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Vol.7 人権全般

印刷ページの表示 ページ番号:0002257888 更新日:2024年3月27日更新

マックビーンさん紹介カード

🔳 活動を行うようになったきっかけは?

マックビーンさん01

 2014年に当時の大分県人権・同和教育課(現人権教育・部落差別解消推進課)が開催している人権講師養成講座を受講しました。講師登録をした知人から受講を勧められたものの、やはり人権というテーマは自分にとって難しいと感じましたので申し込みを迷いました。しかし「とにかく講師の方々が素晴らしいので、ためになるから絶対に受講した方がいい」と言われ、それならと友人二人と一緒に申し込みました。実際に講師の先生方のお話を聴いてみると、内容が本当に素晴らしく、気がつくと涙を流して感動している自分がいました。次第に「私もこういう人権講師になりたい」と思うようになり、2015年に教育庁の大分県人権問題講師団講師として登録をし、2017年に大分県人権教育・啓発推進協議会の人権啓発講師として登録をいたしました。

 受講する前の私のように、多くの方が人権というテーマは難しいと感じていると思います。しかし、私が先生方のお話を聞いて、人権は難しいものではなく身近で大切なものだということが理解できたように、伝え方によって受け手のとらえ方は大きく変わると思います。講演や研修会の際には、自分なりの言葉でわかりやすく伝えるように心がけています。

 

🔳 現在の活動について教えてください。

 現在は県の講師派遣事業を中心に、各市町村や公民館などからの依頼に応じ、人権講演を行っています。また、人権以外でも大分市の公民館からは子育て講演や思春期講演、健康講座などの依頼を受け、それぞれのテーマに基づいた講演をしています。これらの講演の中でも、人権問題のベースとなる「自分も大切に、相手も大切にする」という考え方の重要性を伝えています。

 また、ホルトホール大分で月2回、実践心理学の講座を開いています。こちらの講座においても、人権の基本概念を取り入れています。自分と相手を尊重しながらお互いの意見を伝え合う『アサーティブ・コミュニケーション』や自己認識の重要性、怒りの受け止め方などを教えています。

マックビーンさん02​ 私自身も常に学ぶことを大切にしていて、講師の仲間10人で勉強会や練習会を行っています。インターネット上の誹謗中傷や性的マイノリティの方々に関する人権課題など、新たな人権課題に関するテーマでは、お互いの資料を披露しながら勉強会をしたり、部落差別問題については、外部の講師を招いて研修会を行ったりしています。全く新しいテーマの講演依頼があった際は、各メンバーそれぞれ指針がない中で、お互いに共感し、異なる視点からの意見を共有することで、最終的に素晴らしい講演資料を作り上げることができます。このプロセスを繰り返すことで、お互いに学び合い、スキルアップが進むことを実感しています。同じ講師仲間との交流は、非常に有り難いものです。講師としての仕事は一人で行うことが多く、孤独感を感じることもあります。しかし、講師仲間とのつながりがあれば、お互いに励まし合い、悩みを共有することができます。講師としての活動を通じて、私も成長していくことを実感しています。

 

🔳 今後の活動について教えてください。

 様々な人権課題においてのアライ(支援者)を増やしていくことが大事だと思います。差別に反対する姿勢を持つ人を増やすことは、差別の減少に繋がると信じています。差別されている人々の気持ちを理解しようと努力を重ね、寄り添うことを通じて、当事者が安心感を得られる環境を築くことが大切だと思います。この思いを広めるために、講演を通して人権の大切さをわかりやすく伝えていければと考えています。一人でも多くの人が幸せで元気な気持ちになっていただければと思います。

マックビーンさん03​ 人権に関する問題は、時代の流れに沿って様々に変化していくため、その変化に追いつくことは簡単ではありません。私も知らないことがたくさんあります。しかし、知らないことは恥ずかしいことではないと思います。気づいたり知ることができたら、「行動」を変えていくことが重要です。そうすれば自分の成長に繋がりますし、前進への一歩となります。今後も仲間とともに講演や勉強会を通じて、スキルアップしていきたいと思います。また、一緒に学び、共に成長していける講師仲間を増やしていきたいとも考えています。

 

🔳 差別をなくすために行動したい人へのメッセージをお願いします。

 差別をなくすために行動したいと思う人へのメッセージとして、まずは日常の中で笑顔や笑いを発信することが重要だと思います。笑顔や笑いは人権には関係ないと思われるかもしれませんが、これによって幸せな気持ちが生まれます。幸せな時には差別やいじめが起こりにくく、ハラスメントも少なくなります。異なる意見や考え方を受け入れる余裕も生まれ、相手の違いを許容できるようになります。

マックビーンさん04

 自分の中に『こうあるべき』という強い価値観を持っていると、自分の正しさにこだわりすぎ、違いを受け入れることが難しくなります。その結果、マイナスのエネルギーは、弱い者・異質な者に向かっていきます。コミュニケーションや人間関係は勝ち負けではありません。相手を尊重し、『共に成長したい』と考えると、気づきや学びが増えて、プラスのエネルギーが少しずつ広がっていくのではないでしょうか。 

 差別問題が起こった時、それが自分には関係ないと思うのではなく「もし自分が差別されたら、どんな気持ちになるだろうか」と、自分ごととして考えることが大切だと思います。

 私たちは脳の特性のために、無意識に人や物事を決めつけて判断することがあります。この無意識の偏見『アンコンシャス・バイアス』が、気がつかないうちに相手を傷つけたり、差別意識につながっていきます。私自身、気がついた時にハッとして反省をするのですが、日常の中での小さな無意識の偏見に気づいてリセットしていくことが重要だと思います。相手の考えが違っていても、相手を尊重して認めることや、決めつけないことなどを、家族や友人、職場や地域の中でやっていくことから始めるとよいのではないでしょうか。