臼杵市中央通り商店街振興組合の挑戦は、商店街を覆うアーケード問題への取り組みから始まりました。
平成5年に、老朽化したアーケードを壊してドーム型アーケードに替えようという案が出されましたが、その時は組合員の意思統一ができず、実施に至りませんでした。
その後、時間を掛けて、これからの商店街についての話し合いが続けられ、平成11年に、アーケードを撤去することが決議され、新しい商店街づくりへの取り組みが始まりました。
以来、国や県、市の補助を受けて、個々の商店を改装する「街並み景観統一整備事業」、アーケードを撤去する「街並みリニューアル事業」、街路灯などを整備する「商業基盤施設整備事業」、臼杵のまちなみにふさわしい石畳で舗装する「街並み環境整備事業」を進めてきました。
昨年4月には、これまでの「中央通り商店街」を、公募により「八町大路(はっちょうおおじ)」という愛称に改め、商店街リニューアル完成式典が行われました。
振興組合理事長の高村晃正さんは「八町大路は、稲葉家下屋敷や二王座歴史の道など、臼杵の観光資源の中央に位置しており、リニューアルしてからは観光客も多くなった。市外から訪れる方々が立ち寄って食事や買い物をしたくなるようにしつらえていきたい」と、この地域ならではの商店街を構想しています。その一方で「これからも、日常に買い物に訪れる住民の方々のことを中心にしながら、商店街の化粧直しが、個々の店の商いに結びつくように努力していかなければならない」と前向きです。組合内の若い世代を中心に、毎年やっていたイベントも一つひとつ見直し、魅力ある商店街にするための“しかけ”を模索しているようです。
八町大路のにぎわいの場として、空き店舗を利用したチャレンジショップも開設されています(地図参照)。
七つのチャレンジショップの一つ「まちや八町」を運営する三浦正行さんと足立信治さんは「臼杵には、この町並みを守ろうとしてきた運動が根付いている。こういう文化を伝えていく拠点としても、百年前に建てられた町家を使ったこの店を利用していきたい」と、八町大路を中心として、臼杵のまちづくりについて情報発信していこうとする展望を語ります。
地域の商店街を活性化していくには、商店の皆さんの創意工夫や努力に加えて、買い物をする地域の方々や観光客などの支援が必要です。3月下旬には、大友宗麟築城の臼杵城跡で桜まつりが開催されます。お花見のついでに、新装した八町大路を歩いてみませんか。 |