荒瀬井路は、本耶馬溪町樋田で山国川から取水し、「下毛原(しもげばる)」とよばれる丘陵地1,000ヘクタールをかんがいするために建設された井路である。貞享三年(1686)から工事に着手し3年の歳月と莫大な費用をかけて完成した。荒瀬井路には長い歴史の中で、古い習慣が良く残っている。その一つが「水盗み穴」である。荒瀬井路には明治以降水を盗んでも良い公認の「盗み穴」が水路のそこに設けられている。水持ちの悪い田を持つ地区への温情の表れであり、農民の相互扶助の精神が示されている。明和元年(1764)には分水口に配賦板(仕切り板)が設けられ、現在も生きている。毎年5月の通水時には関係区長が確認してから取水を始めている。
中津市本耶馬渓町
農業
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