みんなちがって、みんないい
最近、人権講演会などで立て続けに童謡詩人金子みすヾの「私と小鳥と鈴と」を見聞きする機会がありました。金子みすヾは、現在の山口県長門市で生まれ、26歳の若さで亡くなった童謡詩人ですが、その詩の優しさに心ひかれる人が増えています。
「私と小鳥と鈴と」
私が両手をひろげても/お空はちっとも飛べないが/飛べる小鳥は私のように、地面(じべた)を速くは走れない/私がからだをゆすっても/きれいな音は出ないけど/あの鳴る鈴は私のように/たくさんな唄は知らないよ/鈴と、小鳥と、それから私/みんなちがって、みんないい。
「金子みすゞ童謡全集」(JULA出版局)
最近、イジメを原因とする子どもの自殺が相次いでいます。自殺しか選択できなかった子どもたちの気持ちや残されたご遺族の気持ちを思うとき、辛く悲しい思いが募ります。イジメの原因にはいろいろありますが、ちょっとした「ちがい」をからかいの対象として始まり、だんだんエスカレートしていく場合もあると聞きます。
また、「ちがい」が差別の原因になることもあります。「ちがい」には、性や皮膚の色、思想・信条、文化・慣習などさまざまなものがあります。わたしたちの社会は、個性あふれる人たちで構成されており、多くの「ちがい」があることを、お互い認め合うことが大切です。
みんなが「ちがい」、多様性を認め合うことでイジメや差別がなくなれば、悲しい思いをする人もいなくなります。「みんなちがって、みんないい」、そのような社会をつくっていきたいものです。
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