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高校生防災リーダー被災地派遣研修を行いました

印刷ページの表示 ページ番号:0002114853 更新日:2020年10月5日更新

高校生防災リーダー被災地派遣研修を行いました

 令和2年8月10日~12日の二泊三日、東北地方(宮城県、岩手県)にて被災地派遣研修を行いました

 今年度から「高校生防災リーダー養成事業」をスタートし、竹田高校、杵築高校、臼杵高校で高校生防災リーダーを募り、各校とも多くのリーダーが立候補で決まりました。

 各校でリーダーに「被災地派遣研修」の事前学習を行い、平成23年3月11日に発生した東日本大震災を主とした自然災害について学びを深めました。

竹田高校事前学習

 被災地研修には各校から代表生徒2名と引率教員1名(臼杵高は教員2名のみ参加)、大分大学減災・復興デザイン教育研究センター 防災コーディネーター板井氏、学校安全・安心支援課職員2名の計11名が参加しました。

【1日目】仙台空港~旧仙台市立荒浜小学校

 新型コロナウイルス感染症の対策のため、羽田空港を経由せず福岡空港から仙台空港への直行便で向かいました。

仙台空港1   仙台空港2

(左:仙台空港での集合写真(撮影時だけマスクをはずしています)右:仙台空港の東日本大震災波高表示)


【旧荒浜小学校】

 荒浜小学校のある荒浜地区は、仙台市中心部から東に約10km離れた太平洋沿岸部に位置しています。荒浜小学校は、海岸から約700m内陸に位置し、震災当時は91人の児童が通っていました。
 

 見学時には語り部の庄子智香子さんから説明をしていただき、当時の様子などを具体的に知ることができました。

語り部庄子さん

(写真などを用いて説明していただきました)

 語り部の話に加えて、校舎の被害状況や被災直後の様子を伝える写真などからも、荒浜小学校を襲った津波の恐ろしさを知ることができました。

荒浜小校舎1   荒浜小校舎2

(被災当時の様子を残す校舎東側(海側)や教室内)

【2日目】高田松原津波復興記念公園(奇跡の一本松等)~うのすまい・トモス

 【高田松原津波復興祈念公園】

 岩手県陸前高田市では「奇跡の一本松」や「陸前高田ユースホテル(遺構)」などの震災遺構の見学をしました。津波の恐ろしさを感じると共に、復興への歩みも見ることができ、人間の強さも感じることができました。

奇跡の一本松    陸前高田ユースホテル 
【うのすまい・トモス】

 うのすまい・トモスは、岩手県釜石市鵜住居地区にある「東日本大震災の記憶や教訓を将来に伝えるとともに、生きることの大切さや素晴らしさを感じられ、憩い親しめる場所」として作られた公共施設です。

 震災当時、釜石市立釜石東中学校に在籍していた菊池のどかさん(いのちをつなぐ未来館職員)からお話を聞くことができました。震災時の様子、震災前の防災学習の様子などを聞き、「いのちを守るための防災教育」の重要性を感じました。

菊池さんの説明
(説明をしてくださる職員の菊池のどかさん)

 

 敷地内にある釜石祈りのパークは、東日本大震災の犠牲者を慰霊、追悼するとともに、震災の教訓を後世に伝える施設です。

 慰霊碑には震災で亡くなった方々の名前が刻まれ、津波の高さ(海抜11m)を表したモニュメントも設置されていました。

釜石祈りのパーク

(芝生の上のモニュメントが津波高を表したもの。前を歩く人の背丈と比べると津波の高さがよくわかる)

 震災時、実際に釜石東中学校の生徒や鵜住居小学校の児童たちが走って逃げたという道(現在は整備されている)をバスで案内してもらいました。バスに乗っていても急な坂道でしたが、震災時は必死にこの坂道を走って避難したそうです。

 当初予定していた避難場所ではなく、もっと高いところへ逃げることを提案したのは、防災学習をしていた釜石東中学校の生徒たちだったといいます。率先避難者として、中学生が活躍をしました。

 

【リーダー学習会】

 ホテルにてリーダー学習会を行いました。この被災地研修に同行いただいた板井幸則氏(大分大学減災・復興デザイン教育研究センター 防災コーディネーター)、菊池のどかさん(いのちをつなぐ未来館職員)にお話をいただき、「災害エスノグラフィー実習」の手法を使い学習を進めました。

菊池さん講演 杵築高校発表 竹田高校発表

 地震発生時のお話だけでなく、地震や津波が落ち着いた後に避難所に向かったときの話や、避難所の様子など災害後の話も伺うことができ、災害前のことだけでなく、災害後のことも想定しておかなければならないことに気づかされました。

 生徒たちは、今の自分たちには何ができるのか、これからどんなことをしていきたいか、自分たちで考え、発表をし合い、考えを深めることができました。

【3日目】宮城県多賀城高校訪問

 3日目は宮城県多賀城高校を訪問しました。多賀城高校は災害科学科が設置されており、生徒たちが防災や減災、環境の切り口なども加えて学習をしています。

 今回は災害科学科のみなさんに、震災伝承活動の「まち歩き」で多賀城市内を案内していただきました。多賀城高校では、多賀城市内約100箇所に「津波波高標識」を設置しています。

津波波高標識

(百人一首でも有名な「末の松山」の駐車場付近、壁には白く津波の跡が残っている)

 同じ高校生同士ということもあり、まち歩きをしながら多賀城高校の生徒さんに質問をしている様子なども見られました。
 多賀城高校の活動に、今後の防災リーダーの取組のヒントをもらうことができたようです。

記念撮影
(多賀城高校の生徒との集合写真(撮影時のみマスクをはずしています))

 

まとめ

 3日間を通して、東日本大震災の被災地を巡り、当時の話を伺ったり、被災状況を目の前で感じたりすることで、参加した生徒たちの意識の変容を見て取ることができました。

「今、学校でやっている避難訓練で、本当に地震が来たときに大丈夫かな」「うちの学校だったら何ができるかな」など、この被災地研修で学んだことを各学校に持ち帰り、どのように活かすことができるかを考える生徒たちの姿が印象的でした。

 高校生防災リーダー養成事業は、この被災地派遣研修だけでなく、各学校でそれぞれ課題をみつけ取り組んでいきます。

 「守られる人から 守る人へ」今後の高校生防災リーダーの活躍に期待です。