横光利一は明治31年、福島県に生まれた。父親は宇佐市赤尾の出身。大正12年に文壇デビューし、翌年は川端康成らとともに「文芸時代」を創刊。新感覚派と呼ばれ、当時のプロレタリア派と対峙する。長編小説「旅愁」は昭和12年から執筆が始められた。日本の「戦争と平和」の時代を描出しようと、彼が野心に燃えて書かれた作品といわれる。主人公や代行一浪が、父の納骨のため郷里大分に帰り、父祖の地を確認する場面が描かれている。宇佐市城山の横光利一文学碑には、その一説が掘り込まれている。「家を一歩外に出たもので、胸奥に絶えず描き求めているふるさと、今身を置く郷との間に心を漂わせぬものは、おそらく誰一人もいなかったことだろう」。写真は、宇佐市城山(光岡城跡)の横光利一文学碑から宇佐平野を望む。
宇佐市
文化・史跡
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