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令和元年度外部評価委員会(令和元年7月22日)

印刷ページの表示 ページ番号:0002070568 更新日:2019年8月21日更新

令和元年度外部評価委員会評価結果

調査研究課題 事後評価(3課題)

総合評価(5段階評価)を掲載

(5:計画以上の成果、4:計画どおりの成果、3:計画に近い成果、2:わずかな成果、1:成果なし)

調 査 研 究 課 題

実施年度担当評価点
(1) 大分県における蚊の生息調査法等の検討30年度微生物3.8
(2) パッシブサンプラーを利用した常時監視局未設置地域におけるオゾン等の実態調査29~30年度大気・特定
化学物質
3.8
(3) 瀬戸内海における難分解性有機物に関する調査29~30年度水質3.5

・外部評価委員からの主なご意見

1.大分県における蚊の生息調査法等の検討

○ 初期の研究目標は、概ね達成している。当該分野については県内唯一の試験研究機関であり、近年、県が外国人旅行者等の集客を積極的に推進していることから、蚊媒介感染症に対する本研究成果の活用が期待できる。

○ 今回の調査は定期的には実施されないということだが、ラグビーワールドカップを控え、蚊による感染対策のための有効な情報となり得る。

○ 海外旅行者が来県する機会が増えることから、このような調査は重要な意味を持つと考える。ただし蚊の生態特性を考えて採取法や設置場所を選定した方がよいのではないか。

2.パッシブサンプラーを利用した常時監視局未設置地域におけるオゾン等の実態調査

○ 常時監視局との比較を行い、オゾンの季節変動や窒素酸化物動態の傾向を把握する簡易手法として、バッシブサンプラーが有用であることを示唆する結果が得られた。できれば、地域特性や特異地点が見れた地域について追加の検討を行い、バッシブサンプラーによる調査の確立に努めてもらいたい。

○ 県内7地点で調査を実施し、常時監視局との相関性も調査し同様の傾向にあることが確認されている。

○ 工場が集中している大分市のデータがないと評価が難しいと思われる。

○ 大分市のデータと比較した方がより全県的なオゾン等の実態がわかるのではないか。また、パッシブサンプラーの設置位置が場所によってまちまちだったかと思うが、常時監視局のサンプル吸入位置に合わせたほうが比較検証がしやすいと思われる。

3.瀬戸内海における難分解性有機物に関する調査

○ 瀬戸内海水環境研会議の共同調査として実施するものであり、県内の一部海域でもみられるCOD微増要因としての難分解性有機物の存在状況調査を目的としており、研究計画は概ね妥当である。

○ CODと炭素成分の季節動態、特定の調査地点における溶存有機物の難分解化の確認など一定の知見は得られているが、成果活用としてCODの環境基準見直しの資料にするには更に継続した調査が必要と考えられる。また、本調査は瀬戸内海関係自治体との共同研究であり、その総合結果の成果にも期待したい。

調査研究課題 中間評価(2課題)

総合評価(5段階評価)を掲載

(5:独創性・貢献度が高く是非継続、4:継続した方がよい、3:部分的に検討要、2:大幅な見直し要、1:中止すべき)

                   調 査 研 究 課 題 実施年度担当評価点
(1) 食中毒菌Escherichia albertiiの検査体制の確立と疫学調査30~R1年度微生物

4.3

(2) PM2.5発生源推定のための新たな指標成分に係る測定方法の検討30~R2年度大気・特定
化学物質
4.0

・外部評価委員からの主なご意見

1.食中毒菌Escherichia albertiiの検査体制の確立と疫学調査

○ 健康危機管理対策として、行政遂行上必要かつ重要な研究テーマである。

○ 当該分野に関しては、県内で唯一の研究機関であり、行政推進上からも必要不可欠な研究テーマである。研究成果は、食中毒の原因究明や感染症サーベイランス調査等への活用が期待でき、波及効果も大きいと思われる。

○ 初年度はPCRスクリーニング法を確立し、散発下痢症での本菌検出頻度を最大約1%と算定するなど研究の進展が認められた。今後は、早期に分離・増菌培養法を確立して、実試料(糞便、食品等)からの検出確認を目指してもらいたい。

○ 研究目的・内容は重要なものだと考えるが、実施期間の延長等の検討を視野に入れる前に研究計画をしっかり練り直し、3か年で達成できる内容にすべき。

2.PM2.5発生源推定のための新たな指標成分に係る測定方法の検討

○ H27~29年度研究課題の知見に基づく後継研究であり、越境汚染の確認と県内発生源の究明・解析が見込まれることから、行政上必要かつ重要な研究テーマである。

○ 当該分野に関しては、県内で唯一の研究機関であり、PM2.5対策として必要不可欠な研究テーマである。測定法が確立できれば研究成果の活用とその波及効果も期待できる。

○ 初年度は、野焼き等バイオマス燃焼指標としてレボグルコサンの測定法を検討し、ほぼ満足な結果を得ている。今後はケイ酸測定法を確立して、県内のPM2.5対策に寄与してもらいたい。

○ まず黄砂による大分県の曝露状況を示すべきだった。しかしながら健康影響を考えるならば重要なテーマである。

調査研究課題 事前評価(5課題)

総合評価(5段階評価)を掲載

(5:独創性・貢献度が高く是非採択、4:採択した方がよい、3:部分的に検討要、2:大幅な見直し要、1:採択すべきでない)

調 査 研 究 課 題実施年度担当評価点
(1) 生体試料中のフグ毒テトロドトキシン分析法の検討R1~R2年度化学3,5
(2) LC/MS/MSによる植物性自然毒の迅速一斉分析法の検討R1年度化学4.0
(3) 大分県における大気中フロンに係る測定方法の検討R1~R3年度大気・特定
化学物質
3.8
(4) 要監視項目における新規3項目についての分析検討R1年度水質3.8
(5) 公共用水域等に係る全有機炭素(TOC)の調査R1年度水質4.0

・外部評価委員からの主なご意見

1.生体試料中のフグ毒テトロドトキシン分析法の検討

○ 食中毒の原因究明など行政遂行上から必要な研究テーマである。

○ 本県ではフグ中毒がたびたび発生しており、マウス毒性試験に替わる本検査法の確立は必要と考える。

○ 評価指標を計画段階から立てておく必要がある。

○ 他県事例があるのであれば、まずそれを参考に、本県でも同様の結果が出るか確認する必要があるのではないか。

 2.LC/MS/MSによる植物性自然毒の迅速一斉分析法の検討

○ 近年、多発傾向にある有毒植物中毒の原因究明など行政遂行上から、早急な検討が必要で重要性の高い研究テーマである。

○ 近年、本県でも植物性食中毒が多発傾向にあり、多成分一斉分析法の確立を目指す本研究は必要と考える。他方、単年度で充分な成果をあげるには難しい課題と思われるので、実施期間の延長を検討願いたい。

3.大分県における大気中フロンに係る測定方法の検討

○ これまで本県では取り組んだことのない研究分野であり、地球温暖化防止対策の一環として行政遂行上から必要な研究テーマである。

○ 本県の状況把握ができていない研究分野であり、行政遂行上、必要な研究テーマと考える。ただし、特定フロン類だけでは充分な研究成果・波及効果をあげ難い課題であり、実施期間も3年間としていることから、代替フロン類の把握も目指してもらいたい。

○ 必要性があまり理解できない。大分県だけの問題ではないと思われる。

○ 説明では3年目にモニタリング実施になっているが、季節変動や経年変化の相関を解析できるのか。

 4.要監視項目における新規3項目についての分析検討

○ 水質汚濁に係る要監視項目の測定態勢を整備することは、行政遂行上から必要と思われる。

○ 本研究で培われる技能や検査態勢の整備は、県行政の遂行に有用である。

○ 水質汚濁に係る要監視項目の測定態勢を整備する観点から、本研究は必要と考える。

 5.公共用水域等に係る全有機炭素(TOC)の調査

○ COD法からTOC法への移行が想定される中、蓄積データの継続活用を目的とする本研究は、行政遂行上から必要である。

○ 本県公共用水域の蓄積データを継続して活用するために必要な研究課題と考える。そのためには、単年度の実施では充分な成果が見込めないので実施期間の延長を検討してもらいたい。

○ COD等の従来の指標では把握できない新たな水質の指標として期待される。

調査研究課題 追跡評価(1課題)

総合評価(5段階評価)を掲載

(5:計画以上の成果、4:計画どおりの成果、3:計画に近い成果、2:わずかな成果、1:成果なし)

                   調 査 研 究 課 題 実施年度担当評価点
日田、玖珠、九重地域における泉質の分布状況28年度水質

3.0

・外部評価委員からの主なご意見

1.日田、玖珠、九重地域における泉質の分布状況

○ 本研究はH26~29年度の4年間に、別府市、由布市、当該研究課題の日田・玖珠・九重地域、大分・豊肥・北部地域等の温泉の状況を調査したもので、H26年度の療養泉定義変更後の県内温泉の現況を把握する目的において、研究計画は概ね妥当であったと認められる。

○ 当評価委員会の意見を踏まえ、4年間の研究成果をとりまとめて県のホームページに公開したことは、県内温泉の理解や活用普及に有効であったと考える。今回の調査資料をベースに、今後も10年毎に経年変動を調査するなどして、温泉源の保護・温泉適正利用等の行政施策や温泉地発展等の寄与につなげてもらいたい。

○ 調査目的は、わかりやすい温泉情報を温泉利用者や行政等に提供する、である。

結果をホームページに掲載しているが、他の周知方法を検討することが望ましい。