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記録的猛暑!水稲の葉色に応じた追肥の検討【高温対策】
今年の夏は、記録的な猛暑が続いており、水稲の生育に大きな影響が出ています。
特に、この高温によって稲の生育が例年より進んでいることが確認されています。
また、生育が進む一方で、穂肥の時期が近づくにつれて、田んぼによっては葉色が淡くなっている事例も見受けられます。葉色が淡い状態は、窒素不足のサインです。今後の生育、そして収量・品質の確保のため、葉色をよく観察していただき、必要に応じた追肥を検討してください。
追肥の検討について
1. 稲の生育状況を確認しましょう
猛暑の影響で、幼穂の形成が例年より早まっています。穂肥を施す時期も例年より早くなるので、田んぼの生育状況をこまめに確認しましょう。
2. 葉色を確認しましょう
田んぼ全体をよく見て、葉色が淡くなっていないか確認してください。
3. 追肥の検討
県の試験場による調査結果でも、猛暑によって葉色が低下しています。
一発肥料を使用された田んぼでも、葉色が淡くなっている場合は、追肥の検討が必要です。
4. 追肥実施の注意点
追肥は、生育状況に合わせて適切な時期と量を守ることが重要です。
追肥時期:幼穂形成期に間に合うよう、早めの判断を心がけましょう。もし、間に合わなくても白未熟粒対策として少量を散布することは有効です。ただし出穂後は食味が低下する恐れがありますのでご注意ください。
施肥量:分施体系で穂肥の場合は地域の暦を参考にしてください。それ以外の場合は、葉色の低下程度に応じて、少量※から施用を検討してください。※窒素成分で1kg/10aぐらいから。
散布時は、少量でも水を溜めていると稲が肥料を吸収します。また、出穂期には水を一番必要とする時期ですので、少量でも湛水をお願いします。
適切な対策を取ることで、猛暑に負けないおいしいお米を育てましょう。ご不明な点があれば、お近くの農業協同組合や県振興局にご相談ください。
(参考) 作柄判定試験結果(第4回)について
大分県宇佐市にある県の試験場(水田農業グループ)では、県の主要品種について、毎年同じ条件(播種日・移植日・苗の本数・施肥量)で育て天候が生育に与える影響を調べています。
水稲作柄判定試験結果(第4回) 8月5日調査結果
この結果によると、「つや姫」・「ヒノヒカリ」の葉齢は過去の平均よりやや進んでおり、葉色は「つや姫」・「ヒノヒカリ」・「なつほのか」で過去の平均と比較してかなり淡くなっています。
この結果より言えることは、生育が進んでいることから出穂時期、穂肥散布時期が早まること、穂肥散布後でも葉色が落ちている場合があることがわかります。