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本格的な人口減少時代が到来し、中山間地域では小規模集落が大幅に増加することが見込まれている中、県では、「住み慣れた地域に住み続けたい」という住民の願いを叶えるため、集落同士が機能を補い合うネットワーク・コミュニティの構築を進めています。
ネットワーク・コミュニティの構築においては、活動の核となる地域コミュニティ組織の自立的運営が重要となるため、県ではこの度、研修会や地域コミュニティ組織同士の情報交換を通じて、市町村圏域を超えた連携を促し、地域コミュニティ組織の意識醸成を図ることを目的に平成30年度から「大分県地域コミュニティ組織広域協議会」を開催しています。
課題の洗い出しを行った第1回、先進地視察を行った第2回に引き続き、第3回~第4回では、モデルとなるまちづくり計画や総会資料を紐ときながら、自組織の活動を見直す連続講座を開催しました。
12月20日に開催した第3回では、杵築市向野地区まちづくり協議会を事例に、中長期的なまちづくり計画の策定プロセスで大事なことは何かを学び、意見交換を行いました。
今回は、総会資料を素材とし組織活動の見直しについて研修を行いましたので、その概要をお知らせします。
日時 : 平成31年2月1日(金曜日) 13時30分~17時00分
場所 : 大分県庁新館14階 大会議室(大分市大手町3-1-1)
次第 : (1) ガイダンス(県地域活力応援室)
(2) 自己紹介
(3) 意見交換
テーマ:総会「を・で」見直し!~総会資料で課題解決~
コーディネーター:大分大学経済学部 山浦 陽一 准教授
(4) まとめ
参加者 : 地域コミュニティ組織関係者36名(9市)、行政関係者27名(県、市) 計62名
第4回では、協議会が毎年作成している「総会資料」に着目し、その改善が協議会活動への改善にどうつながるかをひもといていきました。
意見交換では、総会資料の課題として、「作成が大変」が最も多くを占め、「反省や振り返りがない」や「長期計画とリンクしていない」などの意見も聞かれました。
また、総会の課題としては多いものから、「発言が少ない」や「事務局が説明を負担」、「出席率が低い」などがあげられました。
研修の中で山浦准教授から、総会資料作成や総会運営における5つのコンセプトとして、「(1)(誰が読んでも)資料はわかりやすく」、「(2)(単年度、前例踏襲ではなく)計画とリンクしている」、「(3)(事務局依存ではなく)部会が自立して」、「(4)負担軽減」、「(5)(伝える、決めるを重視した)参加型とする」が示され、その上でモデルとなる総会資料のフォーマットを元に参加者の意見交換が行われました。
モデル総会資料のデータはコチラ [Excelファイル/50KB]
【モデル総会資料のポイント】
(部会別ページ)
・見開き2ページで各部会ごとに記載し、実施事業と会計を一括記載
・活動の目安となる数値目標を設置
・長期計画とリンクした活動と実施した活動を評価
・部会で作成できる簡便さ
(役員)
・在任期間、再任回数(交代のタイミングの参考)
・役員の属性(若者、女性、移住者)
・若者、女性、移住者比率の目標と現実
・組織役員の「当て職」負担(各役員の負担見える化)
(見直しのプロセス)
・部会ごとの反省会開催(振り返り、次年度計画策定)
・長期計画とのリンク(当初予定と現在の実施状況の確認)
・総会資料作成(事業から会計へ)
モデル資料を材料とした意見交換では、良い点として、「長期計画とリンクが良く、課題確認がしやすい」、「役員構成の属性や当て職一覧は(役職の重なり具合が見えるため)良い」といった意見が、一方で悪い点として、「事前の周知が必要なことと事務局の負担がさらに増える」といった意見が出されました。
参加者からは、今回の研修を機に、自分の組織の総会のあり方を見直すと表明した方も見られました。
以上をもって、今年度の広域協議会の研修は終了となります。
今年度実施した第1~4回の参加状況やアンケート結果等を反映させながら、来年度の協議会内容を検討し、引き続き地域コミュニティ組織の主体的な取組をサポートしていきます。