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赤ちゃんのための先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング)を実施しています
新生児先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング)について
大分県では、県内で生まれたすべての赤ちゃんを対象に、先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング)を実施しています。
生まれて間もない赤ちゃんから、少量の血液を採取して検査することにより、放置すれば心身障がいを引き起こす先天性の病気等を早期に発見し、発症を防ぐことが目的です。現在は先天性の病気のうち、下に示す20の病気が対象です。
(これ以外の病気がわかることもあります。)
これらの病気は、早い時期から特殊ミルクを使用するなど必要な治療をすることで、発症を予防できます。
早期発見、治療のためにも、検査を受けるようにしましょう。
お知らせ ~検査対象を拡大しました(令和6年9月から)~
この度、従来の検査に加え、以下の3つの検査項目を新たに受けられるようになりました。(検査は希望制です。)
【追加される検査項目】
重症複合免疫不全症
脊髄性筋萎縮症
ライソゾーム病
いずれも早期発見・早期治療により、病気の発症や重症化を予防することが可能となります。
これらは稀な病気ではありますが、診断が難しい病気のため、すべての赤ちゃんに受けていただくことをお勧めします。
検査で発見できる病気について [PDFファイル/617KB]
検査の流れ、料金などについては、下記「先天性代謝異常の検査って、何をするの?」を御覧下さい。
先天性代謝異常等検査でどんな病気がわかるの?
先天性代謝異常とは?
先天性代謝異常とは、生まれつきの原因により、食べ物に含まれる栄養素の代謝がうまくできなかったり、ホルモンの分泌が多すぎたり少なすぎたりする異常のことです。
この場合、異常なものが身体に溜まったり、必要なものが欠乏したりする結果として、からだにさまざまな症状を引き起こします。
病気によっては、知能障がい、内臓障がいなどの症状が見られるものがありますが、大部分は、発症前の診断による早期の適切な治療により、発症を防ぐことが可能です。遺伝的な要素を持つ場合も陽性となる場合がありますが、必ず発症するわけではありません。
先天性代謝異常等検査でわかる病気について (1)
次の20疾患があります。
疾患名 |
ガラクトース血症 |
フェニルケトン尿症 |
ホモシスチン尿症 |
楓糖尿症(メープルシロップ尿症) |
先天性副腎過形成症 |
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症) |
シトルリン血症Ⅰ型 |
アルギニノコハク酸尿症 |
メチルマロン酸血症 |
プロピオン酸血症 |
イソ吉草酸血症 |
メチルクロトニルグリシン尿症 |
複合カルボキシラーゼ欠損症 |
グルタル酸血症Ⅰ型 |
HMG血症 |
MCAD欠損症 |
VLCAD欠損症 |
三頭酵素欠損症 |
CPT1欠損症 |
CPT2欠損症 |
発見率は、それぞれの病気によっても違いがありますが、多くの病気がおよそ数万人~数十万人に1人の割合で診断されています。すべての種類の病気を合わせると検査を受けた赤ちゃんのうち約9,000人に1人の割合でなんらかの病気が見つかることになります。
また、これ以外の病気についても検査でわかることがあります。
先天性代謝異常等検査でわかる病気について (2) (拡大(追加)検査でわかる病気)
上の20疾患に加え、次の疾患の検査が可能になりました。(令和6年9月~)
追加した疾患 | |
脊髄性筋萎縮症 | |
重症複合免疫不全症 | |
ライソゾーム病 | ファブリー病 |
ポンペ病 | |
ゴーシェ病 | |
ムコ多糖症 I型 |
|
ムコ多糖症 II型 |
いずれの病気も診断が難しいため、長年、診断されずに治療が遅れていました。
追加された検査を受けることにより、症状が出る前に対象の疾患を見つけることができると、早く治療を始めることができ、病気の発症を抑えたり、障がいを最小限にすることができます。
先天性代謝異常の検査って、何をするの?
検査の方法について
生後4~6日(出生日は0日と数えます。)の赤ちゃんのかかとから微量の血液を検査ろ紙に採取して、専門の検査機関で検査を行います。
検査の申し込みについて
基本的に県内で生まれたすべての赤ちゃん(里帰り出産を含む)に検査を実施しますが、同意書の提出が必要です。
同意書は、パンフレット「新生児マススクリーニングのご案内」の裏面にあります。
出産を予定している産科医療機関等にて、検査について説明がありますので、内容をよく理解してから同意書に署名してください。
なお、大分県は国が実施する「新生児マススクリーニング検査に関する実証事業」に参加していますので、
脊髄性筋萎縮症及び重症複合免疫不全症の検査について、事業への参加に同意いただく必要があります。
検査数、陽性者数、精密検査の結果(疾患名や患者数)など、個人が特定されないデータが国の調査研究に利用されます。
調査研究の結果が公表される際には、統計的に処理され、個人が特定される形で公表されることはありません。
検査費用について
-
大分県内で出産する場合
- ライソゾーム病を除く疾患の検査は「無料」です。
- ライソゾーム病の検査費用は「自己負担」です。検査費用は医療機関等によって異なりますので、出産を予定している医療機関等でご確認ください。
- 採血料等は自己負担となります。
-
県外で出産する場合
- 出産予定先の自治体及び産科医療機関に予めご確認ください。
- 20疾患については、基本的にどの自治体でも里帰り出産の検査費用は、里帰り先の自治体が負担をすることとなっていますので、支払う必要はありません。※一旦お支払いされた検査料を大分県が返還することはできません。
- 拡大(追加)した3検査項目(重症複合免疫不全症、脊髄性筋萎縮症、ライソゾーム病)は本県独自の取組ですので、里帰り先の自治体では検査が不可能である場合や有料の場合もあります。事前に里帰り先の自治体(県・政令市)へ申込方法や負担する費用等について確認を行っておいてください。
検査結果について
検査結果は約2週間で判明します。通知方法は産科医療機関でご確認ください。
検査を受けるにあたっての注意事項
1 この検査では、まれに疾患を発見できない場合や、お子さんが生まれてすぐに発症した際、検査が間に合わない場合があります。
2 この検査のためにいただいた個人情報は、本検査の目的以外には使用しません。
3 まれに、お母さんやお父さんの隠れた病気が見つかる場合があります。
4 再検査や精密検査となった場合、お住まいの市町村を管轄する保健所へご連絡させていただく場合があります。
5 検査結果は、個人が特定できない形で、県が行う医療統計などに利用することがあります。
新生児マススクリーニングについてのQ&A
陽性と診断されたら?
陽性または陽性の疑いがある場合、赤ちゃんの採血をした医療機関等から、「検査結果連絡票」もしくは「精密検査受診依頼書」が渡されますので、それらを持って精密検査医療機関を受診してください。
保護者の方へ医療機関等から電話連絡をする場合があります。
検査結果は、県にも報告されますので、受診後に県保健所(大分市は市保健所)の保健師から保健指導(フォロー)の連絡、訪問があります。心配なことがあれば、ご相談ください。
再検査を受けるように言われたら
すぐに精密医療機関で再検査を受けましょう。
再検査の赤ちゃんすべてが病気を疑われているとは限りません。赤ちゃんの検査時の体調など、病気以外にもいろいろな原因で正しい結果が出ないことがあります。
正確な判断のために、もう一度検査を受けてくださいね、というのが再検査です。
病気と診断されたら
再検査や精密検査の後、病気と診断されることがあります。この場合は、医療機関での治療が必要です。
この検査で見つかる病気のほとんどは、早いうちに発見することで、病気の発症を防いだり、治療をすることができます。
病気のことで心配なことがありましたら、かかりつけの小児科の先生へご相談ください。
なお、病気により、小児慢性特定疾病医療費の助成を受けられる場合がありますので、お住まいの市町村を管轄する保健所・保健部(大分市は大分市保健所)へご相談ください。
産科医療機関のみなさまへ
検査説明用パンフレット「新生児マススクリーニングのご案内」等の追加申込について
検査説明用パンフレット「新生児マススクリーニングのご案内」等の追加申込は下記連絡先までご連絡ください。
連絡の際は、(1)病院名 (2)送付先部署、担当者名(総合病院などの場合は必須) (3)必要部数をお伝えください。
在庫が少ない場合もありますので、ある程度、残り部数の余裕のあるうちにご連絡いただけるようお願いします。
<<連絡先>>
大分県福祉保健部 こども未来課 母子保健班 電話 097-506-2672
里帰り出産をされるみなさまへ
●大分県で里帰り出産をされる方
大分県では、県内で産まれた赤ちゃんすべてがこの検査を受けることができます。
検査を受けるには同意書の提出が必要ですので、出産予定の産科医療機関等へお問い合わせください。
●他県で里帰り出産をされる方
全国調査の結果によると、大分県以外の都道府県、政令市でも20疾患の検査を無料で受けられることになっています。拡大(追加)した3検査項目(重症複合免疫不全症、脊髄性筋萎縮症、ライソゾーム病)は本県独自の取組ですので、里帰り先の自治体では検査が不可能である場合や、有料の場合もあります。
必ず事前に出産予定の自治体に申込方法等の確認を行っていただきますようよろしくお願いします。
※一旦お支払いされた検査料を大分県が返還することはできません。
産科医療機関、里帰り先の自治体へ事前にご確認ください。