令和7年11月18日知事定例会見
動画はYouTube「おんせん県おおいた公式」へ
日時:令和7年11月18日(火曜日)13時30分~
場所:第一応接室
記者会見時に配布した資料を掲載します。

令和7年度 大分県米国西海岸交流促進ミッションの報告について
先週11日から12日にかけて、米国西海岸のサンフランシスコ周辺地域に出張し、グローバル人材の育成などの人的交流の促進及び、観光誘客・県産品の販路拡大に向けたトップセールス等を実施しましたので、報告したいと思います。
まず、スタンフォード大学国際異文化教育プログラムSPICEへの訪問では、大分県内の高校生に長年にわたって遠隔講座を行っていただいていますスタンフォード大学客員研究員のキャサリン・モナハン研究員や、SPICEディレクターのゲイリー・ムカイ先生などとグローバル人材育成について意見交換いたしました。
その結果、現在実施している県内高校生向け遠隔講座に加え、新たに県内大学生向けの遠隔講座の開設について合意したところです。APUの藤田先生にも一緒に行っていただき、APU、大分大学、別府大学、日本文理大学をはじめとした県内の大学においても、遠隔教育を広げていくことになります。
今後、SPICEとの連携を通じ、県内大学の魅力向上やグローバル人材育成の更なる推進につなげていきたいと思います。
また、同じくスタンフォード大学の創薬医療機器開発研究所では、県内の企業経営者等にも参加いただき、同研究所の西村所長と産学官連携による国際交流について議論しました。この中で西村所長が発起人となり開催している、九州・台湾における経済交流と人材ネットワーク構築を目的とした国際会議の大分県での開催に向け準備を進めていくことで合意しました。今後、この会議の成功に向け、県としても協力していきたいと思います。
そのほか、北カリフォルニア日本商工会議所やジェトロ・サンフランシスコ事務所、在サンフランシスコ日本国総領事館にも訪問し、サンフランシスコ周辺地域の最新の情勢をお伺いするとともに、今後の人的・経済的な交流の促進等について、意見交換をいたしました。
そして、12日には、ダニエル・ルーリー サンフランシスコ市長にお会いし、私から、サンフランシスコのベイエリアと別府湾との類似性や、大分県とサンフランシスコ市とは人口規模も近しいこと、さらにスタンフォード大学教育プログラムとの連携など本県の取組もお伝えしました。ルーリー市長からも「是非大分を訪れてみたい」との意向を伺うなど、本県とサンフランシスコ市との今後の交流促進に向け、大変良い意見交換ができました。市の庁舎はドーム状で、結婚式も行えるような、市民に開かれたシティホールであり、そのベランダから見える広場、シンフォニーホールやオペラホールなど、とても美しい建物を案内してもらいました。
ルーリー市長は、ジーンズのリーヴァイ・ストラウス「リーバイス」の一族の方です。サンフランシスコはすごくきれいな都市ですが、麻薬中毒者等により治安が非常に悪くなっていると心配され、不動産も特に商業施設の入居率が落ちていましたが、ルーリー市長が就任して1年足らずで、非常に良くなったとのことです。例えば、任天堂が出店するなど、日本人や日系人からしても、ルーリー市長になってから、サンフランシスコ市が復活してきていると商工会議所の方も言われていました。特に金融やAIなど、最先端の街ですが、コロナ時に在宅勤務が広がって、商用施設の入居率がずっと下がっていたのが、だんだんと対面ではないといけない仕事が増えてきて、また戻ってきているという話もしていました。ある意味で昔のサンフランシスコのように復活してきていると商工会議所の皆さんも言われていました。
さらに、在サンフランシスコ日本国総領事の公邸では、現地の行政、経済団体関係者など66名の方に参加いただき、公式レセプション「Experience Oita」を開催し、大分の食や産品、観光など本県の魅力を大いにアピールできました。おおいた和牛やぶりなど、たくさんの県産食材を持ち込み、公邸専属のシェフに料理していただき、三和酒類さんや八鹿酒造さんにも一緒にお酒を提供してもらいました。終わるころにはほとんど料理がなくなっていましたので、大変好評だったのではないかと思います。また、日田に来られたことがあるという縁もあって、グラミー賞3回受賞のアーティスト ファンタスティック・ネグリートさんから特別演奏も披露いただくなど、今後の交流促進に向けた貴重な機会になったと考えています。
何度かお話ししてきましたが、「赤毛のアン」の舞台となったプリンスエドワードアイランド州と、こども・子育て支援や里親などの切り口、久留島武彦記念館との関係で交流を進めていこうとしています。
加えて、サンフランシスコは米国の西海岸ですので日本から近いですし、ロサンゼルスとサンフランシスコはアメリカの入り口の拠点として主要なところでもあります。私も以前勤務したことがあるという縁もあります。ルーリー市長もぜひ大分に来てみたいと話してくれていたので、交流を深めていきたいです。
知事就任後初めての米国訪問でしたが、皆さんに歓迎していただき、大変有意義なものとなりました。今回の訪問を契機にさらなる米国との交流促進に努めていきます。
最後に、モニターの動画をご覧ください。今回の訪問で、自動運転タクシーの「ウェイモ」に試乗しました。運転手がいないにも関わらず滑らかな運転で、最新の自動運転技術の進化を実感しました。サンフランシスコは坂が多かったり、車が多かったり、大分と比べるとさらに交通が難しいところですが、全く人が運転していない完全自動運転で、アプリで呼ぶと5分くらいで来ます。行き先を入れると出発して、赤信号や横断歩道で止まり、追い越すときも方向指示器を出して安全に走って、到着すると自動的に料金が引き落とされます。サンフランシスコでは数百台走っているそうで、データが日々AIで一か所に集められて、それを解析して、安全性が高められているということで、AIの技術の賜物なのだと思います。そういう技術が普及していくと、交通弱者の問題の解決につながっていくのではないかと、大変感心しました。こういう技術が導入できるような環境づくりというのも大事だと感じたところです。
配 布 資 料:令和7年度 大分県米国西海岸交流促進ミッションについて [PDFファイル/577KB]
令和8年度政府予算等に関する要望・提言活動について
明日から2日間、令和8年度政府予算等に関する要望・提言活動のため、上京します。
今回は、今後、事業箇所が決定するハード事業等を中心に12項目を取りまとめ、関係省庁へ要望することとしています。
具体的には、中九州横断道路をはじめとした高規格道路等の早期完成や県土強靱化に必要な予算の確保の他、農業農村整備に必要な予算の確保などについて要望することとしています。加えて、東九州新幹線等の整備や遠隔教育の推進についても要望してまいります。遠隔教育では、今まで要求をしていた遠隔教育人員の定数化について、文科省の他、総務大臣を訪問し、総務省から財務省に要求してくださいと話をしてきたいと思います。
また先月、高市内閣が発足したところであり、新たに就任された関係大臣等に直接地方の声を届け、本県の要望・提言内容が国の当初予算等に反映されるよう、しっかりと働きかけてまいります。大臣では、牧野国土強靭化担当大臣、林総務大臣、そのほか、文科省の福田政務官、農林水産省の大分県選出の広瀬政務官のところにも伺う予定です。自民党の鈴木幹事長にもお伺いします。
配 布 資 料:政府予算等に関する要望・提言活動について [PDFファイル/188KB]
大分あったか・はーと駐車場利用証制度の期間延長について
大分あったか・はーと駐車場利用証制度は、平成23年から行っている制度です。この制度は、障がいのある方や高齢の方、妊産婦の方など、駐車場の利用に配慮が必要な方々に対して、公共施設や店舗などの入口付近の駐車スペースをご利用いただけるよう、県が利用証を交付するもので、現在約3万人の方が利用しています。
本日、11月18日から、双子や三つ子など、多胎児を妊娠された方が利用できる期間を延長することとしました。
妊娠6か月から産後1年半としていた利用期間の終期を2倍に延長し、産後3年までとすることにしました。
申請については、簡単に手続きできる電子申請をおすすめしています。すでに利用証をお持ちの多胎児妊産婦の方には、延長後の利用期間を記載したシールを郵送することとしており、再申請を行う必要はありません。また、期限切れになっている方には、県から電話連絡等でお知らせします。
配 布 資 料:大分あったか・はーと駐車場の利用について [PDFファイル/632KB]
くじゅう連山の登山道整備等に係るクラウドファンディングの実施について
阿蘇くじゅう国立公園に位置するくじゅう地域は自然の魅力に溢れており、年間を通して多くの登山者などが訪れます。
くじゅうの自然は、皆様に安全で快適に楽しんでいただくため、行政や地元の保護団体等の維持管理活動によって守られてきました。
一方で、地元の保護団体の活動資金は限られており、また、くじゅう連山には県外から多くの登山者が訪れることから、来訪者も含めて、皆でくじゅうの自然を守っていくことが大切です。
そのため、今回、登山アプリの提供をはじめ、アウトドアに関する事業を展開している株式会社ヤマップと連携し、ふるさと納税の仕組みを活用したクラウドファンディングを実施することとしました。
受付期間は本日から令和8年2月15日までとしており、200万円を目標に寄附金を募ります。ふるさと納税の仕組みより、一口は2,000円以上になっています。
いただいた寄附金は、老朽化した登山道の補修や植生復元、草原の維持など、くじゅう連山の登山道整備等に活用させていただきます。タデ原湿原など、整備が必要な場所はたくさんあります。
くじゅうの自然を愛する皆様から温かいご支援をいただきますよう、よろしくお願いします。
配 布 資 料:くじゅう連山の登山道整備等に係るクラウドファンディングの実施 [PDFファイル/723KB]
OPAM10周年記念「きらめく日本美術1300年の至宝展」について
大分県立美術館OPAMでは、10周年記念展第2弾として、11月22日(土)から令和8年1月14日(水)まで、「きらめく日本美術 1300年の至宝展」が開催されます。
本展は、古代から江戸時代に至るまで、旧豊前・豊後の地域に伝わる貴重な古美術に焦点を当て、大分ならではの美の特色を分かりやすくご紹介するものです。
今年は、宇佐神宮に八幡神がご鎮座されて1300年という記念の年にあたりますが、宇佐神宮の別宮とされる奈多宮(なだぐう)や、柞原八幡宮(ゆすはらはちまんぐう)からも、貴重なご神宝が公開されます。
また、大友宗麟から豊臣秀吉へ献上された茶入など、現存する宗麟公ゆかりの茶道具3点が、今回初めて一堂に展示されます。
国宝・重要文化財27点を含む約200点を公開し、八幡信仰、大友氏と禅宗、南蛮美術、豊後南画など、多彩なテーマを横断的にご紹介します。
また、会期中の12月20日(土)には、アートにも造詣の深いベストセラー作家、原田マハさんの講演会を「iichikoグランシアタ」にて開催いたします。こちらの講演会は、どなたでも無料でご参加いただけます。
この貴重な機会に、ぜひ多くの方々にお越しいただき、大分の美の歴史とその魅力をご堪能いただければと思います。
配 布 資 料:きらめく日本美術1300年の至宝展 チラシ [PDFファイル/1.33MB]
原田マハ講演会 チラシ [PDFファイル/5.2MB]
令和7年度大分県総合防災訓練(実動)について
今月8日、9日の2日間、緊急消防援助隊九州ブロック合同訓練がクラサスドームを中心に開催され、九州各県から援助隊251隊、806名が参加した大変大がかりな訓練でしたが、無事に終了しました。九州各県の消防機関をはじめ、関係の皆さまのご協力ありがとうございました。
さて、今月24日には、県総合防災訓練を開催します。今年度は、杵築市をメイン会場とする東部地区5市町村で訓練を行うこととしています。
今回の訓練には、県警、消防、自衛隊、国交省などの防災関係者に加え、自主防災組織や地域住民など、約100機関、1,000人以上の参加を予定しており、能登半島地震で課題となりました、孤立集落対策や被災者支援、応援・受援に関する内容の訓練を実施します。
特に今年度は、被災者支援に関する訓練に力を入れており、地域住民にも参加いただき、要配慮者への支援やペット同行避難など、関係団体による支援を盛り込んだ避難所開設・運営訓練を実施します。この他、災害に関する協定事業者にも多数参加いただいており、災害時に活躍する車両展示なども企画しています。
関係者が一同に会し、救出・救助や避難所の開設運営などの訓練を実施することは大事なことだと思います。災害による「人的被害ゼロ」に向けて、訓練を通じ、関係機関のさらなる連携強化と、参加する地域住民の皆さんの防災意識がより高まることを期待しています。
配 布 資 料:令和7年度大分県・東部地区総合防災訓練について [PDFファイル/633KB]
「グリーンアップおおいたデイ」の開催について
11月29日(土)に大分市のトヨタカローラ大分祝祭の広場で環境啓発イベント「グリーンアップおおいたデイ」を開催します。
「グリーンアップおおいた」の一環として、現在、「脱炭素」「資源循環」「環境保全」の分野で7項目の「グリーンアップおおいたアクション」をまとめ、県民の皆さんに実践行動を呼びかけています。
当日は、SNS総フォロワー数が180万人を超えるインフルエンサーの幸 巴(ゆき ともえ)さんのトークライブや国内外で大人気のハローキティによるステージショーのほか、環境をテーマとしたクイズや巨大カルタ取り、ビンゴゲームといったイベント、バラエティー豊かなブース展示など、「アクション」に関連した様々な実践行動に繋がる企画を予定しています。
「グリーンアップおおいた」についての理解を促進し、実践行動につながるヒントを得る絶好の機会となりますので、多くの県民の皆さんに会場へお越しいただきたいと思います。
配 布 資 料:グリーンアップおおいたデイ [PDFファイル/1.64MB]
九州・四国広域交通ネットワークシンポジウムの開催について
「九州・四国広域交通ネットワークシンポジウム」を年明け1月14日(水)に開催します。
東九州新幹線をはじめ、九州と四国を結ぶ豊後伊予連絡道路などの豊予海峡ルートや、中九州横断道路等の広域交通ネットワークの整備効果などについて意見交換を行い、新幹線の整備計画路線への格上げや高規格道路の整備推進に向けた機運を醸成したいと考えています。
シンポジウムでは、野村総合研究所の顧問で、総務大臣等を歴任し、地方創生に向けて多くの提言を行っている増田寛也氏から、「人口減少社会を生き抜くために -今こそ九州・四国を結ぶ夢を現実に-」と題して講演をいただきます。
その後、九州経済調査協会の岡野常務理事をコーディネーターに、宮崎県の副知事、九州経済連合会の常務理事、愛媛県の企画振興部長、伊方町長とともに、「スーパー・メガリージョン形成を見据えた西日本の機能・連携強化」について、パネルディスカッションを行う予定です。
聴講者の募集は、県のホームページ等を通じて行います。
先着600名ですので、県民の皆さんにぜひ積極的にご参加いただき、広域交通ネットワーク整備の意義や課題等について、一緒に考えていただければと思います。
配 布 資 料:九州・四国広域交通ネットワークシンポジウム チラシ [PDFファイル/1.25MB]
記者質問
くじゅう連山の登山道整備等に係るクラウドファンディングの実施について
(記者)
大分にはいろいろな山々がある中で、なぜくじゅう連山なのか。また、登山道を補修するのなら、県が直接予算を入れてもよいのに、なぜクラウドファンディングを行うのか、そのねらいと意気込みは。
(佐藤知事)
大分の中で一番人気のあるのがくじゅう連山になります。予算措置だけではなくて、県外からもたくさん登られますので、そういう方々から寄附を受ける場としてクラウドファンディングを実施し、自分たちでくじゅう連山を大切にしている、自分たちも一緒になって保全をしているというような参加型の取組にしていきたいということで実施するものです。
(記者)
熊本県と連携するのか、また、他の山でも何かやっていこうという考えがあるのか。
(佐藤知事)
将来的にはあると思います。例えば、くじゅう坊ガツル・タデ原湿原では、セブンイレブンさんが、NPO等と協力しながら、自然や生態系の保護・保全活動に取り組まれているなど、様々な連携の例があります。そのような形で、自然を保護するような取組をさらに進めていくというやり方もあると思います。
それから熊本県の阿蘇山との繋がりで言うと、阿蘇くじゅう国立公園は、阿蘇周辺からくじゅう地域までずっとつながっているので、そういう意味ではまた連携していくというやり方もあると思います。
今回はヤマップさんと県がタッグを組んでということですけど、将来的にはいろんなパターンがあると思います。
(記者)
これは、ガバメントクラウドファンディングということで、ふるさと納税を活用するということでよいか。
(佐藤知事)
はい。
(記者)
大分県では、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングは、これまでもあったか。
(佐藤知事)
これまでも、こども食堂支援のために、クラウドファンディングを実施しています。
(記者)
2例目ということでよいか。
(生活環境部審議監)
2022年にウクライナの避難民支援のためのクラウドファンディングを行っておりますので、3例目になります。
令和7年度大分県米国西海岸交流促進ミッションについて
(記者)
九州・台湾における経済交流と人材ネットワーク構築を目的とした国際会議の規模感や、開催による効果・成果はどのようなことを見込んでいるか。
(佐藤知事)
今年はまだ開催されていませんが、熊本で開く予定になっているそうです。
規模等をどういう形にするのかはそれを見ながら検討していくことになると思います。
鹿児島県出身の西村先生は、スタンフォード大学医学部の先生なので、ウェルネスや健康などに、非常に関心があるということです。
そういうものと、例えばAIというのをどう結びつけていくか、それから医薬とかバイオなど、半導体だけに絞るのではなく、もう少し広い意味での台湾とシリコンバレーと九州の連携を議論してもよいのではないかと思います。私からも、例えば住友化学とか旭化成とか、医薬関係の企業さんも大分にたくさん立地をしていますし、それから別府の温泉というのはウェルネスであり、健康のための利用などについての関心が高まっているという話もさせてもらいました。サンフランシスコ市の市長さんをはじめ、多くの方が、大分は温泉ということをよく知っていました。大分において、これまでとは違った付加価値がつけられるところもたくさんあると思います。
(記者)
ウェイモの動画の紹介があったが、何か大分で行うということはあるか。
(佐藤知事)
ウェイモは、乗ってみただけで、ウェイモの会社を訪問したわけではないので、すぐということではありません。
大分市長のときに、自動運転の実験も結構やりましたが、機械による自動運転では、人だったらこういう運転はしないなという運転までしかできなかったという感じでした。
ウェイモは、それとは随分違うなというのを今回体験しました。あのような技術を導入できるといいなとは思いましたが、そのように思っただけです。
今、別府市でライドシェアが運行されていますが、ライドシェアもアメリカからスタートしたと思います。
ウェイモは、完全に無人ですが、AIとカメラ、センサーにより運転する方が、人間のようなうっかりミスがないし、安全性が飛躍的に高まっていると思われます。しかもAIでどんどん学習します。
いずれ日本でも実用化されると思いますが、大分もそういう実験場になると、大変いいなと思いました。
(記者)
ルーリー市長は、大金持ちで、民主党の穏健派で、サンフランシスコの復活を目指している、今後の民主党の注目人物だが、会われた感想は。
(佐藤知事)
非常に颯爽としていて、リーバイスの御一族と伺いましたが、やっぱりナイスガイだなと思いました。
日本、大分に対しても、関心を持っていろんな質問をしてくれて、非常にフレンドリーに意見交換できたので良かったと思います。
私から、サンフランシスコベイエリアと大分の別府湾は似ているのでぜひ来てください、温泉もありますから、とお伝えしたところ、ルーリー市長は、ぜひ行きたい、とおっしゃっていました。
(記者)
知事は30年前、サンフランシスコに勤めていたが、昔と印象を比較してどうだったか。
(佐藤知事)
私がいたのは1995年から98年ですので、30年ぐらい前です。
その時は人口が70万人ぐらいでしたので、今80万人ですから、やはりちょっと大きくなっているなと思いました。
その中で、インフラ面では、バートという地下鉄がシリコンバレーまで整備をされてきています。私が以前いた時は、高速道路だけでした。やはりいろんな高速移動のためのインフラが整備をされてきているなと感じました。
ただ、片方で、私がいた時よりも、高速道路がちょっとボコボコしているところがあり、インフラが古くなっているなという印象もありました。
ウェイモみたいなものが走り回っているのが、ある意味で新しいです。サンフランシスコのダウンタウンの中心部は金融街なので、そこにベンチャーキャピタルとかが集まってきているわけです。
それと観光の街です。100キロぐらい南のシリコンバレーが、まさに最先端のAIなど、絶えず新しいイノベーションが起こっているところです。中は変わりながらも、そういう街の魅力を保つ取組がされていると感じました。
ここ半年、1年ぐらいの間について言うと、非常に治安が悪化していました。ユニオンスクエアというところでは、30年前にはメイシーズ、ニューマン・マーカスといった大きなデパートがあり、観光のまさにメッカだったのですが、つい最近まで麻薬中毒者や浮浪者の方がいっぱいいるから行ってはいけないということになっていたらしいです。
それが、ルーリー市長就任後、だんだん復活していって、任天堂の直営店が出店したりしているということです。
コロナで人が集まらなくなって、そこで福祉を充実したら、たくさんそういう方々が来たという、コロナの後遺症が残っていたのが、だんだんと復活していっている途中です。
ルーリー市長も、日本ほどではないけれど、だいぶ治安が良くなってきましたと言っていましたので、そういうことをやはり力を入れてやっていらっしゃるなと思いました。
「ガソリンの暫定税率」の廃止の影響について
(記者)
県内でも徐々にガソリン価格が下がってきているところがあるが、暫定税率廃止に伴って、税収が減ることに対しての受けとめと、今後の対策はあるか。
(佐藤知事)
制度の設計によるとは思います。合意文書によると、ガソリン税の廃止によって、政府は地方の税収に影響を与えないとなっているはずですが、動向は注視していかないといけないと思っています。今まで県に入っていた分がすぐに減収になって、それに対応しなければならないという事態にはならないだろうと思っています。
ただ、動向は注視していかないといけないと思います。
中国からの訪日観光客について
(記者)
県内において、現時点で影響などはあるか。
(佐藤知事)
今時点では、影響が出ているとは聞いていません。
県内の中国人の旅行者の数は、韓国、台湾に次いで3番目です。
東京等に比べると、その割合があまり大きくないみたいですので、すぐに大きな影響にはならないとは思います。それでも3位ですから、やはり長く続くと影響が出てくるのではと心配はされます。
(記者)
今回発端となった高市総理の台湾有事に関する答弁をどう受けとめているか。
(佐藤知事)
存立危機事態に関する国会における答弁ですが、日本政府は、従来の日本政府の立場を変えるものではないと説明しています。
このような外交案件、非常に微妙で重要な外交案件につきまして、自治体の長が、知事が、公式の場でコメントすべきではないと考えております。
(記者)
春節も年明けに控えている中で、影響がどうなればいいと思っているか。
(佐藤知事)
もちろんそういう意味では、事態が鎮静化することを望んでいます。
(記者)
先ほど公表されている先月の宿泊者数の割合を見ても、中国が前年比で69%と、倍近く増えている中で、この事態についての受けとめと、懸念はあるか。
(佐藤知事)
今まで中国からのお客さんは割と少なかったです。
韓国と台湾は多かったのですが、だんだん団体の方々も見えるようになって、これから増えるかなという感じではあったので、今のような状況になっているということは、やはり影響が出てくるかなとは感じています。
どちらにしましても、今政府が、中国に行って局長級の議論をしているところですから、そこは、様子を注視していかないといけないと思います。
(記者)
旅行だけではなく、県内にいる留学生への影響はないか。
(佐藤知事)
まだ留学生については聞いていませんが、留学に来ている方が、すぐ帰国するとかにはなっていないのだろうと思います。
これから、APUや大分大学の留学生がどうなっていくのかです。望むべくは、影響しないで、事態が沈静化してほしいです。
新幹線の整備財源に関する議論について
(記者)
知事がこれまで知事会の方で提案されてきた新幹線の財源に関して、今月の初旬に国交省の方で、整備新幹線の貸付制度等に関する議論が始まったが、この議論についての受けとめは。
(佐藤知事)
議論をスタートしていただいたのは大変ありがたいことだと思います。やはり年間の国の整備予算が800億円しかないので、新幹線の整備が進まないと、国は言っています。そういうことであれば、財源をしっかり確保して、まずは整備新幹線のところから議論が始まると思いますが、九州で言うと、西九州新幹線の整備を進めてもらい、そして、基本計画路線についても、整備新幹線に格上げすべく、検討を進めてもらいたいと考えています。
そういう意味では、半歩かもしれませんけど、検討が始まったと受けとめています。
豊予海峡ルートについて
(記者)
先日、豊予海峡ルート推進協議会が、新たなロゴマークを募集するというリリースをされた。このタイミングで募集される理由と、刷新にあたって構成県との協力のあり方、また今後どう強化されていきたいとお考えか。
(佐藤知事)
豊予海峡ルート推進協議会の幹事県が愛媛県になっているので、愛媛県の方からのイニシアティブで始まったと思います。
豊予海峡ルートですから、やはり特に愛媛県と大分県とが連携しながら進めていかないといけないので、これも大変ありがたいことだなと思いますし、愛媛県の中村知事とも、お互いに行き来しながらいろいろ議論していますので、さらに連携を深めて、取組ができればと考えています。
(記者)
この豊予海峡ルート推進協議会に、熊本県と熊本市は入っていないが、今後、木村知事や大西市長に、会員になってもらうよう呼びかける考えはあるか。
(佐藤知事)
具体的に木村知事とか大西市長に話しをしたことはないですが、やはりぜひ入っていただけるとよいと思います。
まず九州市長会も、豊予海峡ルートは大変重要だと、会長の大西市長さんが言っていますから、入っていただくと一気通貫に繋がっていくというのは、ある意味で半導体ベルトであり、農林水産物のベルトであり、それが四国、そして四国通って関西まで繋がっていくというのは、熊本も大きく裨益をしますし、沿線地域はすべて、物流が非常に改善されるわけですから、そのような議論もぜひ熊本県知事、熊本市長としてみたいと思います。
(記者)
具体的に、どういうふうな形で呼びかけるのか。
(佐藤知事)
なかなかそこまで議論はできていません。
日出町のイスラム教徒用土葬墓地について
(記者)
杵築市の議員団が、イスラム教徒向けの墓地をめぐって、国に対して要望書を出されたということについてどう感じているか。
(佐藤知事)
私も、つまびらかに聞いておりませんが、墓地行政というのは市町村が担っていますので、やはり市町村の責任でどう判断するかということになります。
やはり多文化共生や、多くの方々が困っている現状があるということもあり、その解決のために国がある程度の方向を示してほしいという要望というのは、大変理解ができるなと思います。
要望出したというのはいつ頃ですか。
(記者)
今日だと聞いている。
また、今計画自体は止まっている状況だが、この状況をどのように受けとめているか、また、県としての支援の考えなどがあるのか。
(佐藤知事)
行政が役割分担して分掌をしており、墓地行政というのは、市町村が担っていますので、県の側からこうあるべきだということについては差し控えている、そういう権限はない、という状況です。
ただ片方で、多文化共生や、誰もが安心して元気に活躍できる大分県ということをビジョンにも掲げて取り組みをしていますから、そういう意味では、ずっとこのままでいいということではないと思います。
国などで大きな方向をきちんと示して、取り組むべきだという議論もあると思います。
そのようないろいろな動きをまずしっかりフォローしていかないといけないと思います。




