vol.1　キャンパス×キャリア　企業で働く女性のリアルVOICE　（福）清流共生会を取材しました！

就職活動中の女子大学生が、企業で活躍する女性にインタビュー。
仕事のやりがいや悩み、喜び、家庭との両立、キャリア形成や今後の目標など、働く女性のリアルな声をお届けします。
今回は、大分市森にある「社会福祉法人 清流共生会」でお話を伺いました。

●森竹 聖美さん
　清流苑ユニットリーダー

　　　実習で訪れた時に感じた利用者への対応の素晴らしさから、2019年「社会福祉法人清流共生会」に入社。
　　　現在は８名の部下のリーダーとして、現場を取りまとめている。

 

　　　●インタビュアー：中屋敷 和奏さん
　　　　　　　　　　　大分大学経済学部３年

　　　　大分大学経済学部社会イノベーション学科渡邊ゼミ３年生。
　　　　課題解決に興味を持ち、イノベーション学科を専攻。
　　　　ゼミ活動を通して、ゼロから1を作り上げる楽しさを学んでいる。

 

　　　　

インタビュー

中屋敷：森竹さんの経歴と現在のポジションを教えてください。

森竹：結婚・出産後は軽作業の仕事に従事していました。そして、２０１７年に介護士を目指して、２年間介護の専門学校に通いました。現在入社６年目で、２年前からユニット（グループ）のリーダーを務めています。

 

中屋敷：子育てをしながら介護士を目指したきっかけは何ですか。

森竹：祖母の認知症です。祖母のことを知りたいと思い、介護士を目指しました。母親が介護士をしていることも理由の一つです。

 

中屋敷：学校に通うお母さんに対し、お子さんたちはどんな反応でしたか。

森竹：当時下の子が小学５年生、上の子が中学３年生でしたが応援してくれていました。親子ですが同じ学生という立場だったので、一緒にテスト勉強をするなど切磋琢磨できたことは、お互いにとって良かったと思います。

 

中屋敷：一緒にテスト勉強ができるのは貴重な経験ですね。森竹さんの現在の業務内容を教えてください。

森竹：要介護度３以上、65歳以上の方を対象に身体的な支援をしています。入社当時は勤務時間が固定の嘱託職員でしたが、子どもの成長に応じて交代勤務や夜勤を増やしていきました。現在は早番では朝７時に出勤し、遅番では21時30分に退勤します。

 

中屋敷：私の母もパートで働いていますが、弟がまだ小学生なので毎日子育てが大変そうです。森竹さんも毎日忙しいと思いますが、子育てとの両立で悩んだことはありますか。

森竹：子どもの体調不良などで休みや早退して、仲間に迷惑をかけたことです。でもみんなの「お互い様精神」に助けられました。だから今度は私が、子育て中のスタッフに協力したいという気持ちです。普段からお互い声を掛け合い、休みも取りやすい職場環境だと思います。

 

中屋敷：お話から社内の風通しの良さが伝わります。ところで介護の現場は、対利用者さんとの関わりが重要だと思いますが、仕事を辞めたいと思ったことはありますか。

森竹：いくら介助技術を学んでも認知症ケアには答えがなく、ゴールがありません。意思疎通が難しい時は落ち込んだりもします。でも、利用者様と分かり合えた瞬間の喜びの方が優っているので、辞めたいと思ったことはありません。日々の経験が糧となり、少しずつ「引き出し」を増やし続け、その時最適なケアを手探りしている状況です。

 

中屋敷：日々の業務を通じて成長し続けられるということですね。現在森竹さんはリーダーという立場ですが、リーダー向けの研修などはありますか。

森竹：２〜３カ月に一度、オンライン研修があります。参加者が症例や事例に対しての対応や問題点を発表し、講師から評価やアドバイスをもらいます。繰り返し学ぶことができる、充実した内容です。

 

中屋敷：実践に活かせるので、さらに引き出しが増えますね！森竹さんのキャリアアップについての考えを聞かせてください。

森竹：ケアマネジャーの資格を取りたいと思っています。また、前向きな気持ちにさせる効果がある介護美容にも興味があるので、勉強したいと思っています。

 

中屋敷：最後に、介護士としての今後の目標を教えてください。

森竹：介護士の仕事は、利用者様と接する中で様々な状況に直面します。その都度最適なアプローチの方法を探りながら、利用者様のＱＯＬを向上させることが目標です。

上司から一言

私たちの仕事は臨機応変な対応が求められます。サービスの提供に個人の強みをプラスすることが大切です。女性の強みを生かしたサービスの提供を目指すことで、必然的に女性が活躍できるようになっていると思います。

インタビューを終えた私の視点

働くママの生の声を聞いて、やはり子育てと仕事の両立は簡単ではないと思いました。しかし、家族や同僚の支えが大きな力となり、やりがいを感じ、さらなる目標が持てるという状況は、とても素敵なことです。私も社会人になったら、ライフイベントにも柔軟に対応できる環境で、自己成長に向かって挑戦し続けたいです。

 

​（大分合同新聞 2024年11月1日掲載）

社会福祉法人　清流共生会

大分市内で高齢者や障がい者、児童福祉事業所を32事業所運営。地域貢献の取り組みなど、地域に根ざした活動も行っている。