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堆きゅう肥の品質判定法 (平成6年県施肥及び土壌改良指針抜粋)
よい堆肥づくりのためには、製品の品質判定が重要になる。
稲ワラや家畜ふんだけでつくる堆きゅう肥ならば、経験的に手ざわりや臭いから判定することができるが、オガクズや汚泥などさまざまな資材か混合されている場合は、それが困難である。
このため、何らかの品質判定のための基準が必要となってくる。
腐熟の判定には炭素率や硝酸態窒素の発現がよく知られているが、これらは分析を伴うので一般的ではない。
できるだけ生産現場でできることが好ましい。
1.現地における腐熟判定基凖 (原田、1984)
色 | 黄~黄褐色(2)、褐色(5)、累褐色~黒色(10) |
形 状 | 現状の形状をとどめる(2)、かなりくずれる(5)、ほとんど認めない(10) |
臭 気 | ふん尿臭強い(2)、ふん尿臭弱い(5)、堆肥臭(10) |
水 分 | 強く握ると指の間からしたたる・・・・・・・70%以上( 2) 強く握ると手のひらにかなりつく・・・・・・60%前後( 5) 強く握っても手のひらにあまりつかない・・・50%前後(10) |
体積中の最高温度 | 50℃以下(2)、50~60℃(10)、60~70℃(15)、70℃以上(20) |
体積期間 | 家畜ふんだけ……20日以内(2}、20日~3カ月(10)、3カ月以上(20) |
作物収穫残渣との混合物……20日以内(2)、20日~3カ月(10)、 3カ月以上(20) | |
木質物との混合物……20日以内(2)、20日~6カ月(10)、6カ月以上(20) | |
切返し回数 | 2回以下(2)、3~6回(5)、7回以上(10) |
強制通気 | なし(0)、あり(10) |
注) ( )内の点数を合計し、未熟(30点以下)、中熟(31~80点)、完熟(81点以上)とする。
2.発芽試験
堆肥の植物に及はす影響を、直接植物を利用して検定する方法である。堆肥に10~20倍の水を加え、60℃で3時問油出する。
この液をろ過し、ろ液10mlを、あらかじめろ紙2枚を敷いてあるシャレーにとり、その上からコマツナを30~50粒まく。このとき、対照区として水10mlを入れたものを用意しておく。
シャーレにふたをして室温に保ち、3~6日後に発芽率と根の状態を観察する。
発芽率と根長は対照区を100としたときの比率で表示する。
3.ポリ袋法
家畜ふんが分解すると炭駿ガスを主とするガスが多量に発生するが、腐熟がすすむとガス発生量か少なくなる。
家畜ふん主体の堆きゅう肥に適用可能。
堆きゅう肥約300gをポリ袋に入れ、中の空気を追い出して密封し、3~4日間放置してガス発生による袋のふくらみ具合により判定する。