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水稲 斑点米カメムシ類 【高温対策】
近年、高温によりカメムシの発生が全国的に広がっています。
斑点米カメムシ類とは
斑点米カメムシ類とは、稲の穂を吸汁して玄米に斑紋を作り、品質を低下させるカメムシのことを言います。このようなカメムシは国内で約65種類いますが、重要な種類は十数種くらいです。
写真:クモヘリカメムシ©大分県農業研究部病害虫対策チーム
写真:ホソハリカメムシ©大分県農業研究部病害虫対策チーム
発生は、秋にメヒシバやエノコログサなどの葉に卵を産み付け冬を越します。春になって暖かくなってくると幼虫がふ化し、近くにあるイネ科雑草を餌として大きくなり、成虫になります。年間に繰り返す世代数は、暖かい地方では8回くらいになります。
斑点米は、カメムシが針のような口(口針)で玄米を刺し、消化液を出してデンプンを溶かしながら吸うことで発生します。
写真:斑点米©大分県農業研究部病害虫対策チーム
被害の出やすい条件
(1)夏場の気温が高い場合
カメムシは高温になると活動が活発になるとともに、増殖や餌植物の生育も好適になるため、発生量が多くなる傾向にあります。
(2)周辺に雑草地などの繁殖源がある場合
カメムシは、イネが出穂する前は雑草地に生息しており、イネが出穂すると水田に侵入します。そのため水田の周辺に雑草などがあると、カメムシ類の水田への侵入が多くなり、斑点米の被害も多くなります。
また、斑点米カメムシ類は周辺雑草の刈り取りにより食餌・すみかを失うと田んぼの中、稲へ移動します。出穂期は稲が最もカメムシの加害を受けやすい時期ですので、草刈りのタイミングをずらすことが重要です。草刈りは出穂期の2週間~10日までには終わらせておきましょう。
(3)水田内に雑草が多発した場合
イヌホタルイ・ヒエ等は、水稲の出穂前から穂をつけます。そのため雑草が多いほ場では、斑点米被害がより多くなる危険があります。
防除方法
カメムシの防除は「穂揃い期(開花期直後)」と「1回目の7~10日後」の2回行います。防除薬剤は栽培暦を参考にしてください(粒剤の場合は穂孕み期~出穂期)。
近年、イネカメムシの被害が拡大しています。イネカメムシは出穂期ころに田んぼに飛来し加害します。斑点米の発生だけでなく不稔籾を発生させるため、防除は斑点米カメムシよりも早い「出穂期」になります。田んぼを確認して、イネカメムシが多い場合は防除時期に注意してください。
写真:イネカメムシ©大分県農業研究部病害虫対策チーム
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