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大分県の温泉の現状(泉質・ダイアグラム)

印刷ページの表示 ページ番号:0002018154 更新日:2018年3月19日更新

5 泉質毎の分布

 大分県内には多数の温泉が分布しています。湧出地を地図にプロットすると、下図のとおりになります。
 この図から、火山に近い大分市、別府市、由布市、九重町、玖珠町、日田市、少し南の竹田市に多く分布していることがわかります。

        湧出地

1)単純温泉
【分布】最も多い泉質であり、県全体に分布しています。
【特徴】刺激が少なく、子どもや高齢者にもやさしい温泉です。また、アルカリ性単純温泉(pH8.5 以上)では、入浴すると肌がすべすべになります。

        単純温泉

2)塩化物泉・硫酸塩泉
【分布】塩化物泉は単純温泉の次に多い泉質であり、県全体に分布しています。
【特徴】 「熱の湯」と言われ、暖まりやすく、皮膚に塩分が付着するため、保温効果や循環効果があります。また、塩味で、石けんがきかないのが特徴です。

【分布】硫酸塩泉は由布市、別府市に多く分布しています。
【特徴】塩化物泉や炭酸水素塩泉と同様、塩類泉で保温効果があります。飲むと胆のうを収縮させ、腸のぜん動を活発化します。

        塩化物泉・硫酸塩泉

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3)炭酸水素塩泉
【分布】炭酸水素塩泉は単純温泉の次に多い泉質(塩化物泉とほぼ同等)であり、県全体に分布しています。
【特徴】皮膚の角質を軟化する作用があり、俗に「美人の湯」と言われます。また、暖まりやすく、浴後はさっぱりする特徴があります。

        炭酸水素塩泉

4)二酸化炭素泉・酸性泉
【分布】二酸化炭素泉は竹田市(直入町)に多く分布しています。
【特徴】入浴すると皮膚の表面に細かい泡となって付着・吸収され、保温効果や循環効果があります。温泉水を飲むと炭酸味がします。

【分布】酸性泉は別府市に多く分布しています。
【特徴】酸性が強いと入浴で皮膚にしみ、殺菌力が強く、飲むと酸味がします。鉄や硫化水素を含むときは、淡黄褐色~淡緑色になることがあります。

        二酸化炭素泉・酸性泉

5)含鉄泉・硫黄泉
【分布】含鉄泉は、由布市、別府市等の一部の地域にのみ分布しています。
【特徴】空気に触れると酸化し、赤褐色の沈殿物が生じ、浴槽が赤褐色を帯びているのが特徴です。また、飲むと鉄の味がします。

【分布】硫黄泉は、別府市、日田市(天瀬町)等の一部の地域にのみ分布しています。
【特徴】殺菌力が強いため、皮膚表面の細菌やアトピーの原因物質を取り除きます。硫化水素を含み、腐敗した卵のような臭気、いわゆる「硫黄」のかおりがします。

        含鉄泉・酸性泉

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6 トリリニアダイアグラム

  化学成分濃度の相対的な割合を知ることができ、主要溶存成分の場所による違いや、同一地点での水質組成の時間変化を示すことができます。
  なお、主要溶存成分であるナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)、塩素イオン(Cl-)、硫酸イオン(SO42-)、炭酸水素イオン(HCO3-)について、その成分割合により1~4の位置に分布されます。
  また、同じ位置にある水については、同じ成分割合であるため、同起源の水であることが推測されます。各地域の結果は以下のとおりです。

トリ説明                                                                                                                                                                                           トリリニアダイアグラム説明図

トリ大分トリ別府           1)大分                                2)別府

トリ西部トリ豊肥              3)西部(日田・九重・玖珠)          4)豊肥(竹田・豊後大野)

トリ由布トリ複数                                                                                    5)由布                          6)北部、南東部、国東、杵築日出※

※北部:中津・宇佐、 南東部:佐伯・臼杵・津久見、 国東:豊後高田・国東・姫島、 杵築日出

各地域におけるタイプ

タイプイオン成分特徴地域名
1 アルカリ土類炭酸塩型Na+、 K+ :少ない         Mg2+、Ca2+:多い
HCO3-   :多い              Cl-、SO42-:少ない
浅層地下水に多く見られる豊肥
2 アルカリ炭酸塩型Na+、 K+ :多い
Mg2+、Ca2+:少ない         HCO3-   :多い
Cl-、SO42-:少ない
滞留時間の長い深層地下水でよく見られる大分、別府、西部、由布、北部、杵築日出
3 アルカリ土類非炭酸塩型Na+、 K+ :少ない           Mg2+、Ca2+:多い
HCO3-   :少ない           Cl-、SO42-:多い
熱水や化石水が含まれる。
4 アルカリ非炭酸塩型Na+、 K+ :多い
Mg2+、Ca2+:少ない        HCO3-   :少ない
Cl-、SO42-:多い
海水や温泉に多く見られる。大分、別府、西部、由布、北部、杵築日出

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7 ヘキサダイアグラム

  主要溶存成分であるナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)、塩素イオン(Cl-)、硫酸イオン(SO42-)、炭酸水素イオン(HCO3-)の濃度を陰イオンと陽イオンに分けて、それぞれの濃度を当量値として示し、図示したものです。
また、水に含まれる成分の割合により、形が変化し、溶解している成分量が多いほど大きくなります。
 ヘキサダイアグラムの例は以下のとおりです。

ヘキサ

※ このページに掲載されているデータの対象は1996年4月~2016年3月までに温泉登録検査機関で分析を行った温泉で、それらの分析結果に基づいて作成しています。

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