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牛伝染性リンパ腫について
牛伝染性リンパ腫について
【牛伝染性リンパ腫とは?】
牛伝染性リンパ腫とは多くが牛伝染性リンパ腫ウイルス(以降BLV)が原因で起こる病気で、家畜伝染病予防法の届出伝染病に指定されています。
近年全国的に発生が増えており、大分県でも発生の多い状況が続いています。
BLVに感染した牛が必ず発症するわけではなく、約70%は無症状で経過しますが、残りの30%は持続的にリンパ球が増加した状態となり、さらにその一部(感染牛の数%)が長い潜伏期を経て発症するといわれています。
発症した牛は食欲減退、元気消失、眼球突出、下痢、便秘、体表や腹腔内リンパ節の腫大などの症状を示し、治療方法はなく死に至ります。
また、と畜場で牛白血病と診断された場合、食用に供することは出来ず、全部廃棄となります。
※ BLVが人に感染することはありません。
【牛伝染性リンパ腫の感染】
主に水平感染と垂直感染があります。
1.水平感染
(1) 人為的感染 :注射器具や直腸検査用手袋の使い回しなどによる感染
(2) 吸血昆虫媒介:アブ・サシバエなどによる吸血による感染
2.垂直感染
(1) 乳汁感染 :感染母牛の乳汁を新生子牛が摂取することで感染
(2) 子宮・産道内感染:出産時に感染
【牛伝染性リンパ腫対策】
1.同一の注射針を複数の牛に使用しない
2.直腸検査及び人工授精時に使用する直検手袋を1頭毎に必ず交換する
3.妊娠鑑定時に用いるエコープローブをカバーで覆い、1頭毎に交換する
4.除角器具、去勢器具、削蹄器具、耳標・鼻環の装着器等の血液が付着する物品は洗浄、消毒して使用する。