ひと言で言えば、「通常の健診だけでは危険と思われる妊娠やお産を迎えるお母さんと赤ちゃん(胎児、新生児)の命を守る施設」で、昨年度オープンしました。「周産期」とは、妊娠22週から生後7日未満の期間のことで、この時期はお母さんや胎児、新生児の生命に関わる事態が発生する可能性が高くなります。妊娠中のお母さんと赤ちゃんの健康状態を把握し、適切な治療のもとで安全に分娩していただくこと、そして生まれてすぐに治療を必要とする赤ちゃんに高度な治療を施し、元気な体で退院していただくことがセンターの役割です。
産科部門は、緊急入院(母体搬送)された妊婦とおなかの中の赤ちゃんとともに集中管理できる6床の母体・胎児集中治療室(MFICU)を含む25床で運営しており、緊急時にも直ちに対応できる医療看護体制をとっています。
新生児科部門は、9床の新生児集中治療(NICU)ベッドを含む33床で対応しており、小さく生まれた赤ちゃん(低出生体重児)やさまざまな病気を持つ新生児に集中治療を行っています。また、地域の開業産婦人科医院で出生し、入院が必要になった新生児は、新生児専用救急車「カンガルー号」で搬送されます(新生児搬送)。現在では、センターで出産する年間約550人のお母さんのうち、約半数が母体搬送で入院された方で、新生児科には年間約400人が入院します。センター開設後、緊急入院される方が増えていますが、母体搬送、新生児搬送に備えて、24時間体制で産科医師と新生児科医師が待機しています。大分県の周産期医療の基幹病院として、お母さんと赤ちゃん双方に安全と快適さを提供できるよう、そして大分県で生まれるすべての赤ちゃんが健康に過ごせるよう、スタッフ一丸となって日夜努力しています。 |