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水田で水を溜めると土中の酸素が不足し、メタンガスが発生しますが、鉄を含む肥料を使用すると、鉄分が酸化剤として働くため、メタンガスの発生が抑制されると考えられています。
含鉄肥料の施用による水田からのメタン排出抑制効果を調査するため、水田農業グループ(宇佐)の水田圃場で資材の施用や水稲の定植等を6月20日に完了しました。これから収穫までの間、当圃場から発生するメタンの量を毎週調査し、その効果を明らかにしていきます。
●問合せ先
農業研究部 土壌・環境チーム
0974-28-2072
カンキツ類は花が終わると小さな果実をたくさん着けます。ところが、全ての果実が大きくなるわけでなく、着いている果実が多すぎると樹が自分で果実を落とします。これを生理落果と言い、6月から7月に起こります。主な原因は(1)果実と新芽(新葉)が競合し養分が不足するため、(2)未受精のため(温州みかんのように受精しなくても落果しないものもあります)等の影響です。
●問合せ先
果樹グループ カボス・中晩柑チーム
0972-82-2837
当グループでは、昨年度、県の大豆主力品種 「フクユタカ」 に代わる新品種として、「ちくしB5号」を選定しました。今年度は、「ちくしB5号」で早播栽培(6月播き)と排水対策技術を組み合わせることにより、慣行栽培(7月上中旬播き)の「フクユタカ」より多収となることを実証する現地試験を行っており、6月12日に宇佐市内の現地圃場で新品種を播種しました。今後は両品種の生育収量を比較していきます。
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水田農業グループ 企画指導担当 又は 水田農業チーム
0978-37-1160
イチゴの新たな品種を作るため、優れた性質を持つ異なる品種を交配して育て、3~4月に成熟した実から種を採取しました。この種から発生した苗を実生苗といい、同じ親同士の組合せであっても、1つ1つ違う個性を持っています。
5月24日にイチゴの実生苗を得るための播種を実施しました。今後は実生苗を育てて約2,500株をほ場に定植し、この中から新品種の候補を選抜します。
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農業研究部 果菜類チーム
0974-28-2081
6月6、7日の2日間、新茶の販売開始に併せ、センター来場者対象にお茶の消費拡大活動を行いました。お茶の試飲やお茶の入れ方教室を開催し、製茶工程を動画で説明、県産茶の産地や生産者の紹介も行いました。試飲の際には、水温による成分の抽出特性を説明し、温かいお茶と冷たいお茶の違いを体験してもらいました。お茶のリキュール等、新しい茶の楽しみ方も伝えることができました。
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農業研究部 葉根菜類・茶業チーム
0974-28-2082
イチゴの遺伝子を解析するため、農業研究部で保有するイチゴ160個体の葉からDNAを抽出しました。抽出したDNAは、「かずさDNA研究所」(千葉県)と共同で解析します。
DNAには、各個体の様々な遺伝情報が集約されています。今後は、「イチゴの日持ち性等に関与する果実硬度」に関連する遺伝子を特定していきます。
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農業研究部 果菜類チーム
0974-28-2081
当チームでは、産業廃棄物の利活用やプラスチック含有肥料の削減を目的として、堆肥を原料とした肥料(混合堆肥複合肥料)の試験を行っています。今年度、ピーマンの元肥および追肥に混合堆肥複合肥料を使用して収量性を調査し、利用可能性を検討しています。今回、追肥として混合堆肥複合肥料「レコアップ684」を散布し、なり疲れ(収穫が進むと樹勢が弱る症状)対策に有効かどうかを評価します。
●問合せ先
農業研究部 果菜類チーム
0974-28-2081
花きグループでは遊休化したハウスの有効利用を図るため、様々な草花の試験を行っています。その中でも無加温で栽培できる有望な品目としてリアトリスがあげられます。この花の季咲きは6月から7月で施設と露地でリレー栽培をすることが可能です。また、宿根草で数年に渡って採花することができ、かつ栽培が容易で切り花品質にも優れています。
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花きグループ 企画指導担当
0977-66-4706
ヒジキが成熟するこの時期は、当グループでも種苗生産が最盛期となります。母藻の成熟状況を見極め、卵(0.2mm程度)の放出を待ち、水槽内の受精卵を目合い(めあい)0.1mm程度の網で集めます。
受精卵は発芽が進むと物に付く性質があるので、コンクリートブロックなどに付着させます。
こうして得た種苗を使用して養殖試験等に用い、ヒジキの繁る海を目指します。
●問合せ先
北部水産グループ 養殖環境チーム
0978-22-2405
当研究部では持続可能なヒラメ養殖の確立に向け、スマート化された養殖試験施設を整備しました。本施設では給餌作業の省力化を図るための自動給餌システムや、赤潮発生時のリアルタイム監視と即時対応を可能にする、遠隔操作システムの開発を行います。今後は生産者の意見も取り入れ、現場に役立つシステム構築を目指します。
●問合せ先
水産研究部 養殖環境チーム
0972-32-2155
林業研究部森林チームでは、循環型林業の確立に向けたスギやコウヨウザンなどの成長の早い早生樹の研究に取組んでいます。
今回、豊肥地域で早生樹造林に取組んでいる企業が、研究部の試験研究の取組みの視察を兼ねて来訪され、早生樹造林の情報交換を行ないました。(4/26、5/29)
今後も試験研究及び情報収集に努め、早生樹造林の取組みを加速化させていきます。
●問合せ先
林業研究部 企画指導担当
0973-23-2146
きのこグループでは、乾シイタケの新品種育成に取り組んでいます。6月3日に昨年の秋から春にかけて発生したシイタケの判定会を開催し、一次、二次選抜中のシイタケの発生量、形状、発生時期等を確認しました。今後、種菌メーカーと連携して、品種の選抜を行います。
●問合せ先
きのこグループ 企画指導担当
0974-22-4236
昨年の試験で、「鶏ふん堆肥」という同じ名称で販売されていても、商品によって分解速度が異なる事が明らかになりました。
そこで今年度は、窒素の供給速度の異なる鶏ふん堆肥を原料にして堆肥入り肥料を2種類試作し、白ねぎの栽培試験を開始しました。今後、生育調査や収穫調査を行い、原料となる堆肥の違いが生育に与える影響を検証します。
●問合せ先
農業研究部 土壌・環境チーム
0974-28-2082
今年度新たに野菜の普及担当となった県職員とJA職員の14名を対象に、野菜1年目専門技術研修を行いました。果菜類チームの圃場では、ハウス内の潅水量を測定したり、ピーマンの収穫選果作業を体験するなど、実践で用いる技術の習得を行いました。
●問合せ先
農業研究部 果菜類チーム
0974-28-2081
JAおおいた玖珠九重のトマト生産者8名が外気導入試験の視察に来られました。これは、ダクトを通してハウス内に外気を導入することにより植物体表面温度を低下させ、栽培環境の改善を図るもので、昨年度の試験結果や今年度の試験状況を紹介しました。また、今年度の試験内容やハウス内の環境改善技術について情報交換しました。
●問合せ先
農業研究部 果菜類チーム
0974-28-2081
寒天原料や刺身のツマなどに利用されるオゴノリはこの時期に成熟します。当グループではオゴノリ養殖試験を行うため、6月4日に天然採苗を行いました。
宇佐市地先のオゴノリが生息している干潟上にノリ網を設置し、胞子の付着を待ちます。今後、胞子の付着状況を調査しながら天然採苗方法の確立を目指します。
●問合せ先
北部水産グループ 養殖環境チーム
0978-22-2405
5月29日に当研究部で、市町村、漁協職員を対象とした「魚病及び赤潮担当者会議」を実施しました。赤潮については、過去の発生状況、今年度の発生予測、漁業被害が発生した際の対応などについて説明しました。魚病については、令和5年度の発生状況の報告、新たな疾病に関する情報提供等を行いました。
●問合せ先
水産研究部 養殖環境チーム
0972-32-2155
県オリジナル花きであるヤマジノギクの季咲きは10月以降ですが、施設内にある設備を利用して開花時期を調節することができます。花きグループでは輪ギクの年間作付け体系にヤマジノギクを組み入れて新たな作付けを確立する試験に取組んでいます。このたび現地での実証試験で、ヤマジノギクを輪ギクと同時に定植しても開花することが確認でき、課題解決を進めています。
●問合せ先
花きグループ 企画指導担当
0977-66-4706
林業研究部木材チームでは、2台の木材乾燥機がフル稼働しています。
県産スギ大径材を活用するために、製材・乾燥における材の曲がり抑制技術の開発と、従来の蒸気式乾燥だけでなく減圧乾燥や高周波乾燥を組み合わせて乾燥することにより、効率的に高品質な乾燥材を生産する技術について取組んでいます。
●問合せ先
林業研究部 企画指導担当
0973-23-2146
当研究部では、今年度赤潮被害を防止するため、ドローンを活用した赤潮監視技術の開発に取り組んでいます。本技術の確立により、今後、赤潮発生時に速やかに空撮を行うことで、海面の色による赤潮種類の推定、発生場所の特定、発生域の拡大及び流向監視などの効率的・効果的な赤潮監視が期待されます。
●問合せ先
水産研究部 養殖環境チーム
0972-32-2155
植物プランクトンを食べて成長する二枚貝類の養殖を実施することで、魚類養殖による栄養負荷を陸上に回収し、富栄養化した湾内の漁場環境の改善を図ります。
山口県栽培漁業センターから平均殻長6mmのアサリ6万個を受入れ、水産研究部の海上筏で中間育成した後、11月から蒲江猪串湾で養殖試験を実施する予定です。
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水産研究部 養殖環境チーム
0972-32-2155
ホオズキというと「お盆の花」というイメージが強く、需要もほぼその時期に限られます。花きグループでは、周年で収穫できるホオズキの栽培試験に取組んでおり、今年度は無加温で5月に収穫する試験を行いました。5月収穫のホオズキは、実需者から「グリーンが鮮やかで面白い商材」との意見を頂いており、今後に期待しているところです。
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花きグループ 企画指導担当
0977-66-4706
候補種雄牛である「秀保久」と「葵清国」の現場後代検定に向けた試験交配が5月15日から始まりました。今後、試験交配で生まれた子牛の肥育調査(現場後代検定)が行われます。
(1)「秀保久(ひでやすひさ)」(秋桜幸-福之姫-安福久)
・脂肪交雑のゲノム育種価は県内歴代2位
(2)「葵清国(あおいきよくに)」(葵白清-福之姫-美津照重)
・牛伝染性リンパ腫発症抵抗性遺伝子009:02を保有
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畜産研究部 肉用牛改良肥育チーム
0974-76-1217
畜産研究部には約56haの牧草地があり、牧草の試験研究や場内利用を行っています。
5月2日からオーチャードグラス主体草地の一番草の刈取りを始めました。収穫適期の出穂期に達しており、例年通りの生育で推移しています。5月中に一番草の乾草収納を終了し、二番草を7月、三番草を9月に刈取る予定です。
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畜産研究部 飼料・環境チーム
0974-76-1219
麦類採種生産者に供給する種子(原種)の収穫作業が始まりました。今年は二条大麦「トヨノホシ」と、小麦の「はるみずき」「チクゴイズミ」の3品種を栽培しており、今回は「トヨノホシ」の収穫を行ないました。残りの品種についても、随時収穫を進めていきます。
●問合せ先
水田農業グループ 企画指導担当 又は 水田農業チーム
0978-37-1160
瀬戸内海域では水温が上がり、日差しが強まる5月頃から赤潮の発生が危惧されるため、周年で行っている貝毒プランクトン調査に加え、赤潮プランクトン調査も実施します。5月から9月の間、月に2回から3回の頻度で取水して調査を行います。
なお、昨年度も本県瀬戸内海域において赤潮や貝毒による漁業被害は発生しておりません。
●問合せ先
北部水産グループ 養殖環境チーム
0978-22-2405
夏期の高温などのハウス内環境を改善し、収量や品質向上を図るために場内トマトハウスに外気導入装置を設置しました。
送風ファンで外気を吸い込み、ダクトを通してハウス内に外気を導入することにより、植物群落内の気温や炭酸ガス濃度、植物体表面温度などがより光合成に適した環境へ改善するかを検証します。
●問合せ先
農業研究部 果菜類チーム
0974-28-2081
トルコギキョウは施設栽培が一般的ですが、昨今パイプ等各種資材や重油等が高騰しており、経営を圧迫する要因となっています。このため花きグループでは露地や簡易施設を利用した低コスト栽培試験に取組んでいます。このたび大分県オリジナル品種や市販品種など計15品種の作付けを行いました。今後は8月の収穫に向け生育調査を行います。
●問合せ先
花きグループ 企画指導担当
0977-66-4706
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