従業員に対する指導・研修・訓練に努めること。
(2)観光旅行者に対する広報啓発活動
客室備付けのパンフレット等施設案内及び施設内の掲示板等に観光旅行者の自主防犯に関する事項を記載するなどして、観光旅行者の自主防犯意識の高揚に努めること。
(3)施設内の巡回等
施設利用者以外の者が施設内に侵入することがないよう玄関、出入口の監視、施設内の巡回に努めるとともに、来訪者に対しては積極的に声掛けを行うこと。
(4)施設出入口の管理
施設利用者以外の者が施設内に侵入することがないよう必要に応じ施設出入口に施錠をすること。
(5)防犯機器の設置及び点検整備
防犯灯、モニター録画装置等を含む防犯カメラ等の防犯機器を必要に応じ設置するとともに、適正に作動しているかを定期的に点検整備すること。