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人権について

印刷ページの表示 ページ番号:0002094937 更新日:2020年4月1日更新

人権について

 さまざまな人権について紹介しています。自分自身の課題として、人権について考えてみましょう。

人権って何ですか?

 私たちは、誰もがみな、人間らしく幸せに生きていくための権利をもっています。
 この権利を人権といいますが、これは、私たちが幸福な生活を営んでいくために侵すことのできない普遍の権利であり、日本国憲法によってすべての国民に保障されています。
 一人ひとりの人権が尊重されるためには、社会のしくみを整えていくことはもちろん、私たち一人ひとりの考え方や行動を見つめ直すことが必要です。
 お互いの人権を尊重し、差別や偏見のない、本当に人権が尊重される社会をつくっていくことが一人ひとりに求められています。

部落差別問題

 部落差別問題(同和問題)は、日本社会の歴史的過程で形づくられた身分差別により、日本国民の一部の人々が、現在に至るまで様々な差別を受けている日本固有の人権問題です。現在でも、被差別部落出身であることや、そこに住んでいることを理由に結婚を反対されたり、インターネット上に心無い誹謗中傷が書き込まれるなどの差別があります。
 部落差別の解消は、国の責務であると同時に国民的課題です。
 部落差別問題を一日も早く解決するために、私たち一人ひとりが自分自身の人権の課題として考え、行動することが求められています。

女性の人権

 女性の社会進出が進み、様々な分野で活躍する女性が増えてきた一方で、今でも、男性に比べて採用、昇進、賃金など仕事上の待遇が悪いこと、家事・育児や介護の負担が大きいこと、セクシュアル・ハラスメントやマタニティ・ハラスメント、DV、ストーカー行為や性犯罪などが大きな問題となっています。
 こうした背景には、「男は仕事、女は家庭」とか「育児や介護は女の仕事」といった固定的な役割分担意識や、男性が女性より上といった女性蔑視があり、そうした意識が職場や家庭において様々な男女差別を生む原因になっています。
 「男だから」「女だから」と、性別で仕事や役割を割り当てるのではなく、その人の能力や個性、意欲を生かすことが大切です。
 まずは、家事、育児、介護など身近なことを一緒に取り組むことからはじめてみませんか。

子どもの人権

 子どもにも大人と同様に人権があります。大人以上に人権を侵害されやすい子どもは、社会的に保護され、守られなければならない存在です。
 しかし、子どもを取り巻く環境は、虐待、いじめ、体罰、子どもの貧困など問題があふれ、大変深刻な状況にあります。さらに、子ども同士の「ネットいじめ」や、大人による児童買春など、インターネットや携帯電話を悪用した行為も大きな社会問題となっています。
 子どもにかかわる問題を解決していくためには、子どもの「ありのまま」を認めること、子どもに意見を述べる機会、参加する機会を与えることが大切です。子ども達は、それぞれが人格を持ったひとりの人間であり、一人ひとりの違いが大切にされ個性が尊重される事を望んでいます。そして安心して生活できること、ゆっくりと自分づくりができることを求めています。
 そのために大人は、子どものSOSを見逃さず、子どもの意思を尊重し、勇気づけながら、成長・発達を見守っていきましょう。

高齢者の人権

 令和元年の調査によると、大分県の総人口に対し28.1%、3人に1人が65歳以上の高齢者となっており、介護が必要な高齢者も増えています。
 このような中で、認知症や身体が不自由な高齢者が虐待を受けたり、「振り込め詐欺」の被害にあうなど高齢者の人権が侵害される事件が多発しています。
 私たちはみんな年をとります。そして、それに伴う身体的・精神的衰えは避けられません。しかし、いつまでも自分らしく生きたいという気持ちを誰もが持っています。高齢者の人権問題は、私たち自身の問題なのです。
 すべての人が豊かな高齢期を送れるよう、地域社会全体で高齢者と共生する意識を持ち、一人ひとりができることから始めましょう。

障がい者の人権

 障がいのある人とのコミュニケーションでは、障がいがあることにこだわるあまり、よそよそしくなったり、逆に過剰に助けようとしがちです。「障がいのある人は○○なはずだ」という先入観を持たず、本人の気持ちを尊重し、互いに支え合いましょう。
 視覚に障がいがある人のために歩道に点字ブロックが敷かれています。しかし、ブロックの上に自動車や自転車が停まっていると、ブロック上を安全に歩くことはできません。障がいのある人の権利を尊重することが、真のバリアフリーへの道です。無関心や無理解、偏見や差別意識は、障がいのある人の活動や社会参加を阻んでしまいます。
 障がいのある人もない人も、いきいきと「ともに生きる」社会づくりを進めるため、「心のバリア」をなくしましょう。

外国人の人権

 人や物の動き、経済活動などあらゆる分野で国際化が進む中、わが国に在留する外国人の数は、2018年(平成30年)末現在、273万1,093人となっています。
 こうした中、島国という地理的条件や江戸幕府による長年にわたる鎖国の歴史等に加え、他国の言語、宗教、習慣等への理解不足からくる偏見や差別意識の存在などを背景として、外国人に対する就労差別や入居・入店拒否など様々な人権問題が発生しています。
 また近年、一部の国や民族、あるいは特定の国籍の外国人に対する差別的言動である「ヘイトスピーチ」が問題となっています。こうした行動は、人としての尊厳を傷つけたり、差別意識を生じさせるもので、許されることではありません。 
 生まれ育った国が違えば、習慣や文化は違って当たり前です。多様な文化や価値観を認め合いましょう。

医療をめぐる人権

 エイズウィルス(HIV)やハンセン病などの感染症にかかった患者・回復者やその家族が、周囲の人々の誤った知識や偏見によって、日常生活、職場、医療機関などで差別を受けることがあります。
 治療法が確立された今もなお誤った認識が存在し、また、エイズ患者、HIV感染者などに対する偏見は根強く、医療関係者の深い理解と人権を尊重したサービスの提供が求められています。
 一人ひとりが病気について正しく理解することが大切です。

性的少数者の人権

 性的少数者とは、同性愛者や両性愛者、こころの性と体の性が一致しない人(トランスジェンダー等)などを指します。また、レズビアン(L:女性同性愛者)、ゲイ(G:男性同性愛者)、バイセクシュアル(B:両性愛者)、トランスジェンダー(T)の頭文字を取って、LGBTと言われることもあります。
 このような人たちは、社会において十分な理解が得られず、偏見の目を向けられたり、職場などで不適切な取扱いを受けたり、学校生活でいじめられたりするなどの差別を受けることがあります。
 「自分の近くにはいない」と思うのは、性的少数者が差別や偏見を恐れて言い出せずにいるからかもしれません。
 「男らしさ」や「女らしさ」よりも「自分らしさ」を大切にし、互いを理解し、認め合いましょう。

様々な人権

 これまで紹介した人権の他に、以下のようなものが考えられます。
 今後、社会が複雑、多様化し、また、人々の人権意識が高揚することにより、新たな人権や今まで見過ごされていたような人権が生じるものと考えられます。
 いろいろな違いを認め合い、お互いを個人として尊重し、共生していける社会を築いて行かなければなりません。

1.犯罪被害者やその家族の人権
 犯罪被害者やその家族は、その事件によって直接被害を受けるだけではありません。心無い人々の言動などにより名誉・心情を傷つけられたり、マスメディアの行き過ぎた報道によってプライバシーが侵害されたりするなどの二次的被害を受けることがあります。
 犯罪被害者やその家族の人権に対し、無責任な噂や中傷、興味本位での報道など起きないよう、人権的視点をもって接することが大切です。

2.プライバシー権の保護
 コンピューターやインターネットの普及・発達による情報通信技術の急速な浸透に伴い、豊かで便利になった反面、個人の情報が大量に外部漏えいし、脅迫や架空請求などの犯罪に利用される事態も生じています。
 個人情報は、個人の人格と密接に関連しており、「個人として尊重される」ことを定めた憲法第13条に基づき、慎重に扱われる必要があります。このような個人情報の性格と重要性を十分認識し、適正に取り扱うことが大切です。

3.ネット社会の人権
 匿名で気軽に情報発信できることを悪用し、差別的な書き込みや他人への誹謗・中傷、個人のプラバシーに関わる情報の掲載、リベンジポルノとされる画像の流出・拡散など誰かを傷つけたり、トラブルや犯罪に巻き込まれるケースが多発しています。
 画面の向こうにいるのは、自分と同様に尊重されるべき人であることを意識することが大切です。
 インターネットがあたりまえのように使われている社会にふさわしい人権感覚が求められています。 

4.その他の人権
○ 先住民であるアイヌの人々に対する理解が十分ではないため、学校や就職、結婚などにおいて偏見や差別が依然として存在しています。
○ 刑を終えて出所した人に対しては、根強い偏見や差別意識があり、就職やアパート等への入居などに関する問題が起きています。また、本人だけではなく、その家族なども地域社会や職場、学校などで差別的な取扱いを受けることがあります。
○ 何らかの理由で路上生活者となった人々に対して、嫌がらせや暴行事件などの人権侵害等の問題が発生しています。
○ これらの問題のほか、公益通報者の保護、北朝鮮当局による人権侵害問題、自然災害に起因する人権問題、パワーハラスメント等による労働者への人権侵害など、様々な人権の課題があります。