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                  | 竹田市立南部小学校にある和室スペースで、一生懸命畳をふく子どもたちの姿がありました。指導しているのは着物姿の先生。初めての茶道教室がこの日、行われたのです。 「お茶を通して、思いやりの気持ちを教えられたら」と先生の倉原さん。「お客様を気持ちよくお迎えするには準備も大切」とあえて掃除からスタートしました。参加している子どもたちの視線は真剣そのもの。先生の一挙一動を見逃しません。
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                | これまでに行われた教室の様子を見てきたコーディネーターの小川内さんはこうおっしゃいます。「南部子ども教室では他にも手話や料理などの活動をしています。子どもたちが毎回本当に楽しそうにしていて、意欲や元気がこちらにも伝わってきますね。これからもどんどん多くの子どもに参加してほしいですし、また地域の方にもどんどん入ってきていただけるとありがたいと思います」 足のしびれを我慢しつつ、およそ3時間の教室が終了。子どもたちにはちょっと難しかったのかなと思いきや、聞かれたのは「楽しかった」「また来たい」との声。「子どもは本当に飲み込みが早いですね」と驚いた様子の倉原さん。
 「お茶は難しいという『壁』を取り払えたらと思いました。楽しくお茶を飲んで、何かしら子どもたちの心に残るものがあればと思います。ボランティアなんですがまたやりたいですね、楽しかったです」
 地域の方々との交流を通じて子どもたちの成長を目指す放課後子ども教室。「これも一つの子育てだと思います」とおっしゃっていた倉原さんの言葉が印象的でした。
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                    | 倉原幸枝さん |  |  | 
        
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              | お茶の「心」を学びます。 | 先生の話を真剣に聞く児童たち |  | 
        
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                  | 放課後子ども教室とは? |  
                  | すべての子どもを対象として、
安全・安心な活動拠点(居場所)を設け、地域の人の参画を得て、さまざまな体験活動や交流活動を行う事業。 (担当課:教育庁生涯学習課)
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              | 放課後子ども教室のお世話をしている後藤國太さん(左) 小川内潤子さん(中央)
                籔亀英雄さん(右)
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          | 南部小学校の子どもたちが放課後になると集まってくる場所があります。「南部こじかクラブ」——放課後児童クラブと言われる子どもの遊び・生活の場となっている施設です。 「平日は毎日50名くらいの児童が利用しています。開設するまではこんなにニーズがあるなんて思ってもみませんでした。共働きやひとり親家庭の多さを改めて感じました。そして家族のあり方自体が変化してきたように思います」とおっしゃるのは指導員の里崎さんです。「子どもたちは普段ここで遊んだり、宿題をしたり、おやつを食べたり、家庭のような感じで自由に過ごしています。違う学年のお友達もできますし、みんな楽しそうに通ってきますよ」
 
  
    | 核家族化や都市化の進展、働く女性の増加などの背景から、放課後児童クラブの必要性・重要性は増しています。クラブの役割を「子どもの心の居場所ですね」とおっしゃる里崎さん。「子どもは実はいろんな顔を持っています。ここは子どもにとって素の自分を出せる場所でありたい、同時に親御さんの気持ちにも寄り添える場所でありたいと願っています」 クラブ指導員の立場から、放課後子ども教室にも期待を寄せているようです。「こじかクラブからも何人か教室に参加していますが、楽しいみたいで元気に出かけていきますね。一方、自分のしたいことがまだよく分からないこどもや行動を起こせない子どもなど、いろんな子どもがいますので、みんなが気軽に行ける楽しい教室を実施していただければと思います」と語ってくださいました。
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        | 里崎美香さん |  |  |  
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                  | まずは宿題。みんなで教え合います |  |  |  
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                  | おやつの時間。みんなで食べるといっそうおいしい |  | 
                
                  | 放課後児童クラブとは? |  
                  | 共働きなど昼間保護者がいない家庭の小学生(おおむね10歳未満)に対して、放課後や長期休暇中の適切な遊びや生活の場を与えて、子どもの健全な育成を図る事業。 (担当課:福祉保健部少子化対策課)
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                    | 放課後子ども教室と放課後児童クラブの連携を推進するために策定されたのが「放課後子どもプラン」です。 県教育庁生涯学習課の後藤社会教育主事にその概要を伺いました。
 
 
                          
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                                | 後藤裕之社会教育主事 |  |  
                              
                                | プラン策定の背景を
教えてください。 |  
                                | 「どちらも児童を対象として放課後の時間に行われる事業ですから、従前のように別々ではなくお互いに連携・協力し、子どもの育ちや学びを一緒に支援していきましょうという発想によるものです。社会的な背景としては、子どもが犠牲となった事件の社会問題化や核家族化・就労形態の多様化による家庭や地域の教育力の低下などが挙げられます。プランでは地域住民の参画が一つのポイントになっていますから、『地域で子育て』の気運を高めるきっかけになればと考えています」 |  
                                
                                  | 教室とクラブの連携を進めていくため、どのような取り組みが行われているのですか? |  
                                  | 「県としては現在、主に2つのことに取り組んでいます。1つは両事業の関係者が参加する推進委員会の開催、もう1つは指導員とコーディネーターを対象とした研修の開催です。これらは情報交換や交流の有益な場となっており、両事業の連携をいかに効率的・効果的に図っていくか協議が進められているところです」 |  
  
    | プランの狙いを教えてください。 |  
    | 「一つには子どもの社会性・自主性・創造性を高めることです。意識的に体験活動の機会を提供し、世代間交流を進めることで子どもの生きる力をはぐくみたいと考えています。もう一つは地域の教育力再生です。子どもとのふれあいは皆さん自身の喜びや生きがいにもつながります。ぜひ積極的なご参加をお願いしたいと思います」 |  |  |  |  |