国東市安岐町の諸田山神社に伝わる「御田植祭」は、文政4(1821)年に杵築市の奈多八幡より伝えられ、以来毎年旧正月15日に諸田山神社の境内で行なわれている。この祭事は、農作物の豊穣と氏子の繁栄を祈る田植え前の予祝行事。あらかじめお祝いをすることにより、目的がかなえられるという考えに基づいている、境内にしめ縄で囲まれたか神田が作られ、一角にある「鬼」とかかれた的を射て行事が始まる。畦(あぜ)塗り、代(しろ)かき、地ならし、種まきなど稲作の順序に従ってユーモアたっぷりに演じられる。代かきでは張り子に牛が駄使いの意のままに動かず爆笑を買う。小学生の男子が女装して早苗を植える。最後に「うなり」と称せられる女形が登場し、急に産気づく。赤布の人形であれば女の子が、白布の場合は男の子が、その年の氏子に多く生まれるといわれ、村人の安産と繁栄を祈願する。豊かなみのりを願うおおらかで愉快な行事として知られる。
場所:国東市安岐町
山・祭り・文化・史跡
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