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平成30年度第1回大分県企業局経営評価委員会
平成30年7月20日(金曜日)午前10時から12時まで
全労済ソレイユ3階「牡丹」
(委 員)貞閑孝也委員長、井上昌美委員、山村惠美子委員、三代吉彦委員
(オブザーバー)大石聡氏
(事 務 局)神局長、姫野総務課長、鈴木工務課長、長井総合管理センター長 外28名
公開
1名
1 平成29年度決算見込みについて
2 第3期中期経営計画の実施結果について
3 経営戦略アクションプランの実施計画について
・平成29年度の決算見込み、第3期中期経営計画における平成29年度及び計画期間全体(平成26年度~29年度)の実施結果について説明を行った。委員による平成29年度及び計画期間全体の取組み評価は下記のとおり
[29年度の全体評価]
今期(平成29年度)の企業局の業況は、電気事業は、収入2,341百万円に対し費用は1,802百万円で純利益は539百万円(計画値219百万円)となっている。また、工業用水道事業は、収入2,227百万円に対し費用は1,665百万円で純利益は562百万円(計画値406百万円)である。収支面では純利益は計画値を大幅に上回っており、施策面では企業局の経営計画に対する今期の取組も概ね計画通りであり顧客本位の運営や県政への貢献は十分に行われている。
電力事業では大野川発電所等のリニューアル工事の計画的実施や、工業用水道事業では地震対策として管路工事の点検・補強による配水管強度アップや隧道点検の徹底に基づく強度アップに今後とも真摯に取り組んでいただきたい。
[計画期間(平成26年度~29年度)の全体評価]
企業局の平成26年度から平成29年度の収支の平均値は、第3期中期経営計画(平成26年度から平成29年度)に対し、収入面では電気事業は2,282百万円、工業用水道事業は2,275百万円であり、費用面では電気事業は1,893百万円、工業用水道事業は1,661百万円である。よって純利益は電気事業が389百万円となり工業用水道事業は614百万円となっている。平成29年度末の資本は、電気事業が15,767百万円であり工業用水道事業は17,400百万円となっている。純利益及び資本とも立派な成果を上げた状況である。
企業局は、平成26年度より地方公営企業の会計基準の見直し(借入資本金を資本金から削除する等)を行い、企業会計に準じた計算書類を作成し経営実態を明らかにしている。施策面では、第一に、平成30年3月に将来の展望を見据えた10年間の長期経営計画を作成している。これにより企業局のあるべき姿(大分の水を生かし、地域を支える。)の現状と将来の課題・展望が整理された。第二に、全体の施設の修繕及び点検状況等について見える化のマップを作成したことで事業ごとに実施した設備投資等の状況を明らかにすることができている。
電気事業では、第一に、再生可能エネルギーとしての太陽光発電を導入し安定した収益を上げている。第二に、今後50年間を見据えた大野川発電所の平成32年度末の完工(売電単価24円/kWh・20年間)、別府発電所の平成36年度末の完工や他の発電所等のリニューアル等を目指して更なる取組が今後期待される。第三に、平成37年度末に予定される九州電力との契約満了後の関わりや電力自由化に伴う電力の一般競争入札に移行した時の収益安定化を図る方策を十二分に検討する必要がある。
工業用水道事業では、第一に、平成29年4月に当初の予算を13億円圧縮し約70億円で給水ネットワークを実現している。これにより今までできなかったネットワークの隧道点検や汚泥対策・補修が可能となっている。第二に、計画的な津波対策等の耐震工事、すべての施設の老朽化対策や管路の補修等を進めることが期待される。
最後に、平成30年7月の西日本豪雨を教訓とし、洪水時のダム水の放流シミュレーションや蓄積されたダムへの流入土砂の軽減策について研究・準備しておくことが肝要と思える。
上述したとおり企業局の第3期中期経営計画の取組は、期待された以上の成果をほとんどすべての面で達成している。今後の更なる自助努力をお願いするものである。
(資料1-1)平成29年度決算見込みについて(電気事業会計)
(資料1-2) 〃 (工業用水道事業会計)
(資料2-1)大分県企業局第3期中期経営計画 実施計画及び実施結果
(資料2-2)施設の修繕及び点検状況等について
(資料3) 経営戦略アクションプラン実施計画