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新たな国民病といわれる慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病(CKD)について知っていますか?
慢性腎臓病(CKD:シーケーディー:Chronic Kidney Disease:以下、CKDで表記)とは、徐々に腎機能が低下していく病気のことです。
日本では約8人に1人がCKDといわれており、新たな国民病と言われています。
CKDは、初期には自覚症状が出にくいため、気づいたときには重症化している可能性があります。
病気が進行すると、腎機能の改善が難しくなり、人工透析や腎移植が必要になる場合もあります。
また、CKDは腎機能の低下だけでなく、心不全や脳梗塞などの心血管病のリスクが増加します。
CKDを予防するためには、早期発見・早期治療が大切です。
1.無症状のうちに弱っていく腎臓・・健診で早期発見が可能です
CKDは、早期に治療を開始すれば進行を遅らせることができる病気です。
ですが、病気の初期には無症状のため、発見が遅れがちです。
早期発見・早期治療のためには、定期的な健診を受けることが大切です。
そして、腎臓の状態をチェックするために特に大切な検査結果は、
尿たんぱく と 推算糸球体濾過量(eGFR)です。
まずは年1回の健診(尿検査・血液検査)を受け、腎臓の状態をチェックしましょう。
2.腎臓を守るためにあなたができること
腎臓の働きは、加齢とともに緩やかに低下しますが、塩分の取りすぎや不適切な薬の使用も腎臓のはたらきを悪くする原因です。
腎臓は、体から「余分なものを尿として排出」して、必要なものだけを体の中に残し、「体の中の環境を正常に保つ」ようにしてくれています。
また、いろいろなホルモンをつくることで、「血圧を調節する」「血液をつくる」「骨を強くする」といった身体にとって非常に重要な役割を担っています。
日常生活を少しだけ変化させることで、腎臓を守ることができます。
3.高血圧や糖尿病などの生活習慣病は腎臓病のリスクを高めます
生活習慣病で治療中の方は、血圧や血糖値など、普段診てもらっている検査値に加えて、腎臓の機能もチェックが必要です。
高血糖や高血圧によって、全身の血管が傷つきやすく、また硬くなりやすくなります。腎臓でも血管が硬くなって、血液のろ過がうまくできなくなっていきます。
ろ過できなくなり、余分な水分や塩分などを排出できないと、血液量が増え血圧が上がります。さらに、血圧が上がれば腎臓への負担が増え、ますます腎臓の機能が低下するといった悪循環が生じやすくなります。
腎臓の機能の低下を早期に発見することで、人工透析や腎移植が必要な状態を防ぐことができます。
大分県では、かかりつけ医と腎臓専門医療機関とで連携し、腎臓を守るための診療体制を整備しています。
かかりつけ医の先生と相談し、必要な検査、治療を継続しましょう。